
原油確保に向け、高市総理や閣僚らが世界を飛び回る一方で、この危機をビジネスチャンスと捉えている企業もあるようです。都市鉱山ならぬ“都市油田”とは何なのでしょうか。取材しました。
GWに資源外交 総理も奔走 “原油確保”なぜ日本が支援?
このゴールデンウイークも、政府は緊迫する中東情勢への対応に奔走していました。
5月分の代替調達でメドがついた原油が、前年比の6割に留まる中、高市総理が降り立ったのはベトナム。結んだ合意は、なぜか、ベトナムが原油を確保できるように調達を支援するというものでした。
高市総理(2日)
「東南アジアへの油の輸入が止まると、これを原料とするナフサを含む化学製品のアジア各国への輸出も止まってしまいます」
実は日本は、レジ袋や食品トレー、ペットボトルの材料や食品用ラップなどナフサを原料とする製品の多くを、東南アジアから輸入しています。中でもベトナムからは、透析患者の命をつなぐ血液回路のチューブの約7割を輸入し、年間5000万本以上を消費しているのです。
ベトナムに対する原油調達の支援は、日本の医療のためでもあったのです。
独自技術で危機に立ち向かう プラスチックごみを油に
政府が資源を海外に求めるなか、独自の技術でこの危機に立ち向かう企業を訪ねました。
――こちらの装置はどういったものなんですか?
伸光テクノス 木村護社長
「こちらの機械は、プラスチックを油に変える油化還元装置の実験装置でございます」
この会社が開発したのは、プラスチックのごみを油に戻す装置。プラスチックごみを装置に入れて300度に加熱すると、熱分解してガス化。それを触媒を通して冷却すると、約3時間で油になりました。
この油を精製することで、ガソリンや軽油、ナフサなど様々な種類に分けることが出来ると言います。
伸光テクノス 木村護社長
「ナフサやエンジンを回す燃料、ボイラーなんかで使う重油など。中東から来た原材料、その原油に近い、それからもう少し良くなったものという風に考えて頂ければ」
生成された油に火をつけてみると…
伸光テクノス 木村護社長
「これは揮発性の軽い油、いい油が採れてる」
ホルムズ危機をチャンスに “都市油田”で原油を代替
ペットボトルのキャップ1キロから1リットルの油を採ることができるという装置。これまで国内外に30台ほど販売し、タイヤやプラスチックが作られていると言います。
――ホルムズ危機が起こって変化は?
伸光テクノス 木村護社長
「非常にいろんな企業からも問い合わせが増えてきている。例えば石油を買っていたものが買わなくていいわけじゃないですか。プラスチックを油にすることによって“都市油田”という形に。“都市油田”という考え方であれば、それを活用される方も増えてくる」
毎日、膨大に廃棄されているプラスチックごみ。それが“原油”に代わるのだとしたら、それはまさに“都市油田”となる可能性を秘めているのです。
伸光テクノス 木村護社長
「ごみをただ燃やせばいい、なくせばいいという時代を変えることが、強力な国としての指導が必要になってくるのではないか。私どもは廃棄物は未利用資源と考えている」
原油の調達ロシアからも…5月分の代替「6割確保」
目前にある希望。しかし、それでも今は、海を越えてかき集めるしかないのです。ゴールデンウイーク中、代替調達はロシアからも…
記者(4日 愛媛・今治市)
「ロシア原油を載せたタンカーが初めて入港しています」
ホルムズ海峡の実質的な封鎖後、初めて届いたロシア産の原油です。
ゴールデンウイーク中、赤沢経産大臣は、サウジアラビアやUAEにも足を運び、直談判に臨んでいました。
赤沢亮正 経済産業大臣(5日 フランス)
「5月は、UAEを含めた供給全体として約6割まで代替調達率が上がっているが、6月以降もこれを着実に増加させていくことを要望した。安全保障上の理由から、現時点では具体的な数量など詳細は申し上げないが、原油の着実な追加供給についても確認を得ている」
待ったなしのエネルギー危機。日本が生き抜く答えは、海を越えた先だけではなく、意外に身近なところにあるのかも知れません。
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