まもなく迎える年末。帰省の際の手土産に「生バター」スイーツに注目が集まっています。「生ドーナツ」など今も続く「生ブーム」。日本人はなぜ「生」がつく商品が好きなのかその謎に迫ります。
大丸東京店のスイーツ売り場が18年ぶり大改装
出水キャスター:
10月末、東京駅から直結の大丸東京店1階のスイーツ売り場が、18年ぶりに大改装されました。そしてこの度、4つの新しい店舗が入ることになりました。
ユニークで芸術的なモンブランを販売している▼「モンブランTHE珀山」や、ディズニーの世界観を再現したスイーツのお店▼「PATISSERIE ANNIVEL」、関西で人気「ザブトンモンブラン」が人気の▼「マサヒコオズミパリ」が入りました。
そして、11月19日にオープンする「FONDAN」。「フォンダンサンド」を5個入り1350円で売っているお店です。こちらは「生バター」を使ったスイーツを展開しています。
「生バター」とは、どんなものなのでしょうか。
生乳本来の豊かな風味や味わいが特徴「生バター」使ったスイーツ
「生バター」は主にフランスで作られていて、熱処理をしていないクリームから作られたバターのことです。そのため、生乳本来の豊かな風味や味わいが特徴です。
生バターを召し上がったことはありますか?
スポーツ心理学者(博士)田中ウルヴェ京さん:
食べたことはあるのですが、あまり差がわかってなくて…(舌触りが)滑らかで、風味がしっかりしていると言われます。私にとっては「美味しいバター」という感じです。
出水キャスター:
日本では、安全性のために「加熱殺菌」がバターに関して義務づけられています。そのため、「FONDAN」では最低限の熱処理だけを施し、生乳の柔らかさや風味をそのまま引き出して商品開発したということです。
この「フォンダンサンド」も結構開発期間がかかっています。「FONDAN」の開発担当者によると、“今までにない商品”の開発になるため、「生バターの開発自体は1か月、商品化までは約1年かかった」という力作です。キャラメルと生バターが混ぜられているのですが、「キャラメルに投入する生バターのタイミングなどを試行錯誤した」ということです。
「生チョコ」「生キャラメル」…なぜ“生”に惹かれる?
「生バター」が、また新たなブームになりそうな予感です。これまでも様々な“生”がありました。
【「生○○ブーム」の歴史】
1988年頃~ 神奈川の洋菓子店が開発した「生チョコ」
2007年頃~ 一大ブームとなった「生キャラメル」
2013年頃~ 「生食パン」
2023年頃~ 非常に人気で行列ができるお店もたくさんある「生ドーナツ」
では、この“生”はなぜ一大ブームになっているのか。
トータルフードプロデューサーの小倉朋子さんによると、「生=やわらかい」というイメージが新たに市民権を得て、定着してきたそうです。例えば、生チョコや生キャラメルのとろけることに対する驚きと、今まであった商品と違う食感が楽しめることから、“生”が非常に人気になっていったということです。
そして、私が注目したのは“生”に対する日本人の信頼感です。例えば、世界ではお刺身や生卵など、生で食べる文化はないですよね。
日本は衛生管理がしっかりしているので、刺身や卵などの「生=鮮度がいい」に加え、「生=安全性が確保されている」という認識が広く認知を得ています。
また、生ブームで経験を積んだ「新鮮さ(安心感)+柔らかい」というイメージが、非常に人気になっています。例えば、ドーナツも“生”とついただけで「食べてみたい」と思うため、一つの商品でも色んな食感を追求でき、商品の幅が広がるということでメーカーやお店側も“生”の商品を開発したがるということもあるそうです。
小倉さんによりますと、“生ブーム”はこれからも続くと見られています。
そして、次の「生○○」を既に考案しているということで、少しヒントを明かしてくれました。内容は明かせないが、「色がどうなるか」というところで今悩んでいるそうです。
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<プロフィール>
田中ウルヴェ京さん
スポーツ心理学者(博士) 五輪メダリスト 慶応義塾大学特任准教授
アスリートの学び場「iMiA(イミア)」主宰
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