インフルエンザが猛威をふるっています。クリスマスやお正月、年末年始に向けて感染を防ぐには、どう行動すればよいのでしょうか。
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インフルエンザが40都道府県で“注意報レベル” 患者は前週の2倍以上
南波雅俊キャスター:
全国約5000か所の医療機関から報告された1医療機関あたりの患者の数は、11月後半あたりから増え始め、12月9~15日の1週間で、19.06人とその前の週(9.03人)の2倍となりました。
40の都道府県で注意報が出ていますが、週の患者報告数が10人を超えると注意報になるので、全国平均も「注意報レベル」を超えているといえます。また、大分県、福岡県は30人を超える「警報レベル」の流行になっています。
23日には、名古屋市内の小学校で2学期の終業式が行われ、校長先生がインフルエンザへの注意を呼びかけました。
実際、全国の学校でも学級閉鎖が増えています。学級閉鎖している学校数は12月9~15日の1週間で2182校と、その前の週(1087校)から2倍となっています。
インフルエンザ 今年の傾向は発熱まで風邪のような症状が長い?
南波キャスター:
今年のインフルエンザはどのような傾向があるのでしょうか。
ひなた在宅クリニック山王・田代院長によると、例年はのどの痛みと高熱などの症状などが一緒に出る場合が多いそうですが、今年は鼻水やのどの違和感などの症状が出たあとに、関節の痛みや寒気・高熱などの症状が出るという、タイムラグがあるのが特徴だといいます。
さらに、「発熱するまでの経過が長い傾向にある。ワクチンを接種していない人が多いのか、症状が長引く傾向にある」ということです。
実はまだ、インフルエンザの流行期にはなっていないそうです。田代院長によると、「流行期では先に子どもがインフルエンザにかかり、その後親にうつることが多いが、今は逆で、親から子どもにうつることが多い」といいます。
さらに増えてくる可能性もあるため、より警戒が必要だということです。
ホラン千秋キャスター:
流行期はこれからということですが、通常だとピークはいつになる傾向なのでしょうか。
ひなた在宅クリニック山王 田代和馬 院長:
例年1~2月が、患者さんが増えるピークの時期になると思います。
発熱外来で診察をしていたら、父親からうつってクリスマスの予定をキャンセルせざるを得なくなったという子どもの声をたくさん聞きました。経験上、通常は子どもが親にうつすことが多いのですが、最近は大人が家にウイルスを持ち込むケースも多い印象です。
井上貴博キャスター:
毎年、流行するタイプが変わり、そのタイプに合わせてワクチンが製造されているかと思います。
発注しても薬が届かないというニュースもありますが、実際はどうなのでしょうか。
田代院長:
インフルエンザウイルス感染症において使われる薬は主に2種類あり、▼ウイルスそのものをやっつける薬、▼症状を緩和する薬です。
今のところ、インフルエンザへの直接的な効果を示す薬は手に入るものが多いですが、咳止めや痰切れといった症状を緩和する薬がなかなか手に入らず、苦慮している薬局も多いです。
対策は「コロナ禍にやっていたような手洗いが一番大事」年末年始に体調を崩したらどうする?
南波キャスター:
インフルエンザを予防するにはどうしたら良いのか、田代院長に聞きました。
まず、▼ワクチン接種ですが、大人の場合、打ってから2週間後には効果が期待できるということなので、田代院長は今からでも打ったほうがいいとしています。
基本的な、▼手洗い、▼マスク着用、▼加湿、▼2時間に1回程度の換気をするだけでも違ってくるということです。「コロナ禍にやっていたような手洗いが一番大事」だということです。
対策をしても体調を崩すことがあると思います。そういった場合には、以下を参考にしてみてください。
【医療情報ネット(ナビイ)】
●全国の医療機関・薬局を検索できるシステム
●対応可能な当番医や急患センターを検索可能
【子ども医療電話相談】
●#8000
●小児科医師や看護師が電話でアドバイス
ホランキャスター:
年末年始の9連休で喜んでいる人も多いと思いますが、同時に医療へのアクセスが難しい時期でもあります。
風邪をひかないことが一番ですが、対策や体調を崩した場合どうするかなど、あらかじめ話し合っておくことが大事になってきますね。
田代院長:
病院が休みの期間も長くなりますので、薬局で市販の総合感冒薬を準備しておくなどといったことが大切になってくると思います。
井上キャスター:
長い期間、薬が不足しているといわれているように思いますが、どうすれば改善するのか、現場の皆さんはどう見ていますか。
田代院長:
これは医師の間でも、何が薬不足の原因なのか、どうすれば改善するのかがわかっていない状況です。
国レベルで検討していかなければならない問題だと、常々みんなで話しています。近代国家で起こっているとは思いがたい医療物資の不足の問題は、医師にとっても悩みの種であり、何とか改善してほしい問題です。
井上キャスター:
国や省庁が指揮をとっていかなければならない問題なのかもしれません。
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<プロフィール>
田代和馬さん
ひなた在宅クリニック山王 院長
地域密着型の在宅医療で診療を行う
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