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自分でわかる「老化のサイン」について

2016-10-22 12:00:51


執筆:井上 愛子(保健師・助産師・看護師・保育士)
疲れやすくなったり、お化粧のノリが悪かったり、「若い頃はこんな風じゃなかったのに…」と思うことはありませんか?
それはもしかすると、老化のサインかもしれません。
老化が始まったことを自覚する身体の変化には、どのようなものがあるのでしょうか。老化のサインについて、詳しくみていきましょう。

なぜ老化するの?


そもそも老化とは、年齢を重ねるにつれて、身体の機能が衰えていくことを意味します。
赤ちゃんとして生まれたヒトは、日々成長し、発達していきますが、成熟を経ていずれは衰退していきます。細胞レベルで考えると、生まれた時から老化は始まるとも言われますが、若い頃は細胞が入れ替わるシステムが活発に働いているので機能を保つことができます。
しかし、加齢によって細胞が入れ替わるシステムが徐々に衰えたり、生活環境のストレスに晒されることで老化が進みます。
ただし、個人の生活習慣や生理機能によって老化の現れ方やスピードには大きな個人差があります。
そこで自覚できる老化のサインを順番にみていきましょう。

外見からわかる老化の兆し


「肌の曲がり角」という言葉があるように、まず老化を実感しやすいのは肌でしょう。
肌のハリやみずみずしさを保つ細胞の成分は、加齢により減っていきますが、例えばコラーゲンは20~30代、ヒアルロン酸は50~60代が減少のピークと言われています。
化粧のノリが悪くなったり、手や首などのシワ、乾燥が気になりだすのは一つの老化の兆しと言えます。また、髪が細くなったり、毛量が減る、ハリやツヤがなくなるといった髪質の変化も多くの人が直面する老化の兆しです。

老化による感覚の変化


五感が指す、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚といった感覚も年齢を重ねるにつれて老化していきます。
とくに視力は、加齢により近くのものにピントが合いづらくなる老眼がすすみます。もともとの視力や目の状態にもよりますが、目が疲れやすい、かすむ、ぼやけるといった症状も老化の兆しとして出てきます。
また耳の老化は早ければ40代、平均的には50代から始まります。耳の老化は、高い音が聞こえづらくなることが特徴。最近では仕事や生活環境の影響により30代から耳の聞こえづらさを自覚する人も増えており、テレビの音量が徐々に大きくなっていたり、会話のしづらさを感じる場合には注意が必要です。
さらに、味覚は60歳頃から徐々に鈍くなっていきます。舌の表面で味を感知する味蕾(みらい)というセンサーが減少し、とくに塩味や甘味を感じにくくなります。
これまでと同じものを食べても味が薄く感じる場合は老化のサインかもしれません。

全身につながる身体の中の老化


年齢とともに体重が増えたり、疲れやすくなるのは老化の兆しです。
基礎代謝は10代をピークに、加齢と共に低下していきます。これは筋肉量が減少することが大きな原因です。
これに運動不足も加わると、エネルギー消費量はさらに低下し、太りやすくなります。
さらに若い頃と食事が変わらないまま、身体が重かったり、疲れやすいので運動をしないという生活が続くと、生活習慣病にもなりかねません。
そして身体の中の老化は肌のターンオーバーを遅らせるなど、見た目の老化にも直結するため、食事、運動に加えて喫煙、アルコール、ストレスなどの生活習慣は全身の老化を大きく左右します。

性別による老化の違い


老化の現れ方は性別によっても異なります。
たとえば40代ごろまでの女性は、女性ホルモンの影響によって血管の若さが保たれています。そのため、高血圧や動脈硬化といった血管の変化は男性の方が早く現れる傾向にありますが、更年期や閉経後には女性もリスクが増加していきます。
 
また、男女差が一番大きい病気は「骨粗しょう症」と言われており、男性ホルモン・女性ホルモンの影響で骨粗しょう症になるのは、女性の方が顕著です。背中や腰が曲がってきたり、痛みがあったり、少しずつ身長が縮んできている、といったことも老化に伴う見逃せない身体の変化です。
このように老化の兆しは身体の至るところに現れます。
老化は自然な現象であり、すべてが悪いものではありません。とはいえ、それが原因で生活に支障をきたすこともあります。
変化を早めに察知し対策をとることで、身体も心も若々しく過ごせるといいですね。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン

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情報提供元: mocosuku

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