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参院選大敗後の自民党総裁の進退は?【TBSアーカイブ秘録】

国内
2025-08-21 20:00

石破総理の参院選は自民党の大敗でした

獲得議席が47と、非改選の議席と合わせても与党の過半数割れとなり、自民党の大敗となった今回の参議院議員選挙。
続投の理由としていた日米関税交渉も合意に至り、党内からは石破総理の辞任を求める声が上がり続けています。では、以前の参院選での自民党大敗後、ときの総理大臣たちはどのような判断をしたのでしょうか。


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自民党結党以来初の参院過半数割れとなったのは… 「明鏡止水の心境だ」

1989年7月23日、宇野宗佑が総理大臣を務めていたときの参院選で、自民党は結党以来初の参議院過半数割れとなる獲得議席36と大敗を喫しました。


リクルート事件で総辞職した竹下登内閣のあとを継いだ宇野内閣でしたが、リクルート事件の影響、その年の4月に導入された消費税、農産物の輸入自由化問題が逆風となりました。
しかし、それと同じかそれ以上に問題となったのが宇野総理の女性スキャンダルでした。


土井たか子委員長率いる日本社会党は女性候補を多数擁立する、女性を意識した選挙戦略を打ち出し46議席を獲得、“マドンナ旋風”と呼ばれました。女性の社会進出がそれまでよりも進み、以前までであれば容認されてしまっていた政治家の女性スキャンダルはすでに許されない社会となっていました。


選挙翌日の24日、宇野総理は会見を行い、敗北の責任をとり辞任すると表明しました。大敗は自身の女性問題の影響ではないのかとの質問に「私は一切の責任をとると申しているのだから、それでおわかりいただけると思う」と明言は避け、今の心境を聞かれると「明鏡止水の心境だ」と告げ会見を終えました。結果、宇野内閣は総理就任期間が69日という短命内閣となりました。


次の参院選大敗は橋本龍太郎総理時代… 「すべて私自身の責任だ」

1998年7月12日に実施された参議院選挙、当時の総理大臣は宇野総理が参院選で大敗した際に自民党幹事長を務めていた橋本龍太郎が総理大臣でした。
1996年に発足した第一次橋本内閣のときにはアメリカのクリントン大統領との首脳会談で普天間基地の返還を要求し、日米両政府が全面返還に合意したことなどで高い支持率を得て、1996年10月におこなわれた衆議院選挙では自民党の大勝となりました。


しかし、その後の第二次橋本内閣では、内閣改造時にロッキード事件で有罪が確定していた佐藤孝行を総務庁長官に起用したことや、“ノーパンしゃぶしゃぶ”での接待が話題となった大蔵省接待汚職事件により三塚博大蔵大臣が辞任したことで支持率は下落。


また、アジア通貨危機に端を発する不景気に有効な経済政策が打ち出せなかったこと。行政改革と財政再建を全面に打ち出し、特別減税の打ち切りや医療費の引き上げ、緊縮財政を進めたことなどが敗因となり大敗を喫しました。
結果、獲得議席は45となり、選挙翌日には「すべて私自身の責任だ」と語り辞任となりました。


前回の参院選大敗後も退陣をせまる声は大きかったが…「国民の信頼を得ることができなかった」

2007年7月29日に実施された参議院選挙、総理大臣は第一次安倍内閣時代の安倍晋三でした。


前任の小泉総理の総裁任期満了にともない、2006年9月に発足した第一次安倍内閣、戦後最年少での52歳での総理大臣就任でした。「美しい国創り」「戦後レジームからの脱却」をスローガンに、当初は高い支持率を得ていましたが、政治資金問題や失言など閣僚の不祥事が相次いだこと、そして年金記録問題などが持ち上がり支持率は下落しました。そんな中で臨んだ参院選では37議席しか獲得できず、歴史的大敗となりました。


総理の責任問題が取り沙汰される中、安倍総理は続投を表明。党内外から辞任を求める声が挙がる中、自民党代議士会の場で直接、続投表明を批判したのがいまの石破総理でした。
こうした声を聞き入れずに、安倍総理は翌月27日には内閣改造を行うも、また政治とカネの問題で大臣が辞任。選挙からおよそ1か月半後の9月12日、安倍元総理の健康問題も重なり突然の辞任となりました。


会見では参院選の結果を受け反省をしつつも、今進めている改革、自分の進めている国づくりを進めなければとの思いで続投を決意し、内閣改造を行ったが、辞任することで局面を転換したほうがいいだろうと判断したと述べ、今の状況では国民の支持・信頼の上で政策を進めていくことは困難と判断したと語り、会見では健康問題には触れませんでした。


石破総理の進退は…

今回、石破総理は続投理由について日米関税交渉など国政の停滞を招かないよう、比較第一党の責任を果たすためと選挙翌日に総裁会見で語りました。
ですが、7月23日にはトランプ大統領がSNSで関税率15%で合意したと発表。同日、退陣の見通しという一報も報じられましたが、歴代総理経験者との会談ののち、改めて続投を強調し、退陣報道を否定しました。また、7月28日に行われた両院議員懇談会は予定された2時間を超えて4時間半に及び、参院選での大敗を陳謝しましたが、続投には理解を求めました。
また、8月8日に開催された両院議員総会でも「謙虚に真摯に耳を傾けたい」と重ねて続投に理解を求めましたが、総裁選の前倒し実施の要求が相次ぎ、総裁選管理委員会に臨時総裁選の開催の検討を求める決定がなされました。


前述しましたが、2007年の参院選大敗後、当時の安倍総理に辞任を求めたのは石破総理自身でした。
今回は、宇野総理、橋本総理のときのように選挙の翌日の辞任はありませんでしたが、第一次安倍内閣のように、ある日突然の辞任となるのか、それとも日米関税交渉をまとめあげたように、内外に山積する諸問題を野党とも協力し解決していけるのか、選挙後の政治の動きにも注目していきたいですね。


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