
初孫が生まれる平均年齢は男性女性とも60歳前後といわれる中、企業や自治体で「孫育休」の導入が進んでいます。
【写真を見る】広がる祖父母の「孫育休」とは?おじいちゃん向けの“孫育講習”で不安も払拭【THE TIME,】
年7日間の「孫育休」どんな制度?
「じいじ、卵いらない」
「卵いらないの?はい、ありがとう」
慣れた手つきでタンメンを作り、4歳と1歳の孫に食べさせてるのは会社員の手塚智雄さん59歳です。
「孫と一緒に遊べる時間は非常に貴重だと思うし、娘夫婦が共働きで結構忙しいということもあるので、ちょっとでも私の方で役に立てたらなと」
利用しているのは勤め先の『SOMPOひまわり生命』(東京・千代田区)が2023年から導入している制度です。
【まご・おいめい育児休暇】
▼孫が生後2年1か月に到達する日の前日まで、年7日取得することが可能
▼甥や姪の育児にも適応
手塚さんは、娘夫婦に2人目の孫が誕生し初めて取得。きっかけは…
孫2人・手塚さん(59):
「2人目の子を病院に連れて行かないといけない時に、上の子の保育園がお休みで見る人がいないと。急遽私が育休を取得して、上の子と一緒に留守番をした」
1日単位で取得できるため、気軽に利用できるという手塚さん。今では定期的に娘夫婦の家を訪れ、お散歩やおままごとはもちろん、ご飯も作ります。
手塚さんの娘(31):
「ありがたいの一言。急に手が必要になった時に、急だけど休んでくれるというのが一番心強いし、普段の子供の様子を知ってくれている父に預けるというのは安心できる」
若い世代も「育休が取りやすい雰囲気」
この孫育休を導入した背景には、「本来の育児休暇」が深く関係しています。
厚生労働省によると、育休取得率(2023年度)は▼女性84.1%▼男性30.1%
『SOMPOひまわり生命』でも男性社員の多くが育休取得に前向きな意思表示をするも、実際には取得できなかった社員も一定数いたとのこと。
しかし育児とは距離があった世代の“上司が孫育休をとる”ことで、まわりの育休への理解を深めることにもつながっているといいます。
業務推進部トレーニングセンター室・松江拓哉さん(31):
「上司がそういう休暇の取得に対して前向きだというのがわかるので、僕らも育休が取りやすい雰囲気ができると思う。非常にありがたい」
「時間単位」で取得OKも
こうした「孫育休」は全国に広がっています。
▼『第一生命保険』⇒孫が生まれた際に3日間の特別休暇。年間約1500人の社員が利用
▼『リンガーハット』⇒社員の要望を受け、2024年5月に「育孫休暇」導入
▼宮城県・神奈川県・岡山市など自治体でも導入
『アートチャイルドケア株式会社』(東京・品川区)の孫育休は、「年に5日」で「時間単位」の利用もOK。
エリアマネージャーの小山文子さん(68)は「4時間」の孫育休を取得したといいます。
孫2人・小山さん(68):
「娘が急に病気になって、小学校・幼稚園の送り迎え、就学時検診があったりでその付添いなどをした」
おじいちゃんに「孫育講習」
広がりをみせる孫育休ですが、子育て真っ最中の親世代からは「おじいちゃんのサポート」には一抹の不安が…という声も。
「母は確実に私達が赤ちゃんの時やってきてるからできるという前提だけど、父はやってきていないからできないだろうなと」(49歳女性)
「自分がパパだった時代にどれだけお世話をしてきたかだと。ちょっと頼りきれない」(38歳女性)
そんな祖父世代に「孫育て」を教えてくれる場所も!
NPO法人『エガリテ大手前』古久保俊嗣代表:
「“ソフリエ認定講座”をやって、おじいちゃんの戦力化をやろうと」
ソフリエとは、「祖父」と「ソムリエ」をかけた造語で、孫の育児に参加できるおじいちゃんを育てるべく<離乳食の調理実習>や<赤ちゃんの入浴方法>などの無料レッスンを実施。5~6時間の受講で資格認定となります。
九州在住の松田弘志さん(73)も、双子の孫が生まれた際に受講。今の正しい育児方法を、いちから学んだといいます。
孫2人・松田さん(73):
「扱い方を知らないだろうと、娘から孫を触らせてもらえない。育児はほとんど経験が無いというのを娘は知っているから。24時間働けますかみたいなCMが流れてた時代ですからね」
しかし今では「ソフリエ」の資格を取ったおじいちゃんに、娘・夏季さん(35)も「本人も自信がちゃんとあって、言わなくても色々やってくれていたのですごく助かった」と頼りにしてる様子です。
共働き家庭の増加に高齢化ー。
今の日本を取り巻く現状におじいちゃんの支えは欠かせないといいます。
NPO法人『エガリテ大手前』古久保代表:
「祖父世代は社会の中では非常多くなっているので、“おじいちゃんの出番です”という需要は非常にあると思う」
(THE TIME,2025年5月13日放送より)
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