実質賃金が4か月連続マイナスとなり、家計にとっても厳しい冬となっています。今年こそ、「賃上げ」が「物価高」に打ち勝つことはできるのでしょうか。
【写真を見る】“キャベツ1玉400円台 平年の3倍超” 食品値上げ6000品目超 去年を超える値上げラッシュ 「物価高」vs「賃上げ」…「賃上げ」が勝つのは来年以降か
都内のスーパー。
アキダイ 秋葉弘道 社長
「キャベツとか大根とか(値段が)平年より大体2倍とか3倍。そんな状態がずっと続いていますね」
キャベツ1玉は平年の3倍以上の400円台。大根1本は257円、白菜4分の1は194円と、平年の2倍以上です。
さらに…
アキダイ 秋葉弘道 社長
「日本人の食生活をずっと支えてきたお米、この値上がりがもう尋常じゃない」
主食のお米は5キロ4000円台と、去年の倍近くまで値上がり。
今月は1200品目以上のパンが一斉に値上げされ、来月にはコーヒーやチョコレート、4月にはビール。春に向けて食品の値上げはおよそ6000品目。去年を大幅に超える値上げラッシュです。
アキダイ 秋葉弘道 社長
「多少賃上げがあったとしても、この強烈な物価高にはなかなか追いつくことは厳しいと思います」
家計に立ちはだかる「物価高の壁」。乗り越えるためのカギは「賃上げ」です。きょう発表された実質賃金は4か月連続でマイナスに。2年半近く、物価高に賃金の上昇が追いつきません。
今年こそはプラスになるのか。大企業のトップは…
ローソン 竹増貞信 社長
「実質賃金を継続的に上げて物の値段がついてくる、こういった形にぜひ持っていければなと」
ANAHD 芝田浩二 社長
「物価高を超える賃上げ率を意識していきます」
大企業は大幅な賃上げに前向きですが、本当に生活はよくなるのでしょうか。
専門家も厳しい見方を示します。
第一生命経済研究所 新家義貴 シニアエグゼクティブエコノミスト
「賃金は上がるけど、物価も上がってしまっている。賃金で見ると、なかなか増えてこない状況に2025年(今年)もなるんじゃないか」
足もとでは1ドル=158円台の円安水準が続き、食品の値上げラッシュは長引くおそれも。政府のガソリン補助金も減り、家計の負担は増えるといいます。
第一生命経済研究所 新家義貴 シニアエグゼクティブエコノミスト
「2026年(来年)になれば、賃金がはっきり物価を上回ってくるんじゃないか」
賃上げの恩恵が家計に行き渡るには、相当、時間がかかりそうです。
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