岩手県大船渡市の大規模な山火事、およそ1200ヘクタールが焼失し、平成以降では国内最大規模となっています。
発生から3日が経つものの鎮圧のめどは立っていません。
報告:大津英久
「住宅のすぐそばまで火が迫ってきています。消防隊がぞくぞくと駆けつけています。こちらの奥は、いま燃えているのは住宅があった場所でしょうか。火の手が上がっています」
岩手県大船渡市は、これまでにおよそ1200ヘクタールを焼失し、平成以降で国内最大の山火事となりました。
「民家でしょうか。大きく炎が上がっているのが上空からも確認できます」
炎とともに白い煙が立ち上る建物。
これは2年前の建物周辺の様子です。緑に囲まれた景色は火災により、様変わりしました。
住宅などを含めた建物の被害は少なくとも84棟。大船渡市は避難指示を1755世帯4263人に拡大しました。
市内の避難所では携帯電話の充電器が設置され、食事が振る舞われました。
避難所の外で過ごす人も…
車に避難している人
「周りに気を使っているより、ここの方が気楽。いつまで続くのかなと不安はある」
別の避難所では、医師などが避難者の健康状態や避難所の環境を確認しました。
医師
「がんばりすぎないでね」
住民男性
「わかりました」
石巻赤十字病院 植田信策 副院長
「避難所環境が悪いってものは結局、健康被害をもたらして、それが災害関連死につながるってことも、私たち、いろんな災害見てきましたので」
三陸町綾里地区で、消防団員として消火活動にあたっていたという志田さん。
消防団員 志田穣さん(39)
「きのう(27日)の夕方、ずっといれる限り綾里に留まっていたけど、最終的に団の方から撤退命令が出たので逃げた」
激しい火災により、消防団の前に広がる夜空は真っ赤に染まっていました。
志田さんは、息子の小学2年の湊音くん(8)ら一家6人で避難してきました。
消防団員 志田穣さん(39)
「退避前、時間あるときに家に行ったが、家中、臭くて臭くて、そんな状態だった。あちこち飛び火も火の粉も飛んでたので、最悪のことは考えながら出てきた。残念としか言えない、悲しい。でも家族がいるので、それだけで、これから再建できれば」
影響は地元漁業にも…。
漁港に入ってきた1隻の船。澤さんは綾里地区から避難してきました。
澤幹夫さん
「赤崎に(船を)回したんだけど、煙が見えてるんで危ないと思って、こっちに来た。風向きによっては、やばいんじゃないかってことで」
火災の延焼で、ここは2か所目の避難場所です。この時期はタコをとっているそうですが、漁に出られるのは、いつになるのか分かりません。
澤幹夫さん
「一日でも早く鎮火してほしい」
山火事は各地で相次いでいます。
「下がってきてるから」
「火が下がってきてるから予防しないと」
28日正午すぎ、長野県上田市で枯れ草を焼いていた火が山に燃え広がったとみられ、男性(70代)が手と顔にやけどを負いました。
鎮火のめどは立っておらず、県は自衛隊に災害派遣を要請したということです。
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