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発火事故相次ぐ「モバイルバッテリー」規制強化へ “粗悪品”流通の背景は【ひるおび】

国内
2026-09-08 15:45

相次ぐモバイルバッテリーの発火事故。
経済産業省はモバイルバッテリーの安全性向上のため8月31日に会合を開き、国が認めた第三者機関の検査を義務化する方針を示しました。
今年度中に制度を見直す方向で調整しており、28年以降、検査を受けていない製品は国内で販売できなくなります。


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モバイルバッテリー事故急増 “製品に起因”

モバイルバッテリーの事故の件数は、この4年で3倍以上に増加しています。
事故の急増についてNITE(製品評価技術基盤機構)は、
「製造段階における電極の巻きずれや異物混入など、製品に起因しているものが多い」と分析しています。


ITジャーナリストの三上洋氏は急増の原因として、
・近年の猛暑や落下など、日常的な使用により損壊のリスクが上がっている
・一部“粗悪品”が紛れている

の両方があると指摘します。


ITジャーナリスト 三上洋氏:
電池ですから、理科で習ったようにプラスとマイナスがあります。その間に電解液があって、小さくパッケージされてるんですよね。
皆さんが持っているモバイルバッテリーの中は、電極と電解液でぎっちり詰まっているんです。
例えば巻いてあるものが作ったときにズレてしまっている粗悪品があって、それを落とした、暑い場所で使用したなどが重なると、今回のような事故になるのだろうと思います。


また、モバイルバッテリーには使用期限があります。
三上氏によると、一般的には約500回程度の充放電で、毎日使い切ってフル充電する場合は約1年~1年半程度が使用期限の目安となります。
しかし実際には製品や使用頻度・充電方法・保管方法によって異なるので、交換時期を判断するのは難しいと話します。


三上洋氏:
なんだか容量が減ったなと思ったら、もう期限だと思ってください。
長く使わず、そろそろパワー不足だなと思ったら買い替えた方がいいと思います。


モバイルバッテリー“発火の前兆”は

以下のような≪発火の前兆≫があらわれた場合、使用を控えてください。
・使用可能時間が短くなった
・異音・異臭がする
・異常に熱くなる
・リチウムイオン電池の部分が膨らむ


充電中にバッテリーが膨らみ異常な熱さになった場合は、すぐに充電を中止します。
金属の鍋や土鍋などに入れ蓋をして密閉し、発火した際の延焼を防ぎます。
万一発火してしまった場合は、火花が収まった後に大量の水をかけて火を消します。
可能であれば水没させ、消防機関に通報します。


ITジャーナリスト 三上洋氏:
一番怖いのは膨らむことですね。
中にガスがたまってるので、もう爆発の一歩手前です。
膨らんだら絶対に使わない、充電もしない。


処分方法は、自治体によって異なります。
分別方法などを含め、必ず指示に従って捨てるようにしてください。
リチウムイオン電池の回収ボックスを設置している自治体もあります。


三上洋氏:
ゴミとして出すと、収集車やゴミ処理場に被害を与える可能性もありますので、絶対に普通ゴミとして出してはいけません。


ネットにあふれる“粗悪品”

経済産業省は2025年12月から、モバイルバッテリーなどを扱う業者で、安全表示義務違反の疑いなどがあり電話などで連絡の取れない業者を公表しています。
6月時点のリストを基に32社を取材したところ、代表者の転居や登記の住所の偽造など、実態と異なる業者が少なくとも10社あることが分かりました。


ITジャーナリスト 三上洋氏:
大手のネット通販のサイトにも、“粗悪品”は山ほどあるんですよ。
「40000mAh」などと書いてあったりしますけど、そんな大きさのものが小さなサイズに入るわけないので、完全な偽装商品です。偽装商品ということは、中身の質も当然悪いだろうなと思いますよね。


三上氏によると、“粗悪品”への対策としては、
◆極端に安い製品は避ける
◆販売元・メーカーが信頼できるか確認する
◆問い合わせ窓口が日本にあるかを確認する

などがありますが、見分けることは難しい場合もあるといいます。


弁護士 八代英輝:
分かりやすいのは「値段」ですよね。
本当はECサイトも、粗悪品を取り下げさせるなど、対応していかなければいけないんですけどね。


“粗悪品”はなぜ出回ってしまうのでしょうか?


◆ネット通販の普及
海外の事業者が日本のECモールに直接出品できてしまうので安全基準の確認が難しい


◆規制の差
規制の厳しい中国から規制の緩い日本に流れてきてしまっている


◆認証制度の抜け穴
現行制度では自主検査のため安全マークの不正使用が横行している


規制強化で何が変わる?

“安全性の証”として、「PSEマーク」があります。
マークには自主検査のみで表示できる「丸型」と、自主検査に加え第三者の検査が必要な「ひし形」があります。
現状モバイルバッテリーは「丸型」のPSEマークが適用されていますが、今後、規制強化によりモバイルバッテリーも第三者の検査が必要な「ひし形」になるとされています。


恵俊彰:
買う方が迷わないですむような環境を作ってもらいたいですよね。


ITジャーナリスト 三上洋氏:
今までは自主検査だったので、「良識に任せる」という感じなわけです。
でも、今回の規制強化で変わって、安心できるような時代が来ることを願いたいです。


三上氏は今後について、規制強化で“粗悪品”の拡大にブレーキがかかり発火の事故は減る一方、第三者機関の検査義務化で価格の上昇の可能性もあると指摘しています。


ITジャーナリスト 三上洋氏:
今までが安すぎたので。信頼できるものは、ある程度の値段はするということですね。


(ひるおび 2026年9月4日放送より)
==========
<プロフィール>
三上 洋氏
スマートフォン事情に詳しいITジャーナリスト
近著に『深掘り!IT時事ニュース』


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