大雨の降る地域がある一方、相変わらずの「酷暑」と「水不足」に苦しむ地域があります。コメ農家は「収穫量が3割減る」と頭を悩ませています。
高温と水不足のダブルパンチでコメ農家は「全滅も覚悟」
米どころ・宮城県美里町で、ササニシキを育てるコメ農家の齋藤さん。今年のコメ作りでは一時、「全滅も覚悟した」と話します。そのワケは、深刻な水不足です。
蕪栗グリーンファーム齋藤肇さん(51)
「水不足は本当、蛇口ひねってもだし、全然出なくて。稲が枯れちゃった人もいました、あきらめて」
田んぼに農業用水を供給しているダムを見てみると…
喜入友浩キャスター:
「宮城県の鳴子ダムです。一目で水がほとんどたまっていないことがわかります。底が見えそうなくらいです」
鳴子ダムでは、6月以降の雨不足で水位が低下。7月29日から貯水率0%が続いています。
31年ぶりの“異例の事態”。本来であれば、田んぼに新しい水を常に流していましたが、今年は水不足のため入れ替えを少なくしたといいます。
一見すると、イネは問題なく実っているようにも見えますが…
蕪栗グリーンファーム齋藤肇さん(51)
「上の方は結構実ってるんですけど、下の方はカラカラじゃないですか。こういうの『不稔(ふねん)』って言うんですよ」
――中がスカスカというかちょっと拍子抜けするような
齋藤さん
「そうそう。いままでにない高温もダブルパンチできているので」
「不稔」とは、種子がうまく実らない状態のことで、連日の猛暑の影響で水温が上昇したためだといいます。
蕪栗グリーンファーム齋藤肇さん(51)
「ようは、沸騰した風呂の中にいつまでも人間だって入りたくないじゃないですか。稲もその通りなんです、やっぱり」
今回の酷暑の影響で、収穫量は3割ほど減るのではないかと齋藤さんは肩を落とします。
蕪栗グリーンファーム齋藤肇さん(51)
「おいしいお米の気候がだんだん変化していく。その怖さっていうのはありますよね」
エアコンなしの職場 熱中症対策は「冷蔵庫」の導入?
21日は各地で厳しい残暑となりました。東京では最高気温が36.8℃と、4日連続の猛暑日です。名古屋市では、2025年の最高気温を更新する39℃を観測。8月後半では異例の全国180地点で猛暑日を記録しました。
長袖の作業着に前掛け、マスクにゴーグル姿で働くのは、リサイクル施設の従業員です。
施設内のほとんどは機械が占めており、人は多くいません。コスト面からエアコンは設置されず、室温は32℃。従業員はスポットクーラーなどで暑さをしのいでいました。
汗が止まらない職場。その一角に小さな冷蔵庫が置いてあります。
従業員
「水っぽいシャーベットを飲んでるような感じですね」
飲んでいるのは、「アイスラリー」と呼ばれるフローズン状の飲料。
環境改善に努めるこちらの企業では、熱中症対策として、冷やすだけでアイスラリーを作ることができる「アイススラリー冷蔵庫」を2025年から本格導入しました。
ペットボトル飲料であれば、スポーツドリンクや果汁飲料など、様々な飲み物に対応が可能です。
仕事前や運動前、合間に飲むことでも、体温の上昇を和らげることができるといいます。
従業員
「働いていて、頭がぼーっとすることがとても多かったので、それがこれ(アイススラリー)を飲み始めてからは、頭がもうすっきりして、ずっと仕事ができるようになりました」
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