「食べられるコンクリ-ト」と呼ばれている世界初の新素材、その開発の現場を取材しました。叩いてみると、かなり固そうな音がしますが、「強度」はコンクリートの実に4倍。それでいて「食べられる」 ワケは?
100%食品廃棄物で世界初“食べられるコンクリ-ト”
井上貴博キャスター:
今回取材したのは、“食べられるコンクリート”です。
100%天然由来の食材に、「熱」+「圧縮」で完成させることができるので、食料廃棄物などの食品ロスを減らすことに期待がもてると言われています。
これまで約100種類の食材を建材にしてみたそうですが、ほぼほぼ成功したそうです。
かぼちゃの皮は分厚くて頑丈だと思っていたので食材ごとの曲げ強度が高いのかと思ったら、低いんです。今のところ最も高いのは白菜です。白菜は弱そうなのに、なぜなのでしょうか。
fabula代表取締役の町田紘太さんも「糖分と繊維のバランスで強度が決まっているっぽい…」と、日本トップの頭脳をもってしても、まだ解明できていません。
粉末にして圧縮すれば、熱を加えてどろっとした糖分が繊維質の中に流れていく感じでベストミックスなのが白菜で、例えば根菜類とかだと糖分が多すぎてそんなに強度がでないということです。でも、理由を聞かれると、まだよくわからないそうです。
元競泳日本代表 松田丈志さん:
糖分が多すぎても駄目なんですね。
井上キャスター:
いくつか用意したので、香りを嗅いでもらって何が原料か当ててもらいましょう。
松田丈志さん:
(香りを嗅いで)しいたけはタバコの吸い殻の匂いがする。全然しいたけ感はないです。
井上キャスター:
人によって感覚が違うんです。
こういうものでオブジェなどができるんじゃないかという可能性を秘めてるわけですよ。
ホラン千秋キャスター:
これはどうやって成形するんですか?
井上キャスター:
型を変えればいいだけなんで、型さえあればどんな形にでもなります。
「食べられる家の実現」の弱点は水
例えば仮設住宅にこの材料が使えたら、その辺りにあるゴミを全部利用できますよね。でも、一つ大きなハードルがあります。
fabula代表取締役の町田さんの目標は「食べられる家の実現」ということですが、実現には10年ぐらいかかるんじゃないかと言われています。乾燥させて作っているので、水に弱いからです。
でも、これからの技術で防水処理や虫除けなどができるようになれば、本当に食べられる家ができるんじゃないかと。これを世界の技術として持っていけば、途上国でも使えるんじゃないかと。
ホランキャスター:
別に食べられなかったとしても、例えば仮設住宅などで一時的に使って、その後どうしても廃棄されてしまうものが自然に帰るということが重要ですもんね。
松田丈志さん:
パリオリンピック™の時もそうでしたけど、仮設で対応する瞬間ってあるので、そういうときにこういうものを建材として使えるといいと思います。やはり日本国内でもフードロスの量ってかなり出てますから、それらを活かせるのもやっぱりいいですよね。
井上キャスター:
チョコレートの製造過程の際にカカオ豆から取り除かれた種皮で作った明治「カカオルーム」は、壁・床も作られました。強度はもちろん、空間を香りで演出できるメリットもあります。
そうすると、例えば宿泊施設などにも使うことができるのではないかということで、ビジネスが広がっていくかもしれない。その先頭にいるのが20代ですので、ぜひ応援していただきたいものです。
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<プロフィール>
松田丈志さん
元競泳日本代表 五輪4大会出場 4個のメダル獲得
JOC理事 宮崎県出身 3児の父
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