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保険料「106万円の壁」撤廃へ 残るもうひとつの壁“週20時間” 税金「103万の壁」の進展は?【Nスタ解説】

総合
2024-11-15 21:13

年収「103万円の壁」の見直しをめぐる、自民・公明両党と国民民主党による政策協議が活発化しています。引き揚げ幅や財源が焦点ですが、協議は進展したのでしょうか。
一方、厚生年金への加入の要件から生じる「106万円の壁」を撤廃するのか、厚生労働省の部会で議論されました。


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税金「103万円の壁」引き上げで地方の税収は約4兆円減の見通し

日比麻音子キャスター:
103万円の壁」についての協議が始まりました。

「103万円の壁」=税の壁で、年収が103万円を超えると所得税が課税されるというボーダーラインになっています。議論されているように、これを103万円から178万円に引き上げると、税収は7~8兆円減るといわれています。

このうち、地方の住民税は4兆円程度の減収になる見通しとのことです。

全国知事会の会長であり、宮城県の村井嘉浩知事は「結果的に大きく住民サービスが下がる。何を削ってどこから財源を生み出すのか、具体的な対策・方策を示した上で、与党と話し合いをしていただきたい」としています。

しかし現時点で、財源についての結論は出ていない状況です。


保険料「106万円の壁」が撤廃されても「週20時間の壁」が残る?

日比キャスター:
一方で、厚生年金への加入要件から生じる「106万円の壁」を撤廃するのかについても、厚生労働省の部会で議論されました。

「106万円の壁」とは、年収が106万円を超えると保険料を負担しなければならなくなり、結果として手取りが減ってしまうというものです。

今議論されている対象は、パートタイムなどで厚生年金に加入している短時間の労働者です。条件には、たとえば次のようなものがあります。

●週20時間以上の労働
●従業員51人以上(企業の規模)
●年収106万円以上
 など
※学生除く

厚生労働省では企業の規模、そして年収の要件は撤廃する方向で議論が進んでいますが、“週20時間”というもう1つの壁は残ることになります。


例えば時給1000円の場合…
▼週20時間働いた場合
年収は1000円×20時間×52週=104万円になります。しかし厚生年金に加入すると手取りが約88万4000円になり、15%ほど減ってしまうのです。

▼週19時間働いた場合
年収は1000円×19時間×52週=98万8000円になり、なおかつ厚生年金に加入しなくてよいため、結果として、週20時間働いたときのほうが手取りが減ってしまうわけです。


つまり、106万円という年収の壁がなくなったとしても、週20時間という「労働時間の壁」によって手取りが減ってしまうため、根本的な解決にはならないのではないかと指摘されています。

これらについて政府は、年末までに結論を出すとのことでした。


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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