「あれは平和を望んでいる男ではなかった」トランプ氏とゼレンスキー大統領が異例の“口論”会談　今後はゼレンスキー氏の「謝罪」次第か

海外

2025-03-01 18:12

アメリカのトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領による首脳会談は激しい言い合いに発展し、予定されていた鉱物資源に関する協定の締結が見送られました。

日本時間のきょう未明に行われた首脳会談。最初は笑顔も見られ、順調に進むかと思われましたが…

ウクライナゼレンスキー大統領
「彼（プーチン）が我々の国民を殺し、捕虜を交換しなかった」

ゼレンスキー氏がロシアのプーチン大統領を批判し、トランプ政権が“ロシアに譲歩すること”への懸念を示したことで雰囲気は一変します。

アメリカトランプ大統領
「あなたは今、とても非常に不利な立場にある。あなたにはカードがないんだ。我々にはカードがある」

ウクライナゼレンスキー大統領
「私はカードゲームなどしていません」

アメリカトランプ大統領
「まさに、あなたはカードゲームをしている」

ウクライナゼレンスキー大統領
「私は真剣です。戦時下の大統領なのです」

アメリカトランプ大統領
「あなたは数百万人の命で賭けをしている。第3次世界大戦をも賭けにしている。あなたの態度は、この国に対してとても無礼だ」

首脳同士がカメラの前で口論するという異例の事態に。

アメリカトランプ大統領
「あなたの国は大きな苦境に陥っている」

ウクライナゼレンスキー大統領
「分かっている」

アメリカトランプ大統領
「あなたは勝ってない。私たちのおかげで、なんとかなる可能性が高いだけなのだ」

さらにトランプ氏とバンス副大統領は「支援についての感謝の言葉がない」などと激しく批判します。

アメリカバンス副大統領
「大統領執務室にやってきて、自分の国の破壊を防ごうとしている政権を攻撃するのが無礼だと思わないのか?」

アメリカトランプ大統領
「あなたは全然感謝していない。正直に言おう、全然良いことではない」

その後も双方の溝は埋まらず、予定されていた昼食会や鉱物資源に関する協定の署名、共同記者会見はすべて中止となりました。

ウクライナの市民は会談をどう見たのでしょうか。

ウクライナの市民
「（トランプ氏は）ゼレンスキー氏を非難しているが、何も理解していない。ロシアに屈しただけ」
「私たちはアメリカからの支援と理解を望んでいる。ゼレンスキー氏はトランプ氏と共通の言語を見つけてくれるだろうと思う」

ヨーロッパの首脳らは結束を呼び掛けています。

フランスのマクロン大統領は、「侵略者はロシアで、侵略されたのはウクライナだ」と発言。

ドイツのショルツ首相も「ウクライナはドイツ、そしてヨーロッパに頼ることができる」と強調しました。

ヨーロッパでは2日にイギリスのスターマー首相の主催でヨーロッパの首脳らを集めた会合が行われる予定です。

会談を終えたトランプ氏は…

アメリカトランプ大統領
「ゼレンスキー氏は戦い続けることを望んでいる。君らも見ただろう。あれは平和を望んでいる男ではなかった」

さらにゼレンスキー氏について「プーチンについて、どうのこうの言うべきではない。“和平を望んでいる”とだけ言えばいいのだ」と述べました。

一方のゼレンスキー氏は…

ウクライナゼレンスキー大統領
「（Q.トランプ氏に謝罪する義務があると思いますが）ありません。しかし大統領とアメリカ国民に敬意を払っています。（Q.トランプ氏との関係は修復できると思いますか?）できると思います」

こう述べたものの、「ウクライナのロシアに対する態度は変えることはできない」と話しました。

専門家は今回の会談についてこう指摘します。

明海大学小谷哲男教授
「アメリカが何よりも自分たちの利益を優先していて、国際協力ですとか、あるいは国際秩序を守るということには、ほとんど関心を払っていないということが改めて明らかになったんだと思います」

そして今後の展開については…

明海大学小谷哲男教授
「ゼレンスキー大統領がアメリカに対する敬意を欠く言動を行ったということを謝罪しない限り、トランプ政権が今後のウクライナとの交渉に応じる可能性は極めて低いと思います」

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