観光客などに人気の民泊施設が日本一多いとされる東京・新宿区が、住宅地や学校周辺での民泊の営業を「原則禁止」とする方針を打ち出しました。背景には何があるのでしょうか。
新宿区の民泊“住宅地など原則禁止”へ 区内約2000件が営業不可に?
世界中から人が集まる、大都会・東京。
外国人観光客の増加とともに需要が高まったのが、個人の住宅などを宿泊施設として提供する「民泊」です。
全国の民泊の届け出数は4万2000件を超えていて、市区町村別で見ると東京・新宿区が3775件と全国最多を誇りますが…
新宿区 吉住健一 区長
「条例を改正し、民泊等に対する規制をさらに強化していきます」
新宿区の吉住区長は9月8日に会見を行い、次のような規制を発表しました。
【新宿区・民泊に対する規制】
▼住宅地や学校周辺での民泊営業を「原則禁止」
▼商業地での営業上限180日➡120日に制限
区によると、この通り条例が改正されれば、新宿区にある民泊約2000件が営業できなくなる可能性があります。
騒音・ポイ捨てなど相次ぐトラブル 民泊めぐる苦情や相談絶えず…
記者
「敷地内には傘やキャリーケースが捨てられています」
民泊施設をめぐっては今、騒音やごみのポイ捨てなどのトラブルが相次いでいます。
民泊施設の近くに住む人
「ベランダに旅行者がたばこを投げ込んでくるんで。ピンポンしながらガチャガチャドアを開けたりということが(あった)」
新宿区 吉住区長
「夜中に宿泊者が騒いでいて迷惑だなど、切実な相談が寄せられています」
2025年度、新宿区に寄せられた民泊をめぐる苦情や相談は1334件でした。前年比で1.7倍と急増しています。
新宿区はこれまで、法令違反を繰り返した事業者に「廃止命令」や「業務停止命令」を出すなど、厳しい指導を重ねてきましたが…
新宿区 吉住区長
「それでも後を絶たない。類似した違反も繰り返されている。実施している処分では、なかなか民泊業者がデメリットを感じていないという実情があるようですので」
新宿区は、2027年の区議会に改正条例案を提出する予定で、同年6月の施行を目指しています。
企業は「簡単には受け入れがたい」と吐露 “数”より“質”重視の観光化か
山形純菜キャスター:
これまでの対応ではなかなか改善しなかったこともあり、東京新宿区が住宅地や学校周辺での民泊営業の原則禁止という方針を打ち出しました。
新宿区で民泊約700室を運営している企業・マツリテクノロジーズに取材したところ、次のような措置をとっているとの回答を得ました。
【新宿区で民泊を約700室運営 マツリテクノロジーズ】
▼ごみ置き場や騒音計を設置
▼アラートや駆けつけの対応
担当者は、新宿区の考えには共感、議論の必要性もあるとした上で、「社員やスタッフだけでなく、地域の雇用の受け皿になりつつある自負がある。立地だけを理由に、一律で営業できなくなるとしたら簡単には受け入れがたい」と話していました。
この“一律で”という点について新宿区は、優良で特に理由のある施設は特例措置を検討していく考えを示しているということです。
井上貴博キャスター:
現在は観光立国に向けた過渡期だと思います。もちろんプラスの面もありますが、そこで暮らしている方々の安心を絶対に守るという“歯止め”の議論も同時に行うことが大切だと感じます。まさに、そのバランスが問われているのではないでしょうか。
経済アナリスト 馬渕磨理子さん:
観光振興と地域住民の生活を守ることの2つを両立していくことに加え、これからは観光の“数”だけでなく、“質”を高めていく方向に舵を切っているのだと思います。
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<プロフィール>
馬渕磨理子さん
経済アナリスト
日本金融経済研究所代表理事
“日本一バズる”アナリスト
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