乳児のママは必ず知っておくべき「RSウイルス」
2016-11-16 12:00:00
執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士)
「RSウイルス」
子育て中の方ならば、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
子供同士の感染力が強く、特に2歳未満のお子さんが感染するとされているRSウイルス。
軽く考えてしまいがちなのですが、しっかり対策をしておかないと怖い症状を引き起こす恐れのある、要注意のウイルスです。
今回はこのRSウイルスについて、ご紹介していきましょう。
2歳までにほぼ100%感染する」ウイルス
RSウイルスとは、肺や気管といった呼吸器感染を引き起こすウイルスです。
主にくしゃみや咳といったつばや唾液を通して感染し、生後1年で約半数、2年でほぼ100%感染するといわれています。
始めて感染した場合は、2回以降に比べて肺炎や気管支炎になりやすいとされており、特に感染した時期が生後数週間から数か月と、乳児の中でも初期の子であればあるほど重症化しやすくなります。
そのため、初期の乳児がいるご家庭では注意が必要です。
また未熟児として生まれた赤ちゃんや、心臓や肺などに障がいを持っている赤ちゃん、持病がある赤ちゃんは標準で生まれた赤ちゃんよりも重症化しやすいため、注意する必要があります。
風邪と思って軽く見ない
RSウイルスは感染すると、鼻水や咳、発熱といった風邪のような症状が出ます。そのため「ただの風邪」と軽く見て放置してしまうと、肺炎や気管支炎に移行しやすくなってしまいます。
特に1歳未満でRSウイルスに感染すると、中耳炎を合併するケースがあります。
中耳炎は悪化すると聴力低下など将来にわたる後遺症が出る可能性も否定できないため、風邪だと思い込まずに早期の受診をお勧めします。
大切なのは「RSウイルスという存在を知っておくこと」
乳児も6か月をすぎるとどんどん自分で動きだすようになり、児童館や子育て支援センターなど、外へ連れ出す機会が増えていきます。
赤ちゃんは何でも口にすぐ入れてしまいますし、マスクもなかなかすることができません。
そのため、RSウイルスに感染している子供が同じ場所にいた場合、大人に比べて圧倒的にウイルスへ感染しやすくなってしまいます。
そこで大切になるのが「RSウイルスの存在を知っておいて、症状が出現したら早めに受診する」ということです。
特に保育園や児童館など、たくさんの子供が集まっている場所に行く場合、ある程度の感染症をもらうのは仕方ないことと言わざるを得ません。
子供のあそび場を減らさないためにも、大切なのは「ウイルスに感染しないよう、そういった場所に行かない」ということではなく「罹った場合に最小限の症状で済むように、親として知識を増やしておく」ことです。
<執筆者プロフィール>
山村 真子(やまむら・まこ)
看護師・西東京糖尿病療養指導士、一児&犬二匹の母親兼主婦。現在は医療系ライターとして執筆活動中
関連記事
情報提供元: mocosuku