
太陽光発電所からの銅線窃盗をはじめ、各地で金属窃盗が急増していることを受け、政府はきょう(11日)、新たな立法を目指す「金属盗対策法案」を閣議決定しました。
警察庁によりますと、太陽光発電所の銅線など金属ケーブル窃盗事件の去年1年間の認知件数は全国で2万701件と、統計を開始した2020年からおよそ4倍となっています。
特に太陽光発電所における金属ケーブル窃盗の被害は北関東を中心に広がっていて、最も多いのが茨城県の2370件で、栃木県や群馬県でも1000件を超えるなど被害は深刻化しています。
こうした被害の急増を受け、政府はきょう、金属窃盗対策として新たな法案となる「金属盗対策法案」を閣議決定しました。
法案では、盗品の流通防止対策として、▼金属くずの買い取り業者に営業の届け出を義務化。これに違反した場合は6か月以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科されます。
そして、買い取り業者が、▼金属ケーブルを持ち込んできた客の本人確認を行うことや、▼取引などの記録を3年間保存すること、▼盗品の疑いがある場合に警察に申告することが義務付けられます。
客の本人確認については、免許証など顔写真付きの身分証を使う想定で、都道府県公安委員会からの指示に従わない悪質な業者は、6か月以内の営業停止処分となります。
このほか、犯行用具についても規制します。▼金属ケーブルを切断できるサイズのケーブルカッターやボルトクリッパーなどの工具を外から見えないように隠して所持した場合、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金としました。
金属窃盗をめぐっては、不法滞在の外国人グループによる組織的な犯行が目立つことから入管難民法も改正。金属盗対策法の犯行用具の隠匿所持で拘禁刑となった場合、上陸拒否や退去強制の対象になります。
警察庁は、金属くずの買い取り業者や金属窃盗に使われる犯行用具などを規制したうえで、被害に遭うおそれの大きい太陽光発電所などの事業者に対して、防犯情報の周知を徹底するとしています。
「金属盗対策法」は成立した場合、公布から1年以内に順次施行されます。
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