コメの収穫が始まり、早いところでは新米が並ぶようになりました。一方、スーパーなどでは去年産のコメ価格がどんどん下落。「今週中に去年のコメを売り切りたい」と、販売を急ぐ状況もあるようです。
【写真を見る】5キロ3000円台前半まで下落…今後のコメ価格はどうなる?
2025年産より「新米」が安い! 農家は低い“概算金”に「ショック」と吐露…
井上貴博キャスター:
コメの価格が乱高下することで、農家の人たちが振り回されています。
スーパーで売られているコメの平均価格(5キロあたり)は、
▼2025年8月4日~10日は3737円でしたが、
▼2025年12月29日~2026年1月4日は4416円に値上がりしました。
その後、
▼2026年8月3日~9日には3220円と大幅に値下がりしたことがわかりました。
この結果を踏まえて気になるのは、これから出始める「新米」の価格だと思います。
ひとつの指標となるのが「概算金」と呼ばれるものです。
「概算金」とは、JAが集荷時に生産者に支払う前払い金のことで、コメの小売り価格を左右する指標とされています。
では、2026年の概算金はどうなっているのでしょうか。
▼JAみやざき:1万8000円(前年比-1万4000円)
関係者によると、販売不振に加え、備蓄米や輸入米の流通で過去最高水準の在庫状態と農家に説明しているとのこと。
▼JA全農とやま:2万円(前年比-6000円)
持続的に農業・稲作を続けてもらうため、価格設定が極めて重要としている。
2025年と比べると価格はかなり落ち込んでいますが、2024年と比べると同水準、または上回っているところもあります。
この概算金を受け、コメ農家を営む宮崎・串間市の松田朋和さんは「思っていたよりも低い金額でショック」と話し、肥料や農業機械、燃料などの経費が高騰しているので、今の金額では厳しいといいます。
また、富山市・盛安ファームの盛安優太さんは「他の地域は1万4000円・1万6000円もざら。富山はありがたい」とのことですが、「本音を言えば…来年下がったら厳しい」と手放しに喜べない状況だそうです。
下落の背景に「コメ離れ」と「コメ余り」…政府の需給予測に生じた大きな“ズレ”
概算金が大幅に下落したわけを、宇都宮大学農学部の松平尚也助教に伺いました。
▼価格高騰による消費者の「コメ離れ」と、▼備蓄米放出・輸入米による在庫の「コメ余り」が原因だといいます。
これらのことから、政府のコメの需給予測に“ズレ”が生じたのではないかということです。
なぜ、政府のコメの需給予測にズレが生じてしまうのでしょうか。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
コメの価格高騰は当初、「足りないのではないか」と見られていましたが、実際にはそれほど不足が生じていたわけではなく、一部の投機的な動きや買い占めによって値段が高騰していたことがわかりました。
こうした事態に慌てて政府が備蓄米を放出した結果の反動が現在の状況だと思います。
最も翻弄されているのが、生産者です。肥料や原材料などの高騰が重なる中、これほど価格が乱高下しては「来年から作るのをやめようか」と考える農家も出てくるのではないでしょうか。
民間の自由な動きだけに委ねるのには、すでに限界がきており、政府がある程度、コントロールを行う仕組みへ戻していかなければ、毎年このような混乱が生じる可能性があると考えます。
井上キャスター:
もともと自民党の政策で生産調整をしてきましたが、2025年の価格高騰で、仕方なく備蓄米を放出しました。
国がコメの生産をコントロールすべきだとなった場合、その予測をしっかりと行わなければ、その根幹が崩れてしまいますよね。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
その価格の状況もある程度国が把握をして、足りない部分があったらそこに手当をすることが必要だと思います。
井上キャスター:
それは可能なのでしょうか。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
かなり昔ではありますが、以前はそうしていたので、やろうと思えばできると思います。
これだけ食料自給率が落ちてくると、最低でもコメは守っていく対応をしないと立ち行かなくなる気がします。
古米より新米が安い“価格逆転”も…今後のコメ価格は?
井上キャスター:
ここから新米と古米の値段の状況について見ていきます。
20日時点で、埼玉・草加市にあるマルヤス草加店で売られている2025年産「福島県 天のつぶ」は2472円でした。
他方、埼玉・上尾市にある「ヤオヒロ東店」では、古米と新米の値段の逆転現象が起きていました。2025年産の「新潟県 コシヒカリ」は3002円ですが、2026年産の「新潟県 なつひめ」は2678円と、古米の方が新米よりも高い値段がついているのです。
今後のコメ価格はどうなっていくのでしょうか。
宇都宮大学農学部の松平尚也助教に聞くと、「コメの価格は下落傾向が続くのではないだろうか。新米が古米よりも安く、古米が売れない、米穀流通業界でいわゆる“親不孝価格”と呼ばれる価格逆転現象が続く」との見方を示していました。
では、政府として今、打つ手は何かあるのでしょうか。
備蓄米を放出したことで余ったのであれば、それを買い戻せばよいのではないかということで、今後「放出した備蓄米を買い戻す方針」だそうです。
ただし、備蓄米を大量に買い戻すと今度は逆に価格が上がってしまうため、さじ加減を見ながらということのようです。
ですが、政府としては物価高のため、ある程度コメの価格が下がるといいと思う一方で、農家の人たちの生業とのバランスをとらなければいけないということです。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
消費者からすると、コメ価格が下がるのはいいと思いますが、食料の安定供給の観点からすると、あまり下がるのは困るとも思います。
自民党からすると、米価が下がることで支持基盤である農家から不満が出る可能性があるため、さじ加減が非常に難しいと考えます。
現在のような価格の下がり方は、やはり農家にとって相当厳しい状況が続くのではないでしょうか。
出水麻衣キャスター:
我々としては、コメを食べることで農家さんを応援するという支援をしていけたらいいなと思います。
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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年
・お腹をすかせた中学生3人…通りかかった食堂で「PayPay使えますか?」「ごめんなさい、現金だけなんです」その後の展開は…SNS投稿に大反響のワケ「こういう出会いって宝物」「読んでて涙出た」
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