コメの価格高騰が続くなか、農水省は備蓄米の入札を開始しました。放出で価格は下がるのか。専門家からは、効果は限定的との指摘も出ています。
都内のカレー激戦区にあるこちらのお店。こんもりと盛られたご飯に、豊富なスパイスと具材が溶け合ったルーが食欲をそそる、インド風の王道カレーが人気です。
客
「味濃いめなので、ごはんどんどん進む。めっちゃうまいです」
ランチタイムには行列ができるほどのお店でも、店長の頭を悩ませているはやっぱり、コメの価格です。
カリーライス専門店エチオピア 中西康成さん
「うちはしばらく値上げはしない方針だったが、ちょっと…このままだと厳しいということで、60円ほど値上げしました」
去年12月、すべてのカレーのメニューを一律で値上げ。これ以上の値上げはしたくないと言いますが、不安は残ります。
カリーライス専門店エチオピア 中西康成さん
「1日通して60キロくらい(コメを)使う。このまま上がり続けると、また価格の値上げとかを検討しないといけない。欲を言えば、去年(の春)くらいには下がってほしい」
消費の現場を直撃しているコメの高騰。きょう、ついに政府の切り札ともいえる備蓄米の放出に向けた入札が行われました。
江藤拓 農水大臣
「流通が改善してスタック(目詰まり)が解消されれば、当然価格は下に向かうと。そうなってもらいたいと思っております」
ただ、ここまでの農水省の目論見はハズれがちです。
そもそも農水省は、コメは十分に生産されているという認識です。ただ、高値での転売を期待する新たな業者の参入で集荷業者にコメが集まらないという見方です。
これが「消えた21万トン」です。誰かが抱えているのであれば、備蓄米の放出の発表とともに手放すのではないかと期待していました。
しかし、スーパーの販売平均価格は5キロ=3939円と、4000円が目前に迫るほど値上がりしていて、価格は下がりませんでした。
専門家は…。
日本総研 三輪泰史さん
「21万トンの中で多いのは、見えていないものが一番多い。小売り業とか外食とか、個人の方が早めに押さえてしまっている」
転売しようとする業者は少なく、外食や小売業など、実際にコメを使う人たちが在庫を確保しようとしていると分析します。ただ、外食産業ではコメの不足感はまだ続いているようです。
大手牛丼チェーンの「松屋」は、「まだまだ全然コメは足りていない。量と価格がともなえば、利用を検討したい」としています。
今後、コメの価格はどうなっていくのか?
日本総研 三輪泰史さん
「コメの価格の低下に一定程度は効果があるかなと。今より100円か200円ぐらい安い値段でおコメが売られるようになってくる」
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