
9月13日に開幕する東京世界陸上まで半年を切り、女子走高跳・髙橋渚(25、センコー)は「しっかり準備して挑みたい」と気合が入る。今月末の屋外初戦に向け19日に練習を行い、助走や踏み切りなどを入念に確認した。
日本選手権3連覇中の女子走高跳のエースは今年2月、チェコで行われた世界室内ツアーに出場し「絶対跳べると思っていた」と振り返った跳躍は、1m92の室内日本最高記録をマーク。「やっと跳べてひと安心って気持ちだった」とマットを降りるとすぐにコーチと喜びを分かち合った。この記録は日本歴代5位タイで、日本女子8人目の1m90超え。さらに日本女子選手が1m90を超えたのは2013年以来12年ぶりとなる。
髙橋の大会前までの自己ベストは1m88。目標とする1m90成功へ何度も挑んできたが、あと2cmに泣かされてきた。「高いとは思ってないはずなのに、1m90という数字を意識しちゃっていた」と話す。
この2cmの壁を超えるべく、この冬は本格的にウエイトトレーニングを始め、筋力・走力など全体的なベースアップに力を入れた。普段の練習も「本当にきついけど必死についていっている」と男子大学生と同じ練習をこなし、心身ともに自分を追い込んだ。それが2cmどころか、4cmの自己ベスト更新に繋がった。
そして次に期待されるのが、日本記録の更新。現在の日本記録である1m96は、20年以上破られていない。五輪・世界陸上の女子種目では”最古の記録”となっている。髙橋は日本記録について「1m92を一回跳んだだけで、まだ狙える位置にはいない。まずは1m90を安定させる事が最重要」と大台に向けてあくまでも一歩ずつと焦っていない。
髙橋を指導する醍醐奈緒美コーチも「誰よりもコツコツ継続できる力が彼女の強み」とひたむきな姿勢が、成長に繋がっていると語る。
”継続は力なり”その努力の先に見据えるのは、憧れ続けた夢の舞台・東京世界陸上。「国を背負って出られる別格な大会。想像するだけで緊張しちゃう」と口にするも、「1m90を跳んで決勝に行って、世界と戦う」と意気込む。着実に成長し続けている日本のエースから、目が離せない。
■髙橋渚(たかはし・なぎさ)
2000年1月15日生まれ25歳。東京都出身。
高校で本格的に陸上を始めるため強豪の東京高校に進学。高校3年時の全国高校総体で優勝、日本大学に進学後も日本選手権で上位に入賞。22年から日本選手権3連覇。社会人2年目の24年にセンコーに入社。ケツメイシのファンで試合前には必ず「覚悟はいいか」と「仲間」を聴いて臨む
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