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様々なルーツの高齢者と障害者が多文化を楽しむデイサービス「てぃ~だの希望」

国内
2026-09-07 14:53

様々な文化を楽しめるデイサービス

埼玉県熊谷市に、高齢者と、年齢問わず障害者が一緒に利用する共生型デイサービス「てぃ~だの希望」があります。月に一回、地域の音楽や舞踊のグループなどが演奏や踊りを披露します。8月22日(土)は群馬県高崎市の創作琉鼓会「BREATH」による創作エイサーでした。


【写真を見る】スタッフ含め様々な言葉が飛び交う 七夕飾りも様々な言葉で


この日が利用日でない利用者も来たり、近隣の住民も現れ、利用者は楽しいひと時を過ごしていました。「てぃ~だの希望」の玄関の前にはシーサーがいたり、介護スタッフの服にはハイビスカスがあしらわれています。「てぃーだ」は沖縄の言葉で「太陽」。「太陽のように明るく利用者を照らせるように」ということです。


月に1回の土曜日は、沖縄の踊りだけでなく、フラダンスだったり、ペルーのダンス、マリネラだったりが披露されます。「多文化を楽しめる」デイサービスです。


言葉や国籍を超えて「自分らしく」

取材担当の崎山記者が別の平日、午前中から伺うと、利用者は交代でお風呂に入れてもらいながら、椅子でくつろいだり、トレーニングマシンを漕いだり。カラオケで歌ったり、静かに塗り絵に取り組むなど、それぞれ思い思いに過ごしていました。


トランプを楽しんでいたペルー出身の人たちがいました。隣の深谷市から夫と一緒に来ているという女性は「みんなペルー出身なのでスペイン語でおしゃべりしてます。一緒に来ている旦那はうるさくて、めんどくさいけど、大丈夫!」と周りの笑いを誘います。群馬県の伊勢崎市から来ている男性が「話したり、歌ったり、カラオケしたり、踊ったり、いつもとっても賑やかです」と付け加えます。


また、別のペルー出身の男性は、ブラジル出身の介護スタッフが持って来たギターを見て、何十年かぶりに弾いてみたいということで、教えていたら、弾いて歌い始めました。言葉が違うので、丁寧に説明しながら教えていたスタッフは「きょうからギターやりたいって、教えてたんですが、すごいですよね。指動かないけど、やりたいから頑張る、リハビリみたいになるっていってました」と驚きながらもうれしそうでした。丁寧に教えていると、前向きな気持ちと昔の記憶が戻ってきたようです。 


この日は外国ルーツの利用者が多かったですが、日本人利用者が多い日もあります。


います。運営する株式会社「エスペランサ」の根岸未穂さんは、自身は日本語しか話せないそうですが、日本で長く働き、暮らしてきた、様々なルーツの高齢者とのコミュニケーションについて「元々は仕事などで日本語をある程度しゃべっていたけど、認知症でもう母国語しか対応できない利用者さんも結構出てきています。


そういった方に接する際、ジェスチャーなどを交えれば、日本語の言葉でもなぜか通じることはけっこうあります。『こっちどうぞ』って言ったり『今トイレ誰か入ってるから待ってて』とか。ただやっぱり不安になった時、帰宅願望が強くなったり、薬を飲みたがらないといった時は、母国語での対応の方が利用者さんも本当に安心できるので、そういった時は話せるスタッフを呼びます」と話していました。


多様化する日本社会。これからの介護サービスのあり方

崎山記者が見ていると、利用者同士でも、例えば言葉がうまくでない利用者が目で訴えたりすると、母語が違う利用者も雰囲気でわかって、スタッフを代わりに呼んであげたりしていました。お昼ご飯は、基本は日本の料理ですが、時おり好みや栄養面も考えながらエスニックや沖縄の料理も出るそうです。


午後は様々なレクリエーションの時間。この日はブラジルのサンバやペルーなどのダンス。身体が動く人は教える介護スタッフと一緒にノリノリで踊ります。また、身体に障害がある高齢の日本人男性は、ペルー出身の介護スタッフが身体を支えながら、無理ないようダンスを楽しんでいました。


株式会社「エスペランサ」代表の知念明さんの話では、元々旅行によく行っていたとか、いろんな文化に触れるのが好きな日本人の利用者は、ここで新しい言葉を覚えようとか、文化に触れて楽しみたい、と意欲的だそうです。


知念さん自身はペルー生まれで、沖縄、そして埼玉で育ち、暮らしてきました。人材派遣会社としてスタート、訪問介護事業を始め、外国ルーツの介護スタッフが増える中、スタッフから「様々なルーツの人が利用するデイサービスを」という声があがり、1年前に「てぃ~だの希望」をオープンしました。


知念さんは「外国籍の利用者さんもみましょうってことで、ふたを開けてみたら、介護で困ってる方々が大勢いたので、自然に、多文化系の事業になってきました。いろんな文化を味わえる場所なので、こういったデイサービスが好きな方は来てもらえればありがたいです」と話します。


介護制度が届かない、知らない人たちへの支援

1990年の法律改正以降、南米出身の日系人など外国から来て働く人が増えましたが、日本に長く暮らす中で、高齢化が進んでいます。介護保険料を払ってきたのに、介護保険の仕組みがわからない、そもそも制度を知らないという人も多いのです。「エスペランサ」では、外国人コミュニティや福祉関係の団体と協力して、知ってもらう活動を行い、多文化への対応をアピールしています。


様々な文化を取り入れてきた沖縄のように多文化を楽しめる、熊谷市の共生型デイサービス「てぃーだの希望」。こういった介護サービスのあり方は自然と広がりつつあるのかもしれません。


(TBSラジオ「人権TODAY」担当: 崎山敏也記者)


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