E START

E START トップページ > 海外 > ニュース > 米中間選挙で民主党が上下両院で過半数 トランプ大統領“ミスター拒否権”や敗北の責任を候補者に転嫁か、外交で譲歩の可能性も【Nスタ解説】

米中間選挙で民主党が上下両院で過半数 トランプ大統領“ミスター拒否権”や敗北の責任を候補者に転嫁か、外交で譲歩の可能性も【Nスタ解説】

海外
2026-11-04 22:39

アメリカ・トランプ政権への有権者の評価となる中間選挙で、民主党が上下両院で過半数を獲得することが確実になりました。トランプ政権にとって「大敗」といえる厳しい結果となりました。


【写真で見る】トランプ大統領「原因はイラン攻撃への反発」“共和党大敗”を振り返る


「大敗の一因はイラン情勢」 民主党“下院250議席”うかがう勢い 2008年以来の水準

井上貴博キャスター:
トランプ大統領が「大敗の一因をイラン情勢にみた」というようなコメントをしたということですが、今回の中間選挙の結果をどうみていますか。


JNNワシントン支局長 涌井文晶 記者:
共和党の大敗と言っていい結果になっていると思います。

民主党には必ずしも勢いがないというふうに言われていた中で、そこまで議席を伸ばせないのではないかという見方もありました。

しかし、いざ開票が進むと、事前の調査でもここまで民主党が勝つというような予測がなかったくらいに民主党が議席を伸ばしている状態です。

アラスカを除いて、“激戦州”もすべて民主党が取る勢いです。

下院も250議席をうかがう勢いということで、これは2008年以来の水準という非常に大きな勝利ということになります。


「協力できるところはあるのでは」発言も“歩み寄る趣旨ではない可能性”

井上キャスター:
上下両院とも民主党が過半数ということで、レームダック状態になると言えます。

国内の政治がなかなか進まないとなると、トランプ大統領にとってかなり厳しいのか、それとも今までも議会をそこまで通していなかったから変わらないのではないかという見方もあると思いますが、今後はどうなるのでしょうか。


JNNワシントン支局長 涌井文晶 記者:
これまでも議会を通した法律を通じての政策実現というのは、トランプ大統領はあまり行ってきませんでした。予算の成立などをしなければいけないので、ますますその道は狭まったと思います。

本来、民主党と協力しないと進まないものは進まないということですが、果たしてどうなるかというふうに私もみています。

トランプ大統領は先ほど、ニューヨーク・タイムズの取材に対して「協力できるところはあるのではないか」というような楽観的な見方をしているということですが、あまりトランプ大統領側から民主党に歩み寄っていくような趣旨の発言とは取りづらいと思います。


「私は“ミスター拒否権”になる」と言って、仮に法案が議会を通過してきても、「自分は拒否権を使って通さない」という趣旨の発言を繰り返しています。

これによって「民主党の政策を実現しない」というようなことをアピールし、「民主党の政策が実現すると国が壊れる」というようなことを、この選挙の間でもずっと言ってきています。

これを「大統領の権限をもって自分が止める」ことで、今後アピールしていく方が、より可能性が高いのではないかとみています。


「自分が政治評論家になって、分析していくつもり」 敗北の責任を候補者に転嫁か

出水麻衣キャスター:
トランプ大統領は、SNSを矢継ぎ早に更新していて、「自分が政治評論家になって、候補者たちがなぜ勝ったのか、負けたのか、分析していくつもり」というような投稿もしています。

これは結果に満足していない、何か物申していくという決意のようにも受け取れますよね。


JNNワシントン支局長 涌井文晶 記者:
これは責任逃れということになるのではないかと思います。

この選挙戦の中でトランプ大統領は、「自分が投票用紙に載っていると思って投票に行ってほしい」という呼びかけを続けてきましたが、選挙が終わった途端に「やっぱり投票用紙に載っていなかったから、共和党はうまくいかなかった」というような発言に切り替えました。

なので、この選挙戦の敗北の責任は、大統領の自分にあるのではなく共和党の候補にあったという言説を、まずは広げていこうという姿勢にみえます。


一方で、イランの情勢などについても原因があったというような言い方をしていますが、「もう一回同じ状況になってもイランへの攻撃を行う」というようなことも言っています。

そして、トランプ大統領の辞書に「失敗」や「修正」という言葉はありません。それは変わっていないはずです。

そこで何か責任を認めるということは、なかなか考えづらいのではないかと思います。


国内政治“死に体”で外交に成果求める? 金正恩氏との会談で譲歩の可能性も

井上キャスター:
今後の政治についてどういうふうに考えていくのか、アメリカ政治・外交に詳しい上智大学の前嶋和弘教授に聞きました。

前嶋教授は「勢いがでる民主党政権の不正などに対する調査は進むが、トランプ政権を止める法案などは通らずに弾劾は無理。対立は深まる」という見方を示しています。

例えば、外交でしか成果を上げられないとなると、北朝鮮に対して「私が会いに行く。核保有を認めるからディールをしよう。これが最後の成果だ」などと、外交でより踏み込むリスクはあるのでしょうか。


JNNワシントン支局長 涌井文晶 記者:
それは大いに懸念すべき事態だというふうにみています。

外交というのは、大統領権限でかなりの部分を進めることができますが、国内でも“死に体”でなかなか成果が出ないということになってくると、トランプ大統領にとって政治的遺産を残せるのは外交だと見定める可能性が高くなってきます。

この間も金正恩総書記との会談に非常に意欲を示していますが、北朝鮮側は北朝鮮の核保有を認めなければ会わないという姿勢を貫き続けています。


ただ、今回トランプ大統領は、国内で非常に傷ついたということにもなっていますが、北朝鮮側としてはチャンスというふうにみて、逆に今だったら会うというような働きかけをしてくる可能性があります。

今ならトランプ大統領が譲歩するのではないかとみる可能性があります。

これは他の国についても同様です。ウクライナ・ロシアのような情勢、中国についても同様ということです。

トランプ大統領がアメリカの原則を曲げて、個人の遺産に傾斜する危険というのは、今後高まってくると警戒せざるを得ない状況になったとみています。


========
<プロフィール>
涌井文晶
JNNワシントン支局長


・10歳若返る?「ジャパニーズウォーキング」…“1日30分”で1万歩歩くよりも効果的 道具いらずで海外で話題【Nスタ解説】
・「インフルにかかる人・かからない人の違いは?」「医師はどう予防?」インフルエンザの疑問を専門家に聞く【ひるおび】
・40代から増加「脳梗塞」の初期症状は?「倒れてからじゃ遅い」早期発見のカギ「BE FAST」とは【ひるおび】


情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

ページの先頭へ