石破総理は、新年度予算の成立を受け記者会見を開き、「物価高に切れ目なく対応していく」と強調しました。ただ、消費税の減税は「適当ではない」と否定しています。
【写真を見る】日本と比べると?世界各国の標準税率と食料品の税率
石破総理「物価高に切れ目なく対応」予算成立受け会見
石破 総理(1日)
「国民の皆様方の暮らしに正面から真摯に向き合って、3つの重点の実現に全力で取り組んでまいります」
1日、新年度予算の成立を受け、記者会見を開いた石破総理。
成立した予算などを最大限活用し、「国民の不安を取り除く」ことなどに取り組むと強調しました。
食料品の消費減税どうなる? 石破総理「適当ではない」国会で動き活発化
「国民が抱く不安」の一つが長引く物価高。
国会では一部の野党から“消費税の減税”を求める声があがっています。
立憲民主党 川田龍平 参院議員(3月28日)
「緊急の物価高対策をしっかりしていく必要があると思いますが」
「食料品の消費税のゼロ税率化といったことなど、減税といったところも考えてはどうかと思いますが」
石破総理(28日)
「一概に否定する気は全くございませんが、そういうことの検証というものを少しやらせていただきたい」
立憲民主党の一部の議員は、食料品の消費税をゼロにすることを掲げた勉強会を開催するなど、動きが活発になっています。
また31日、石破総理が各政党へあいさつに回った際、国民民主党の玉木代表とはこんなやりとりが…
国民民主党 玉木雄一郎代表
「総理、消費税減税するんですか」
石破総理
「何を言ってるの」
これまで、食料品にかかる消費税の減税について“一概に否定する気はないが検証したい”と話していた石破総理。
実際、海外ではコロナ禍にイギリスやドイツが景気浮揚策などとして消費税にあたる付加価値税の一時的な減税に踏み切ったこともあり、こうした事例の研究を念頭に置いていたとみられます。
改めて、会見では…
石破総理(1日)
「(消費税は)全世代型の社会保障を支える重要な財源でございます。税率の引き下げということは適当ではないと考えております」
石破総理は“イギリスの付加価値税は20%”などと紹介。“減税したG7の国とは元の税率が異なる”と強調し、消費税の減税には否定的な考えを示しました。
ある政府関係者は「税の仕組みが日本と海外では違うため、日本の場合、簡単に引き下げはできない」と話しています。
石破総理“消費減税”を否定 食料品 今後進展も?
井上貴博キャスター:
海外の税率の状況です。
【諸外国等 標準税率と“食料品の税率”】
・イタリア:標準税率22%/ 食料品の税率4%
・イギリス:標準税率20%/ 食料品の税率0%
・フランス:標準税率20%/ 食料品の税率5.5%
・カナダ:標準税率13%/ 食料品の税率0%
・日本:標準税率10%/ 食料品の税率8%
・オーストラリア:標準税率10%/ 食料品の税率0%
・韓国:標準税率10%/ 食料品は非課税
・台湾:標準税率5%/ 食料品は非課税
(財務省HPより)
現在、日本の食料品の税率は8%です。G7の国々と比較すると、日本よりも(食料品の税率を)低く設定している国が多いのですが、標準税率は、日本より軒並み高くなっています。
石破総理は「G7の国々ではもっと高い(標準)税率が設定されている。そういうことを考えていかねばならない」と述べています。
割合をみると、日本は決して(税率は)そんなに高いといえないのではないかというのです。
しかしG7以外のオーストラリアは「標準税率10%/ 食料品の税率0%」、韓国は「標準税率10%/ 食料品は非課税」と、標準税率は日本と同じにも関わらず、食料品の税率はゼロです。
「日本も可能なのではないか」という声が上がるのは自然な感じがします。
出水麻衣キャスター:
2025年は“選挙イヤー”です。したがって、わかりやすい旗印としてこういったものが急に出てきたという感じがします。
減った税収をどこから補填するのか、社会保障にどう影響してくるのか、きちんとそのあたりをしっかり議論していただきたいたいですね。
井上キャスター:
企業業績が好調で税収が過去最高と言われていますが、我々の負担は増すばかりです。
石破総理は食料品の消費税減税について「税率の引き下げは適当ではない」といいます。
TBSスペシャルコメンテーターの星浩さんは「選挙を控えた参議院自民党などから、税率引き下げを求める声が上がる可能性がある。党内の反応次第で総理の姿勢が変化することもある」といいます。
石破総理が今後どう判断するのか、この先の情勢になりそうです。
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