来年度の税制改正に向けて、日本から海外に出国する際にかかる“出国税”の引き上げや、EV=電気自動車への課税強化が議論されました。
【写真で見る】住宅ローン減税、NISAの対象拡大など税制改正の主なテーマ
“出国税”「3000円案も」 EVにも増税案
国際観光旅客税、いわゆる“出国税”は、現在1人1000円徴収されていますが、自民党内からは3000円か、それ以上に引き上げるべきだという声があがっています。
11月27日に行われた税制調査会でも…
自民党 小野寺五典 税調会長
「(“出国税”を)大幅に上げるべきだという意見。今かなりオーバーツーリズムで大変厳しい状況の地域に対して、新たな財源になるんじゃないかという話があった」
そして、ガソリン車に比べて、税負担が低く抑えられている「EVへの課税強化」についても議論されました。
車の重量が25%増えると、舗装された道路には約2倍のダメージを及ぼします。
インフラの老朽化が課題となるなかで、ガソリン車よりも重たいEVへの課税をどのように強化するかが焦点です。
また、高市政権が無駄の削減に向けて見直しに力を入れている「賃上げ促進税制」や「研究開発税制」などの法人税の優遇税制については、本当に効果をあげているのか検証すべきだという意見があがっています。
気になる「年収の壁」引き上げは?
井上貴博キャスター:
「税制改正」の主なテーマとして、8つ言われています。
【「税制改正」の主なテーマ】
・「年収の壁」引き上げ
・住宅ローン減税
・NISAの対象拡大
・電気自動車の課税強化
・法人税の租税特別措置
・出国税の引き上げ
・“暫定税率”廃止の代替財源
・防衛増税
どこに注目していますか。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
皆さんが関心があるのは「年収の壁」だと思います。
元々の103万円から今は160万円になっていますが、実際は所得制限があって、フルに160万円の恩恵を受けられているのは約200万円以下といった人たちです。
それほど広範囲の人には恩恵がなく、約850万円程度までの人が少しずつ、メリットを受けているところです。
この額を「178万まで引き上げる」というのが国民民主党・玉木氏の主張ですが、現実にはそう簡単にはいかないでしょう。今の160万円の所得制限付きというのが、しばらく続くのではないでしょうか。
井上キャスター:
26日の党首討論などでも、高市総理は強い思いを持っているように見えて、少数与党としての政治的な部分が見え隠れしたように思います。
星浩さん:
特に参議院は大幅に足りませんので、国民民主党を取り込みたいのだろうと思いますが、財源の問題などとなると、そう簡単ではないでしょう。
玉木氏が近頃、強く主張しているのですが、やや空回りしている感も出ていますので、その辺がどうなるかですね。
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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年
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