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フランスで55万人大規模デモ 一部“暴徒化”車炎上や3000店被害 米イラン攻撃が追い打ち 生活苦を訴える抗議は欧州各国へ【サンデーモーニング】

海外
2026-10-25 15:59

フランスで発生した大規模デモは、教育環境の改善を求めたものでしたが、暴動や略奪に発展してしまいました。この動きはヨーロッパ各国に広がっています。背景には何があるのでしょうか。


【写真を見る】燃える車、破壊された店舗…一部デモが暴徒化した現場


フランスで再び大規模デモ 一部暴徒化で3000店舗に被害

24日、パリで再び行われた大規模デモでは、一部でデモ隊と警官隊の衝突が発生しました。


さらにこの1週間前、17日のパリではあちこちで車が炎上、デモ隊が街に繰り出し、鎮圧を目指す警官隊との激しい衝突が繰り広げられました。

デモはパリだけではなく、北部の中心都市リールや南部最大のマルセイユでも発生。一部のデモ参加者は、略奪行為にまでおよびました。

携帯電話グッズの店では、手当たり次第に商品を略奪。宝石店にも押し入りました。フランス全土で、少なくとも3000店舗が被害にあったとみられています。


スーパーのマネージャー(パリ)
「店をめちゃくちゃにして権利を勝ち取るって?従業員には家族がいるんだぞ。恥を知れ!」


中部リモージュでは19世紀(1883年)に建てられた市庁舎が炎上。

フランス全土で55万人が参加した17日のデモ。参加理由を聞くと…


デモ参加者(21)
「今の生活費高騰に本当に恐怖を感じている。とても耐えられない価格になってしまった」


デモ参加者(19)
「私たちが闘う理由は生活環境が過酷すぎるし、ガソリン代が高すぎるからです」


発端は教育環境への不満 物価高で大規模デモに発展

フランス全土の大規模デモ。
発端は9月から始まった教員や高校生による抗議活動でした。


高校生(6日)
「うちの学校はインフラが破綻しています。古い校舎で、暖房も不十分です」


パリ郊外の高校を撮影した映像では、校舎の中をネズミが這いまわり、トイレの床には水がたまっています。

教育環境の改善を求める運動に、物価高に苦しむ市民が共鳴し、大規模デモへと発展したのです。

背景にあるのが政府の苦しい懐事情。財政赤字がGDP比5%を超え、EU主要4か国の中で最も高い水準です。


東京大学 先端科学技術研究センター 国末憲人 特任教授
「教育予算(だけ)がないわけではなくて、他の予算もない」
「『年金』を減らすのか『国防費』を減らすのか、議論をしっかりやるべきだが、できていない」


EUから財政の再建が求められる中、その足かせとなっているのが、極右や急進左派の野党勢力です。デモに乗じて政権批判を強めています。


“バラマキ主張の野党”が支持集め 政府は身動きとれず…

極右「国民連合」 ルペン前党首
「政府は(暴動を)嘆くばかりで、事態を未然に防いだり制御したり、対応することさえできない」


急進左派「不服従のフランス」 メランション党首
「人々が路上で要求を訴えているのに、政府は理解しようとせず聞く耳を持たなかった」


議会が三つ巴状態のなか、野党は負担増につながる政策に反対することで国民の支持を集め、政府が身動きをとれなくなっているのです。


東京大学 先端科学技術研究センター 国末憲人 特任教授
「(野党は)どんどん金を出せというバラマキを主張するが、金がどこから来るのかには言及しないのがポピュリズムの特徴。かけ声はいいが、実際いくら(財政赤字を)削れるの?という計算はしていない」


財政再建のめどが立たない中、国債が売られ、21日には長期金利が5%台まで上昇、24年ぶりの水準となりました。


物価・エネルギー価格高騰に不満 デモはヨーロッパ各国へ拡大

フランスでデモが拡大する中、そのうねりはヨーロッパ各国へ広がりをみせています。


イタリアではミラノ大聖堂の前でデモ隊と警察が激しく衝突。


数千人の群衆が通りを埋めつくしたのは、スペインのマドリード。住宅価格の高騰に対する抗議の声を上げました。


ポルトガルでも、デモ参加者は「より良い年金を。給料のアップを」と声をあげました。


各国で共通しているのが、物価やエネルギー価格の高騰に対する不満。
9月の物価上昇率はスペインで5%、イタリアで4%、フランスでも3%台と日本より高い状況です。


さらに燃料価格はこの1年で2割近くも上昇。


マクロン大統領は“とばっちり”強調も… トランプ氏は“どこ吹く風”

物価高の引き金を引いたのが、ロシアのウクライナ侵攻で、そこに追い打ちをかけたのがアメリカのイラン攻撃です。


マクロン大統領は“とばっちり”を強調。


マクロン大統領(18日)
「デモの参加者たちは、生活費や燃料価格への不安を訴えました。その原因は、ペルシャ湾で始まった紛争です。フランスは参加していないにもかかわらず、その影響を受けている」


一方、トランプ氏は“どこ吹く風”の態度。


トランプ大統領(19日)
「フランスの状況は非常に悲しいものだ。学校(教育)の問題でもなんでもない。移民の問題だ」


問題のすり替えともいえる発言に、マクロン氏は不快感を示しています。


マクロン大統領(21日)
「受け入れがたい愚かともいえる発言が、外国のリーダーを含めて出てきている」


大国が引き起こした戦争による物価高。その余波がヨーロッパに広がる中、各国は難しい対応を迫られています。


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