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“アルゼンチンのトランプ”「痛み」伴う改革、無料の病院も… 大統領就任から1年

海外
2024-12-15 18:56

南米で過激な発言などから“アルゼンチンのトランプ”とも呼ばれているミレイ大統領が、今月10日で就任から1年を迎えました。徹底的なコストカットで国の財政が改善された一方、国民の生活は苦しくなっています。


大勢の客に迎えられるアルゼンチンのミレイ大統領。アメリカのトランプ氏が大統領選に勝利後、初めて面会した外国の首脳がミレイ氏でした。


アメリカ トランプ次期大統領
「君の仕事は素晴らしい、アルゼンチンを再び偉大にしている」


経済学者だったミレイ氏は熱狂的な演説などで人気を得て、去年12月、大統領に就任。まず取り組んだのが、極度のインフレなど課題を抱える経済政策でした。


公共支出を徹底的に削減し、財政収支は2024年上半期、16年ぶりに黒字になり、国際機関から一定の評価を得ました。


アルゼンチン ミレイ大統領
「ご存じのように私は経済学者であって、政治家ではない」


一方で国民生活には、しわ寄せが。電気・水道といった公共サービスの大幅な補助金カットに加え、賃金も伸びず、貧困率は50%を超えました。


路上生活者に配給を行うNGOによると、配給者は日増しに増えているといいます。


路上生活者に配給を行うNGO モニカ・デ・ルッシス代表
「この1年で増えたのは路上生活者になる一歩手前の人たちです。家賃や税金は払えるけれども、食べるお金がないのです」


行政サービスの削減で多くの公共事業も廃止の瀬戸際に立たされていて、無料で治療が受けられる公立の精神病院では…


記者
「国有地であるこの病院は今、競売にかけられようとしています。垂れ幕には健康は競売にかけられないと訴えています」


エリザベスさんは元夫からの暴力により、うつ状態となり、3人の子どもと共に25年通院を続けています。


エリザベスさん
「ここ(病院)のおかげで地獄から抜け出し、自由になれました」


今でも精神安定剤をもらいながら病院に通い続けていますが、清掃作業員などの仕事をこなし、家賃を支払うのがやっと。一緒に住むレストランで働く息子の給与に頼らざるを得ない状況です。


エリザベスさん
「悲しすぎます、終わってほしくない。私だけでなく、多くの人にとって病院がなくなることは苦悩でしかない」


第一メンタルヘルスセンター グスターボ・スラトボルスキー氏
「もし健康がビジネスになったら、金がある人だけ医療にアクセスできて、金がなければ、自分で解決しろと言われているようなものです」


国の再建に向け歳出カットの大鉈を振るうミレイ大統領に、国民の理解は続くのでしょうか。


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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