今年のノーベル化学賞に選ばれた京都大学の北川進特別教授。お祝いムードの中から聞こえてきたのは、優しく、柔和な人柄でした。
きのう、ノーベル化学賞の受賞が決定した京都大学高等研究院の北川進特別教授(74)。けさ、大学では職員らが拍手で出迎えました。
一夜明けた感想を聞かれると…
京都大学 北川進 特別教授
「ノーベル賞をもらうというか、そういう発表されると、今までただのおじさんが急に変わるんですね、取り扱いが。いつも祈っていることは、自分の人生、平穏で生きられますようにと。良い意味で平穏でなくなったんで、どうしようかなという気はあります」
北川特別教授は、無数の細かい穴があいた「金属有機構造体」を開発し、そこに大量の気体を取り込めることを世界で初めて立証しました。
研究室で、北川特別教授はどんな人か聞いてみました。
京都大学高等研究院 坂本裕俊 特定講師
「(Q.北川先生はどんな人?)基本的に優しい先生ではあるんですけど、(研究の)データ出しても、おもしろいストーリーを言えなかったら『そんなのは日記だ』と」
中学から大学まで共に過ごした同級生は、北川特別教授を「とても柔和な性格だった」と評します。
同級生で京大名誉教授 大浦康介さん
「(中学で)校庭でバレーボールやっているのが今でも目に焼き付いています。常にほほ笑んでいる印象が僕にはありますね」
今では京都大学で副学長も務める傍ら、若手研究者を対象とした学術賞を創設するなど、研究者の育成についても力を入れています。
2002年、同じノーベル化学賞を受賞した田中耕一さん(66)も今回の北川特別教授の受賞に喜びを語りました。
2002年ノーベル化学賞 田中耕一さん
「これでまた日本の発想が起点になったと認められたということと、私自身、質問や取材を受けることが少なくなるなと思っていたのですが、期待を裏切られました」
そして、午後5時すぎ、この人からもお祝いの電話が…
石破茂 総理
「北川先生、こんばんは。総理大臣の石破でございます」
北川進 特別教授
「こんばんは」
石破茂 総理
「先生、夕べ寝られました?」
北川進 特別教授
「我慢しています」
石破茂 総理
「すみません、お疲れのところ。我々、日本としても世界に誇ることだと思っております」
北川進 特別教授
「これからは気体の時代だと私は思っています。よく考えてみたら、窒素・酸素・水素・炭素は我々の体をつくっている。どんな国でも、資源としてどんどん使える。空気で世の中が回るようになる」
授賞式は、12月10日にスウェーデンのストックホルムで開かれる予定です。
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