12月からガソリンの補助金が段階的に縮小され、同時にはじまるのが電気・ガスの補助金です。
生活や事業が助かっているという声がある一方、財政悪化や、「補助慣れ」も…補助金がやめられないワケとは。
【高市総理】「“税金を”1日あたり100億円超えるペース」ガソリン補助縮小へ
元価格は222円程度 1Lあたり「約52円」の補助金
高柳光希キャスター:
今日はガソリンや電気・ガスの補助金についてです。
【最新のガソリン価格(1L)】
・元価格(補助なし) 222円程度
・小売価格 170円
※11月2日時点/全国レギュラーガソリン平均価格 資源エネルギー庁より
現在のガソリン価格について、元価格と小売価格の差額を見ると、約52円の補助金が出ています。
50円というと、50Lを入れると1回2500円ほどお得になっているということになります。
この補助金は2022年から出ているということです。
TBS報道局経済部 蓮井啓介 記者:
この数週間は1Lあたり50円くらいの補助がされていますが、皆さんに実感があるのでしょうか。
井上貴博キャスター:
我々以上に車がないと生活できない地域で生活している人にとっては、とてつもなく大きいでしょう。
1人1台ないと生活できない人にとっては、ものすごくありがたいものだと思います。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
ヨーロッパでは、日本円換算で1Lあたり300円だそうです。
これには環境税や付加価値税がかかっていて、その分、日本は補助金を出しているという意味では、相当差が出ています。
補助金の累計は10兆円超 高市総理“12月から毎月縮小”の考え示す
高柳キャスター:
2022年から開始されている補助金ですが、これまで投入されてきた税金は、現時点で10兆円を超えているということです。
TBS報道局経済部 蓮井啓介 記者:
この10兆円という数字は、国民1人あたりにすると8万円くらいで、そのくらいの給付を受けられる規模の補助をやってきたということです。
井上キャスター:
2年間の食料品の消費税減税は10兆円くらいではなかったでしょうか。
TBS報道局経済部 蓮井啓介 記者:
そうです。その食料品の消費税減税ができるくらいの規模を5年かけて断続的にやってきました。
しかし、このまま続けていくのも難しく、補助に慣れてしまっていて、財源をこれだけ入れていてもありがたみがなくなってきているということもあります。
高市総理は12月から、170円という価格について、175円、180円、185円、190円と、毎月補助を縮小していく考えを示しました。
高柳キャスター:
補助は最終的にはなくなってしまうということでしょうか。
TBS報道局経済部 蓮井啓介 記者:
まだ完全にやめられるかという出口は見えていないのが実情です。
ガソリン価格が200円を超えてくるとなると、国民生活に影響するので難しいのではないかという声もあります。
出水麻衣キャスター:
これから食品消費税の引き下げが始まるということで、少し家計が楽になるかもと思っている人もいると思います。
ガソリンの補助が縮小されると、運送費なども高くなり、価格にも跳ね返ってくるのではないでしょうか。
TBS報道局経済部 蓮井啓介 記者:
ガソリン、油の価格というのは、あらゆるところで使われています。
物流コストも上がり、全体の物価を押し上げるような効果が出てくるので、補助を縮小すると悪い面も出てくると思います。
12月から電気・ガス料金の支援 7000円程度の負担減も「4年で5.6兆円」
高柳キャスター:
ガソリンは段階的に補助金が縮小されるということですが、この時期になると電気やガス料金の支援が始まります。
2026年12月から2027年2月までの3か月で、標準的な世帯で7000円程度の負担減につながるということで、支出額は5000億円を投入するということですが、電気・ガス料金の支援は2023年から始まっています。
TBS報道局経済部 蓮井啓介 記者:
2023年から4年近く続けています。
最初は通年、その後は夏と冬の電気をよく使う時期に限っての支援をしてきました。
【電気・ガス料金支援】
2023年:1月~12月
2024年:1月~5月、8月~10月
2025年:1月~3月、7月~9月
2026年:1月~3月、7月~9月、今回(12月~2027年2月)
ガソリンの補助金は10兆円超えでしたが、電気・ガスの補助金の累計は今回を除いて5.6兆円ということになります。
高市総理「“税金を”1日あたり100億円超えるペースで」 言葉に表れた総理の思い
高柳キャスター:
そして、高市総理は10月29日の会見でガソリンなどの補助に対して、「皆さまの貴重な税金を1日あたり100億円を超えるペースで使用して価格を抑えている」と発言しました。
TBS報道局経済部 蓮井啓介 記者:
「税金を」という言葉を、通常は役所の答弁書に使いません。
ここに、100億円を超えるような税金を毎日使っていることに対する思いが表れていると思います。
この5年間で電気・ガス・ガソリンに、16兆円もの巨額のお金が使われています。
政府を取材していると「さすがに補助するにしてもやり過ぎ」や「補助が麻薬のようにやめられなくなっている」という声も聞こえてきます。
高市総理は、この補助よりも成長投資や17分野の投資などの方に回したい思いが強いようで、実際にガソリンの補助などが新たな産業の成長を潰してきたという指摘もあります。
例えば、ガソリンがずっと安いままなので、新たな再生エネルギーの活用やEVへのシフトが日本は世界的に見ても遅れています。
経済的に見れば、このガソリンの補助金というのは経済政策としては失敗だったと言わざるを得ないという評価もあります。
そういった中で、高市総理もやはり新たな成長投資の方にこれから力を移していき、さらに言えば、2027年4月からは消費税の減税も始まります。
そこで補助縮小ということを訴えたのだと思います。
井上キャスター:
政府も悩ましいのだろうと思うのは、16兆円という金額は明らかにやり過ぎで、バランスを欠いているし、他のやり方があると思います。しかし、何かしなければならず、打ち出の小槌はありません。何をやってもメリット・デメリットはあるでしょう。
成長投資にも高市総理のこだわりがあるのでしょうけれども、やはり円安というものがこれだけのガソリン価格の高騰の一因になっていることは間違いないと思います。
バランスだと思いますが、円安を是正するという方向にもう少しいってほしいと思います。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
金利を上げるしかありませんが、そう簡単ではないという面と、電気代にしても、オール電化の家に住んでいる富裕層の人のメリットが大きいと思います。
ガソリンも、高級車でたくさんガソリンを使っている人の方がメリットが大きいというシステムは少し見直す必要はあると思います。
基本的には、2年後に導入される給付付き税額控除、所得に応じて補助をするということをやっていくしかありません。
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<プロフィール>
蓮井啓介
TBS報道局経済部 財務省担当
財政・税制などの経済政策を取材
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ福島県出身
政治記者歴30年
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