JR東日本は14日、運賃の値上げを実施。山手線など首都圏の初乗りが150円から160円となるなど、全エリアの平均では7%ほど引き上げられました。JR東日本の全面的な値上げは、1987年の民営化以来初めてのこと。どのような背景があるのでしょうか。
【画像で見る】普通運賃・通勤定期・通学定期の気になる値上げ率は?
JR東日本 民営化以来“約40年で初”となる値上げ
東京の鉄道輸送の柱となる山手線。3月14日から初乗りが10円値上がりして160円になりました。この値上げ、JR東日本の都合で行われるのは、実は“初めて”なんです。
国鉄が民営化されてJRになったのが1987年のこと。国鉄時代の80年代前半は、巨額の赤字を背景に毎年のように値上げしていましたが、民営化後に値上げしたのは5回。うち4回は消費税に対応したもので、1回は国交省がホームドアなどの設置を求め、運賃に上乗せしたときのものです。
つまり、JR東日本が「収益を上げるため」に値上げするのは、40年近い歴史で今回が初めてです。
値上げが映し出す“ニッポンのいま”
では、なぜ値上げするのでしょうか。理由をみると、この国の40年間の変化と今の姿が見えてきます。
まずは物価高。長年のデフレを抜けてエネルギーや資材はこの数年で2割以上、上がりました。
次に、定期券を買う人の減少です。コロナでリモートワークが普及し、以前より2割減ったままです。
そしてもうひとつの理由が、人口減少を背景とする「赤字路線の拡大」です。一日の平均乗客数が2000人未満の路線が、東北地方で特に目立っています。
津軽線のとある区間は1日に58人しか利用しておらず、100円稼ぐのに1万円以上かかる状況だといいます。
そして、設備の老朽化も値上げの理由にあげられます。線路や橋・トンネルの改修が必要なのに加えて、JR側は激甚化する災害に対応するためにも、値上げの必要性を訴えています。
2026年になって大規模停電や架線トラブルが相次いでいますが、JR東日本の 喜㔟陽一 社長は「値上げする以上、安全レベルをさらに高めていく決意」と話しています。
首都圏で特に負担増 私鉄との比較で節約術も...
気になる値上げ率ですが、首都圏の利用者には特に負担が重くなります。
すべての路線の平均では、値上げ率が普通運賃で7.8%、通勤定期で12%となっていますが、山手線ではそれぞれ16.4%と22.9%となっています。これまで首都圏は競合他社との兼ね合いで割安に設定されていましたが、その制度がなくなるのが理由です。
今回の値上げを受け、鉄道会社の選び方次第では節約もできそうです。
たとえば新宿から四ツ谷に行く場合、これまではJRの方がメトロより20円安かったのですが、これからは逆に20円高くなります。
また、新宿から高尾山に行楽に行く場合は、これまで以上に差が広がります。京王線だと410円で行けますが、JRを使うと720円かかり、300円以上高くなります。ただ、ダイヤによっては、JRは「8分早く着く」というメリットもあります。
また、14日から値上げしたのはJR東日本だけではありません。つくばエクスプレスと西武鉄道も値上げしていて、首都圏はさながら値上げの“連結運転”となりました。
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