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“ラーメン課”設立で経済効果1億7000万円 「地元食材を活かし、地域の魅力を発信」ご当地ラーメンの可能性【Nスタ解説】

経済
2025-08-12 10:04

山形県南陽市のご当地ラーメンは1杯590円から。これを含む地元のラーメンが驚きの経済効果をもたらしています。


【画像を見る】出水キャスターに「みそきん」を提供するHIKAKIN 食べているところを…


「みそきん」のリアル店舗がオープン

出水麻衣キャスター:
7日、東京駅・東京ラーメンストリートに「ご当地エリア」が誕生し、新たに2店舗がオープンしました。

1つ目が青森県のご当地ラーメン・濃厚津軽煮干しラーメンのお店「津軽煮干 ひらこ屋」です。“売り”は「こいくち煮干ラーメン(1130円)」で、まるで煮干しを食べているかのような濃厚なラーメンですが、意外とあっさり食べられるそうです。


2つ目は、動画クリエイターのHIKAKINさんが手がけたお店「みそきん」です。HIKAKINさんの故郷・新潟の“白味噌”が使われています。「みそきん」は2023年にカップ麺として発売されて以降、これまで累計2000万食も売れている人気のラーメンで今回、初のリアル店舗ができました。


一体、どのようなお味なのか。オープンの前日に食べに行ってきました。


HIKAKINさんが自ら提供してくださったラーメンが「味玉みそきん(1380円)」※予約制です。


出水キャスター
「ニンニクが香り立って来ます」

HIKAKINさん
「そこにこだわりましたので」


出水キャスター
「(麺の)縮れているところに、インパクトのあるスープが絡んで美味しい。白味噌のほのかな甘みもいい」


この味噌ベースのラーメンは、HIKAKINさんの故郷・新潟での思い出が原点にあるそうです。


HIKAKINさん
「新潟はラーメンの激戦区で、色んな人気ラーメンがあるので、僕の住んでいる地元(新潟・妙高市)に白味噌のお店があって、そこから影響をうけたというのがあります。“新潟愛”があるので、まずベースに新潟が入っていると思う」


出水キャスター:
私が食べているときの表情からも、HIKAKINさんがラーメン開発に真摯に向き合っていることが分かると思います。生ニンニクが入っていて、ニンニクの香りがふわっと漂いますが、しつこくなくて、スープも最後まで飲み干せてしまうお味でした。


過去最高の7900億円 認知度増で「ラーメン市場」が拡大か 

出水キャスター:
ご当地ラーメンを含む「ラーメン市場」は今、非常に拡大しています。

帝国データバンクによると、過去のデータではラーメン店の市場はコロナ禍でいったん下がりますが、2024年度は7900億円(見込み)と過去最高になっています。日本のラーメンの認知度が国際的に高まり、インバウンドでの集客が好調だったことなどが要因だそうです。


ご当地ラーメンに関して、ラーメンの食文化に詳しい大和大学社会学部・立花晃教授にお話を伺ったところ、「地元食材を活かして、地域の魅力を発信できる。訪日外国人客も取り込めて、さらに市場拡大するのではないか」とのことです。


青森のご当地ラーメン屋・「津軽煮干 ひらこ屋」の三上店主も、「世界にも煮干しってまだ全然知られていない。“クセつよ”だけど、ぜひクセを堪能して欲しい」と、将来は世界に打って出たいと話してくださいました。


経済効果1億円以上 市が立ち上げた取り組み「ラーメン課」

出水キャスター:
今回注目したのは、山形県・南陽市の「ラーメン課」を立ち上げた取り組みです。実は、ラーメン店舗数の“全国1位”は山形県なんです。そして、南陽市の店舗数は県平均の約5倍もあります。

南陽市は「からみそラーメン」が有名です。他にも、1杯590円でしょうゆベースの「中華めん」や「げそ天ラーメン」、耳馴染みのない「カレーラーメン」といった、たくさんの種類のラーメンがあります。

南陽市の担当者によると、南陽市のラーメン店は「それっていうのがない」のが“売り”だそうです。


2016年、強みを活かしてプロジェクト名「ラーメン課」を設置しました。具体的には、2018年から市内の約40店舗のラーメン店を全て回ると景品がもらえるという「カードラリー」を実施しています。

2023年にはインバウンド向けに「ラーメン作り体験」を実施しました。このような取り組みで、これまでのべ約2万7000人が訪問しています。経済効果は1億7000万円だそうです。

ご当地ラーメンは約200種類あるらしいですが、このように1つのメニューが広がるのは、世界的に見ても珍しいのではないでしょうか。


パナソニック社外取締役 ハロルド・ジョージ・メイさん:
先ほどラーメン店市場が7900億円という話がありましたが、10年前と比べて1.6倍です。いかに伸びているかがわかります。

ラーメンがどうしてこんなに人気かというと、自分の好みなどに合わせられるからだと思います。スープや麺を変えるだけでも違いますし、もちろん具材もそうでしょう。あと、日本特有なのはラーメンは温かいだけではなく、冷やでもできます。

世界で一番工夫が多いのがパスタなんだそうです。パスタ、次にピザ、カレーでその次がラーメンなんだそうです。やはりここまで種類があるのは、一生かけても全部食べられないという、飽きがこないというのが一番いいんでしょうね。新しい発見が毎回あるということが楽しみの一つなんじゃないでしょうか。


「南陽市=ラーメンが押し!」に…漫画とコラボも

出水キャスター:
ご当地ラーメンには、いろいろなバリエーションがあって面白いですよね。

南陽市は、320万部を売り上げた「ラーメン大好き小泉さん」という、アニメ化もされた人気漫画ともコラボしています。山形には「ラーメンの出前文化」があります。それをテーマに漫画にしています。

南陽市は、それを題材にした、出前を体験してみようという「インバウンドツアー」を実施したということです。

南陽市の担当者は「ラーメン課の活動を通して、南陽市=ラーメン押し!が定着してきた。知名度はまだまだだが、ラーメンを通して交流人口の拡大に寄与している」ということです。


パナソニック社外取締役 ハロルド・ジョージ・メイさん:
ラーメンそのものというハード面、そして、こういったPRをするソフト面、両方があると人気がどんどん出るでしょうね。


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〈プロフィール〉
ハロルド・ジョージ・メイさん
プロ経営者 1963年オランダ生まれ
現パナソニック・アース製薬の社外取締役など


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