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【work23】「旅」+「仕事」で老後充実!シニアのリゾートバイトが増加“人生100年時代”何歳になっても挑戦を続けるシニアたちに密着【news23】

国内
2025-12-03 13:33

“働き方のイマ”をテーマにした「work23」。止まらない物価高で、日々の暮らしに追われ、十分な老後の蓄えができない…そんな人も少なくないかもしれません。人生100年時代。定年後も働き続ける人が増える中、かつては“若者の働き方”と思われていたリゾートバイトに挑戦するシニア層が増えているようです。


【写真を見る】「完全に旅行に来ている」仕事と旅を“両立”


賄い付きで温泉は入り放題「完全に旅行に来ている感じです」

中央アルプスを一望できる、長野県・駒ヶ根市。紅葉シーズンには、色鮮やかに染まる山々の景色を求め、多くの人が集まります。


そんな観光地にある旅館で働いているのが、藤田まりさん(63)です。


藤田さんが担当するのは、宿泊者の食事の盛り付けなどを行う調理補助。慣れた手つきでテキパキと、ベテランの風格がありますが...


藤田まりさん
「最初の日も仕事をしていないので、仕事をしたというのは本当の3日」。


実は藤田さん、旅館で働き始めてまだ数日。1か月の期限付きでのアルバイトです。


午前6時、朝食の準備をする藤田さん。細かく分かれた皿に料理を盛り付けます。40歳年下の先輩に指導を受けることもあります。


この日、藤田さんが任されたのは朝食には欠かせない、みそ汁づくり。仕上げは子2人を育て培った、“母としての舌”が頼りです。


旅館「すずらん颯」松口聡美 女将
「うん!おいしい!」


午前7時。接客も行います。


藤田さんの勤務は、朝6時から1日8時間。週休3日で、月10万円程の収入だといいます。


そんな藤田さんの楽しみの一つが、料理長が作る賄いです。この日は、残った食材でチャーハン。


この旅館では、勤務日は3食の賄いつき。さらに生活を送るのは使っていない客室で、温泉も入り放題だと言います。


藤田まりさん
「完全に旅行に来ている感じです」


開発業務一筋から一転、絶景を望みながらバイト

この旅館で5か所目だというバイト。退職前まで営業職だった藤田さんが一転、旅館で働くのには、ある理由があります。


藤田まりさん
「旅館で働てみたいというのと、温泉が大好きなので、いろんな温泉に行ってみたいというのがあった。『旅』がしたい、『仕事』もしたいみたいな。セカンドライフを楽しく過ごしたい」


こうしたシニアの働き手に雇用側は...


旅館「すずらん颯」松口聡美 女将
「60代の方はキャリアがありますので、今までお勤めになった、そういう知識・経験が豊富ですので、とてもありがたく助けていただいている」


じつは昨今、藤田さんのように地方や観光地で働くシニア世代は増加していて、50代以上の就業者数は10年前と比べ、約8倍というデータもあります。


「旅をしながら働く」をコンセプトとする人材派遣会社によると...


おてつたび 永岡里菜代表
「『47都道府県制覇が夢です』って言ってくださるシニアの方もいる。かといって、湯水のごとくお金が出てくる方は少ないのかなと。アルバイト代で少し旅費の部分であったり、地域で遊ぶお金をもらえるのは大きいのかなと」


こうした働き方をきっかけに、「新たな挑戦」を行うシニアもいます。


岐阜県郡上市で、初のリゾートバイトを行う渡辺勉さん(61)。
現在、渡辺さんはスポーツ用品店が運営するキャンプ場に勤務。絶景を望みながら、利用者のテントの設営などを行っています。


渡辺勉さん
「この雄大な景色を眺めながら仕事ができるので、もうこれはリゾートバイト様様」


週4日勤務、こちらも部屋付き、併設する温泉も入り放題です。


2024年、定年退職した渡辺さん。現在、全国の観光地を車で巡りながらバイトをしようと考えています。


これまでは製造メーカーで開発業務一筋。そのため、不得意な業務も...


人生初接客に動画編集まで「チャレンジしながら楽しんでいきたい」

渡辺勉さん
「人生初接客ですね。(学生バイトで)マクドナルドとかもやっていたが、裏方のハンバーグ焼く方でした。一番苦手です」


そんな渡辺さんは、今回のバイトをきっかけに始めたことがあります。それはSNSへの動画投稿。


撮影・編集を行うのは、バイトが休みの日。この日は、近くの観光スポットを巡ります。


まずやって来たのは、地元で獲れた新鮮な鮎料理がウリの食事処。頼んだのは、鮎の塩焼きに鮎の刺身。


早速、撮影開始。若者にも負けない、アングルを探ります。


撮影が終われば...もちろん美味しくいただきます。


渡辺勉さん
「身もコリコリしてすごく美味しいです」


これが渡辺さん流の休日の過ごし方。


続いて、訪れたのは町の名スポット「阿弥陀ヶ滝」。落差約60m、東海一の名瀑として知られています。


渡辺勉さん
「バイト先からここまで車で5分くらいで来られるので、なんて良い場所なんだと思いますね」


観光地を巡り終えたら編集へ。1分半程の動画を作るのに、約3時間かかると言います。


ただ、この瞬間も本人にとっては、充実した時間です。


渡辺勉さん
「この歳になってから新しいことを始めるのは、結構チャレンジの気持ちがいると思うけど、やはり一歩前に踏み出すところからかなって思っているので、新しいことにチャレンジしながら、自分もどんどん楽しんで行きたいと思います」


楽しみながら体を動かして…第2の人生どうする?

小説家 真山仁さん:
多分、働くのが先ではなくて、遊ぶことが先です。楽しむことで、実はお金もらえるかも…というような価値観に考え方を変えられる人は楽しいですね。


藤森祥平キャスター:
そういう働き方はいいんですか?真山さんは、特に「若い人たちは、全身全霊で働かなきゃ駄目だ。仕事と楽しみは別だ」と。


真山仁さん:
全身全霊で働いてもらわなきゃいけない人はたくさんいます。今大事なのが、退職した人たちが家でじっとしていると、残念ながら体の不調に繫がることもあります。やはり長く生きてもらうには、ずっと楽しみながら体を動かして頭を使うことです。


逆に、若い人の仕事を取るような領域のことを、多分この人たちはおやりにならないと思います。人によりますが、経験も長いので、クレーム対策も全然大丈夫だろうし。


これからは、100年時代かどうかは別にしても、いわゆる第2の人生があるじゃないですか。そのときに、「また働くのか」と考えるのと、「遊びながらお金ちょっと稼げたらトントンでいいんじゃないの」という発想ができるのは、いいと思います。


藤森キャスター:
ゆくゆくはどうですか?


真山仁さん:
私は自分の仕事を遊びながらやっているようなものですから。もちろん追い詰められているというのはありますが、嫌じゃないというのは好きだからですよ。お2人もぜひそろそろ好きなものを見つけて。


一番駄目なのは55歳ぐらいになって、「趣味ないんだよね」という人はもう多分無理ですね。好きなものを細々と続けていくということは、人生においてすごく大事ですよ。我を忘れる趣味を探しましょう。


小川彩佳キャスター:
頑張ります。健康寿命のために、シニアになってもフジロックに行きます。


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<プロフィール>

真山仁さん
小説家 2004年「ハゲタカ」でデビュー
近著に政治家のリーダーシップを描いた「アラート」


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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