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【歴史的円安】かつて「1ドル=162円台後半」だった1986年は?“神の手ゴール”“ダイアナ・フィーバー”も… 今後の円安はどこまで?【news23】

経済
2026-07-02 11:34

円相場は、1986年以来、39年半ぶりの水準となる1ドル=162円台後半まで円安が進みました。この“歴史的”な円安を背景に、値上げも続いています。政府はどう向き合うのでしょうか?


【写真を見る】W杯メキシコ大会のある選手に世界が熱狂?1ドル=162円だった1986年を振り返る


子どもも感じる「物価上昇」駄菓子も値上げに

子どもたちの目を引きつけていたのは、所狭しと並べられた約800種類の駄菓子です。


――駄菓子屋さん、どういうところが楽しい?
小学2年生

「お菓子がいっぱい」

小学4年生
「練り飴は自分が好きで買って、妹にアイス買って、チョコボールは友達と後で遊ぶから一緒に食べる用。(いつも)400円くらい(買っている)」


半世紀以上続く都内にある「石川商店」では、ここ数年で多くの商品が値上がりしたといいます。


喜入友浩キャスター
「モロッコヨーグルはいま、1ついくらですか?」


石川商店 石川活叶 店主(89)
「今43円ですね。それで当たりも前はあったんですよ。いま当たりもないんです」


喜入キャスター
「昔20~30円くらい」


石川商店 石川活叶 店主(89)
「そうなんです。20円だったんです。原材料が上がったり、梱包紙だとか運賃だとか、それからそういう人件費なんかが上がってますからね。

少しでもお客さんに安く提供したいが、やむを得ず値上げしないといけなくなってきましたね」


ある調査によると、小学生が、2026年上半期に気になったニュースの1位は「物価上昇」だということです。
※進研ゼミ 小学校講座の調査(全国の小学3~6年生の7085人)


子どもと店を訪れていた40代の母親は...


40代
「高くなったなって思いました、久しぶりに来たら。昔、小学校の遠足の予算が300円だったので、子どもにもつい300円って言っちゃうんですけど、単価がちょっと昔とは違うから300円だと足りないかなって時が多いです」


“ダイアナフィーバー”に、「写ルンです」登場…1ドル=162円の1986年はどんな時代?

7月も多くの食品が値上げされるようです。

帝国データバンクによると、その数は2566品目に及びます。要因のひとつが「円安」です。


1日の円相場は、30日よりも円安が進み、一時、1ドル=162円80銭台まで下落。1986年12月以来、約39年半ぶりの円安水準となりました。


「1986年」といえば、ワールドカップ・メキシコ大会で伝説の「神の手ゴール」を決めるなどしたアルゼンチン代表のマラドーナ選手に世界中が熱狂。


一方で、スペースシャトル「チャレンジャー号」の爆発事故や、チョルノービリ(チェルノブイリ)原発事故は、世界に衝撃を与えました。


この年、日本では、イギリスのチャールズ皇太子(当時)とダイアナ妃(当時)の訪問が大きな話題に。パレードに約9万人が詰めかけるなど「ダイアナフィーバー」が巻き起こりました。


さらに…


社民党 土井たか子 委員長(当時)
「やるしかない」


土井たか子氏が社会党の委員長に就任し、日本に初めて女性党首が誕生。男女雇用機会均等法も施行され、女性の社会進出が進んでいきました。


このほか、販売累計本数が17億本以上、世界初のレンズ付きフィルム「写ルンです」が発売されたのもこの年でした。


「円高不況」「海外旅行ブーム」1986年の経済的な状況は?

ただ、この時の日本経済は…


1986年8月放送ニュース
「長引く円高不況は…」
「円高不況を反映して…」


「円高不況」という言葉も生まれ、輸出企業にとっては厳しい局面でした。


背景にあったのは、前の年に日本やアメリカなど主要5か国がドル高の是正で一致した「プラザ合意」。この影響で、1ドル=200円を超えていた水準から1ドル=162円台へと急速に「円高」が進んでいったのです。


一方で、円という通貨の価値が高まっていく時代。個人にとっては高嶺の花だった海外旅行がブームとなりました。


当時の旅行客
「せっかくお正月だし、円高だし、ちょっと行ってこようかと」


――予算は?
当時の旅行客
「んー、主人任せです」


――デラックスな旅行ができそう?
当時の旅行客

「そうね」


高市政権の「積極財政」が円安に拍車か

約39年を経て、再び「1ドル=162円台」の水準となった日本。しかし、取り巻く環境は大きく様変わりしています。


ロシアのウクライナ侵攻を発端に、急激なインフレに見舞われた世界各国。物価抑制のため利上げを行ったアメリカとの金利差が、歴史的な円安基調の引き金となりました。


その後も中東情勢の悪化など、円売りの材料が尽きない中、拍車をかけているのが、高市総理が掲げる“積極財政”です。


高市総理(6月30日・経済財政諮問会議)
「日本と日本人の底力を生かし、総合的な国力を徹底的に強くしていく。これが高市内閣の使命です」


6月30日に発表された高市政権初の「骨太の方針」の原案。2027年度を「積極財政の元年」と位置づけ、17の戦略分野に官民で370兆円超を投資する方針を示しました。


ただ、どの程度財源が確保できるかは不透明なまま。さらに、市場が警戒を強めたのが文書に記されたこの一言。


「日本銀行には(中略)適切な金融政策運営を行うことを期待する」


これが日銀への利上げへの“事実上のけん制”だと受け止められ、一時1ドル=162円80銭台まで円が売られました。


円安はどこまで進むのか。専門家は、高市政権の“日銀に対する姿勢”が問題だと訴えます。


ふくおかFG 佐々木融 チーフ・ストラテジスト
「日銀が利上げを行うことに対して、あからさまに政治の方から反対があると、円安はもっと進んでいく。加えて『消費税減税もしっかりやる』『財政支出もどんどんします』と言うなら、あっという間に(1ドル=)170円ぐらいいくんじゃないか」


2026年4月末~5月にかけて、すでに11兆円を超える為替介入を行った政府・日銀。


片山財務大臣はさらなる介入の可能性をにじませていますが、専門家は「根本的な解決からほど遠い」と指摘します。


ふくおかFG 佐々木融 チーフ・ストラテジスト
「川が川上から川下に流れてるのを、手で押し止めようとしているようなもの。一時的に押し止めようとしても手を離したら流れちゃう。介入に頼るよりかは早く利上げをして、円の弱さを少しでも修正するということが必要だと思う」


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