東京の臨海部で相次ぐ大規模な再開発の話題です。企業や観光客がどうしたら来てくれるのか、あの手この手の施設づくりが進んでいます。
【写真を見る】相次ぐ東京臨海再開発 “サウナ”に“船通勤”も
東京臨海部に超高層ビル誕生
高柳光希キャスター:
山手線・浜松町駅から徒歩6分ほどにある、東京・芝浦エリア。ここに2025年秋にオープンする43階建ての超高層ビル「ブルーフロント芝浦」の内部が公開されました。
ビル上層部には日本初上陸のラグジュアリーホテルや、オフィス、住居スペースのほか、レストランやカフェなど約40の商業店舗から構成された複合施設になっているということです。
さらにビルの目の前にある、芝浦運河沿いの「船着場」では、晴海~芝浦や日の出間を結ぶ舟運サービスも予定しているということです。
井上貴博キャスター:
芝浦エリアというと、私は学生の頃、毎年夏に竹芝から乗船できる東京湾納涼船に3回くらい行きました。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
私は前に勤めていた朝日新聞社がこのビルのそばにあったのですが、当時、浜松町駅の周辺は雑然としていました。焼き鳥屋や立ち飲みの店などにはよく行きましたね。
TBS報道局経済部 竹岡建介 記者:
芝浦エリアというと、バブル期には大規模な再開発が進み、湾岸部は“ウォーターフロント”と呼ばれ、「ジュリアナ東京」などおしゃれなスポットが続々と誕生して“今をときめく若者たち”が集まる場所になりました。
その後、日本経済が低迷し、バブルが崩壊すると、芝浦エリアからクラブやディスコが消えてゆき、オフィスビルだけが残る街となっていったのです。
そのエリアにある「ブルーフロント芝浦」は、JRの貨物線の用地とそれに隣接する東芝の本社ビルの跡地になります。
東芝が神奈川県川崎市にある同社に本社が移転することになったため、そこに大きな敷地ができるということで再び大規模開発に至ったということなんです。
東京臨海部 “再開発戦争”
高柳キャスター:
さらに芝浦エリアの反対側、浜松町駅の線路を挟んだ向かい側にある場所も再開発が進んでいます。
TBS報道局経済部 竹岡記者:
1970年に霞が関ビルに次ぐ日本で2番目の超高層ビルとして竣工した「世界貿易センタービルディング」は、2027年に建て替え完成予定となっていて、▼日本初進出のホテル「ラッフルズ東京」 ▼国際会議対応のホール ▼海外駐在員の子どもなどを受け入れる多言語対応キッズセンターなど国際色豊かな施設が整備されるということです。
また、浜松町駅から2駅目の高輪ゲートウェイ駅では2025年3月に「高輪ゲートウェイシティ」がオープンしました。
ショッピングモールが約180店舗も入る広大な敷地には、複数人で自由に乗り降り可能な自動走行モビリティや、シティ内のオフィスなどから専用アプリを使って飲食店からフードやドリンクを運んでくれるデリバリーロボットなど、最先端の技術が導入されているということです。
外国人観光客の流れを“東側”に
TBS報道局経済部 竹岡記者:
東京臨海部の再開発の狙いには“インバウンド需要の取り込み”があるそうです。
羽田空港に着いた多くの外国人観光客は渋谷、原宿、新宿など“西側”に行ってしまうのですが、“東側”に観光客を呼び込むため、羽田空港まで電車で10分強にある場所を再開発し、「ブルーフロント芝浦」、「高輪ゲートウェイシティ」などが誕生したというのです。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
外国の富裕層からは、「1泊100万円くらいのホテルに泊まりたいのに日本にはそういうのがない」という不満の声もあるようです。再開発した施設に高級ホテルができれば富裕層が続々と集まると思いますが、やはり貧富の格差が如実になるのは確かですね。
井上キャスター:
もう割り切って「外国人観光客向けの高級路線」と「日本人がいけるお手軽路線」に分けた方がいいのでしょうか。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
そこで日本経済が活性化すればいいわけですからね。
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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年
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