
犯罪被害者らへの支援について議論する「全国犯罪被害者支援フォーラム2025」がきょう開かれ、2019年の京都アニメーション放火殺人事件の遺族が登壇し、「加害者も被害者も生み出さない社会に少しでも近づいてほしい」などと訴えました。
犯罪被害者らへの支援について議論する「全国犯罪被害者支援フォーラム2025」がきょう午後、東京・千代田区で開かれ、オンラインを含めておよそ700人が参加しました。
このフォーラムは全国被害者支援ネットワークや警察庁などが主催しているもので、今回で30回目となり、秋篠宮ご夫妻も出席されました。
フォーラムでは、2019年の京都アニメーション放火殺人事件で犠牲になった渡辺美希子さん(当時35)の母・達子さん(75)と兄・勇さん(46)が登壇し、美希子さんの作品を背景に「加害者も被害者も生み出さない社会に少しでも近づいてほしい」などと訴えました。
兄の勇さんは講演で、事件の半年前に美希子さんから送られてきたメッセージを明かしました。
兄・渡辺勇さん
「『兄さんや奥さんが近くにいてくれて、お母さんやお父さんも安心していると思います。ありがとう。私は仕事にばかり集中させてもらって、今の環境には感謝しきりです。何か困ったことがあったら力になれるように頑張るからね。ちょっとそれを伝えたくなりました』みたいなLINEを送ってくれて」
勇さんはこのメッセージを読み上げたあと、「家族思いの妹なんです。すごく理不尽な感覚にもなった」と胸の内を語りました。
母・渡辺達子さん
「耳鳴りだけはあれから1回も鳴り止んだことがないです」
母の達子さんは「子どもが先に死ぬということは想像以上につらかった」と一時パニック状態だったことを明かしたうえで、「今もカウンセリングを続けていて、本当にとても助かっている」と支援の重要性を話しました。
坂井学国家公安委員長はフォーラムの挨拶で、「政府としても、第4次犯罪被害者等基本計画などに基づいてさまざまな施策を進めていて、犯罪被害に遭われた方々のニーズに応えたものとなるよう取り組んでいく」と述べました。
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