
今年も夢を懸けた“運命の一日”、プロ野球ドラフト会議が22日に迫る。佛教大の野村亮輔(22)は、最速152キロを誇る本格派右腕。幼い頃から憧れてきたプロの世界へ、野村は退路を断って挑む。
野球未経験の父と歩んだ野球人生
「行けるのであればどこでも行く」。野村は、独立リーグや育成枠も含め、プロ入りだけを目指す覚悟だ。綾羽高(滋賀)から京滋大学野球連盟の佛教大に進学し、1年秋にリーグ戦初登板。3年秋には4勝0敗、防御率0.00でベストナインを受賞し、神宮大会では2回戦で青山学院大に敗れたものの、リーグ戦から続く連続無失点記録を38イニングに伸ばす圧巻の記録を残した。その後、大学日本代表候補合宿にも招集されるなど、実績を積む中でプロへの思いも次第に強まっていった野村。「人生の中心にある競技」と語る野球で、最高峰の舞台に立ちたい。その強い思いが、プロ野球への挑戦を後押しした。
原動力の一つは、支えてくれた家族への感謝だ。野球未経験だった父は、息子が野球を好きになったことをきっかけに自ら勉強を重ね、練習メニューや食事のアドバイスをしてきた。中学時代には父の指導のもと、大雨の日も10km以上の走り込みを欠かさなかった。「当時はしんどかった」と振り返る日々が、今の体力と自立心の土台になっている。父は、必ず公式戦の応援に駆けつけるという。試合の動画を見てはアドバイスを送ってもらうなど、二人三脚で歩んできた野球人生。野村にとってプロ入りという夢を叶え、成長した姿を見せることが、何よりの恩返しだ。
野村のプロ入りを願い、応援し続けてくれたのは、父だけではない。昨年秋の全国大会、野村が先発登板する試合を観戦予定だった祖父が、当日に腸閉塞で急逝。応援に来るはずだった祖父に、マウンドで投げる姿を届けることは叶わなかったが、この悲しみと悔しさが「死に物狂いでやろう」と考えるきっかけになったという。
周囲の支えを力に、夢への挑戦
大学近くで一人暮らしをする野村が野球に打ち込めているのは、周囲の人々の温かさのおかげでもある。大学1年時から通う定食屋は、DeNAの東克樹(30)が学生時代にアルバイトをしていた店。練習で帰りが遅くなっても、店主は、体づくりを意識し米などの炭水化物を意識して摂る食生活を心がけている野村に食事を用意してくれる。
身近な存在から受けた刺激も大きい。同学年のライバルである西武の山田陽翔(22)や、大阪商業大のドラフト候補、星野世那(22)と、再び同じ舞台で野球がしたいという思いも強い。互いに切磋琢磨してきた仲間たちに追いつき、プロの世界で肩を並べること。それもまた、野村が夢を追い続ける理由の一つだ。また、昨年広島から5位で指名を受けプロ入りした大学の先輩・赤木晴哉(23)の高い意識や練習への取り組みを、下宿生活を通じて間近で見てきた。「先輩を超える順位でプロに行きたい」という思いがある。
両親への感謝、亡き家族への誓い、そして支えてくれた人々の期待。同じ夢を追う仲間たちへの思いも胸に、野村は“プロ一本”の覚悟でドラフトの日を迎える。
■野村亮輔(のむら りょうすけ)
2004年10月1日生まれ。滋賀県長浜市出身。身長177cm体重82kg。投手、右投左打。綾羽高(滋賀)から佛教大に進学。1年秋にリーグ戦初登板、3年秋でベストナインを受賞。大学日本代表候補合宿に招集された。
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