中国政府はフィリピンと領有権を争う南シナ海のスカボロー礁に領海の「基線」を定めたと発表しました。
中国とフィリピンが領有権を争うスカボロー礁は2012年から中国が実効支配を続けていて、8月には中国軍機がフィリピン機に対し、熱と光を放つ「フレア」を発射するなど、威圧的行動を繰り返しています。
こうした中、中国政府は10日、スカボロー礁に領海の「基線」を定めたと発表しました。
「基線」とは領海などを決める際の基準となるもので、改めてスカボロー礁が中国の領土だということを主張する狙いがあるものとみられます。
中国外務省の報道官は談話で「スカボロー礁は中国固有の領土であり、法に基づいて領海を確定することは海洋管理を強化するための通常の措置だ」と強調しています。
スカボロー礁をめぐってはフィリピン政府が8日、領海やEEZ=排他的経済水域を明確に定めるための法律を成立させていて、この法律について、中国外務省の報道官は談話で「中国の領土主権と海洋権益に対する重大な侵害であり、断固反対する」とコメントしています。
今回の中国政府の措置はフィリピン側の動きに対抗するものとみられます。
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