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自民・維新 連立政権を見据え政策協議スタート、維新が掲げる「企業・団体献金の禁止」「副首都構想」「社会保障改革」一致なるか【Nスタ解説】

国内
2025-10-16 22:16

自民党は16日、新たな連立政権樹立を見据え、日本維新の会との政策協議をスタートさせました。総理指名選挙がおこなわれる臨時国会までの限られた時間で、合意にごぎつけられるのでしょうか。


【写真を見る】自民・維新 党首会談の様子


自民・維新の政策協議 連立政権見据え一致なるか

高柳光希キャスター:
16日午後3時から行われていた自民党と日本維新の会の政策協議が終わりました。両党の幹事長も出たということです。


TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
普通、政策の協議というのはそれぞれの政策調査会長や政務調査会長など、いわゆる政策の責任者が話すのですが、今回は高市総裁、藤田共同代表というトップも出てきていて、幹事長も同席ということで、両党の本気度が伺えますし、何より時間がないわけです。


21日とされる総理指名選挙に向けて、双方がとにかく本気で話し合いをしようということです。


高柳キャスター:
そして15日も、1時間近くにわたり自民党と日本維新の会、両党の党首会談が行われました。維新の吉村代表も上京して会談に参加したということですが、その後の会見での発言です。


自民党 高市早苗 総裁
「基本政策はほぼ一致していると思う。本音ベースで首班指名のご協力、それも一緒に政権を担っていただく連立含みのご協力をお願いしたいと率直に申し上げました」


それに対して、維新の吉村代表は…


日本維新の会 吉村洋文 代表
「(高市氏は)なんとか日本を前に動かしていきたいという熱い思いがある」


このように評価をした上で、「政策協議がまとまれば『高市早苗』と書くか?」という問いに対しては、「はい。その考えで結構です」と話しています。


そして、16日午後3時からは、異例ともいえる両党の党首と政調会長が出席した政策協議が行われていたわけですが、自民と維新は本当に連立を組む可能性は高いのでしょうか?


岩田夏弥 政治部長:
15日のやり取りを見ると、「基本政策はほぼ一致」や「高市総裁の名前と書きますか?」という質問に「これから考えます」と言わずに「その考えで結構です」ということで、ムードとしては非常に前向きですが、特に「政治とカネの問題」など大きく違うところもあります。なので、本当にまとまっていくかどうかは、なかなか予断を許さないところです。


最新の情報では、先ほど16日の会談が終わりましたが、自民党の幹部によると「もちろん違いはあるので、これからもやり取りを続けていく。持ち帰って検討する」ということなので、16日の時点では、維新側から政策について「こういうことをやってほしい」と投げかけられて、そこで話し合いをしましたが、自民党は持ち帰ったという状況です。


「政策と言っているのはごまかしに見える」 自民・維新の接近は“数合わせ”か?

井上貴博キャスター:
これまでは自民党と立憲民主党で綱引きが行われて、「どの党を引きずり込むんだ」と言われている。公明党と自民党は「そもそも政策が一致しない」ということで別れているので、政策が一致していかないとただの数合わせにしか見えないというのは、どの党にも言える気がするのですが。


TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
「政策で一致」と言っていますが、現実にどういうことが起きてるかというと、自民党は公明党が抜けたので、とにかく圧倒的に数が足りなくなってしまったわけです。その数をどうやって埋めるかというと、維新が手っ取り早いということが一つ。


それから、維新は大阪のローカル政党から全国展開しようとしましたが、東京でも名古屋でも九州でも苦戦が続いており、全国展開はもう限界ということで、「ここで自民党からお誘いが来たら乗ろう」というのは、小泉氏が総裁になる前提で考えていた。高市氏になってしまい、少し当てが外れたというところがありますが。


このような状況があるので、実は「政策」というよりも「政局」や「数の問題」になってきているので、「政策」と言っているのは、私は一種のごまかしのように見える。


井上キャスター:
どちらも数合わせですよね。自民党も立憲民主党も数合わせで、「政策はいいから、とにかく政権を取りたい」ということですよね。


星浩さん:
権力を取るのは所詮「数」ですから、数のパワーゲームも必要なのですが、そこを「あくまで政策だ」と言っていることが、ちょっとごまかしが強すぎる。「とりあえず数を取って、政権をもぎ取るんだ」と正直に言えばいいと思いますけどね。


出水麻衣キャスター:
小泉氏との近さは透けて見える部分があったのですが、高市総裁と日本維新の会のパイプはどの程度あったのでしょうか?


星浩さん:
維新は元々、自民党系の政治家議員が多いんです。自民党はどちらかというと保守的な議員が多いということもありますし、公明党と自民党の距離が少し離れていたのと比べると、むしろ理念的には自民党に近い部分があると思います。


維新が掲げる“3大政策” 最大の焦点は「企業・団体献金禁止」

高柳キャスター:
日本維新の会が掲げている主な政策についても見ていきます。


【日本維新の会の“政策”】
▼副首都構想
▼社会保障改革
▼企業・団体献金の禁止


「副首都構想」に関して、15日の党首会談後の高市総裁は、両党で協議体を設置する方針ということで、2026年の通常国会に議員立法で法案を提出して成立を目指す考えを示しています。


ただ、政策によっては主張に大きな違いがでているものもあります。


それに対して、立憲民主党の安住幹事長は…


立憲民主党 安住淳 幹事長(15日 news23出演時)
「維新は企業・団体献金禁止って言っているわけですから、そんなことを自民党が本当にのんでやれるのかっていうと…行き着く先は予測はつかない」


そして16日朝、両院議員総会が開かれ、一部の議員からは慎重な意見が出たものの、今後の自民党との協議を執行部に一任することが決まりました。


維新との交渉でも賛否が出ているわけですが、そのあたりはどうでしょうか?


岩田夏弥 政治部長:
日本維新の会の3つの政策ですが、維新は「副首都構想」と「社会保障改革」をとにかくやりたいと吉村代表も話していました。


ただ今回、公明党が「政治とカネの問題で納得できない」ということで連立を離れたことによって、改めて「企業・団体献金の問題」が政治の今の状況の中でクローズアップされてきています。


維新は「企業・団体献金禁止」を今回の中でどれだけ求めるのか。


逆に、「副首都構想」や「社会保障改革」ができるのであれば、「企業・団体献金禁止」は少し譲ってもいいというくらいのことなのか。維新もすごく試されるでしょうし、自民党はどう答えるのか、そこが最大の焦点の1つになりそうです。


井上キャスター:
ここは非常に重要で、維新は「企業・団体献金の廃止」まで踏み込んでいます。


また、「社会保障改革」もかなり踏み込んだものを出しているけれども、自民党はバックに医師会や医療団体がいる中で、個人的には、この2つはかなり踏み絵になると思っています。


星浩さん:
特に「企業・団体献金」に関して、公明党と国民民主党が「政党支部の数を限定する」といった具体案を出している。それに自民党が「乗れない」ということで、公明党が離れたわけです。


そこに維新は「乗れない」という自民党につくのか、公明党や国民民主党の案に乗ってくるのか、非常にクリアな判断が迫られると思います。


井上キャスター:
自民党と組むとしたら、引っ込めるしかないということでしょうか?


星浩さん:
自民党はのむしかない。維新がのんだということになれば、「維新は相当妥協した」という評価になりますよね。


出水キャスター:
全面的にのむのでしょうか?


星浩さん:
これは意外と、0か100かの議論になってしまうと思います。


==========
<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ
福島県出身
政治記者歴30年

岩田夏弥
TBS報道局 政治部長
元官邸キャップ
小渕総理以来、主に政治取材を担当


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