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「1人の標的に500人の犠牲」民間人の巻き添え数「NAZA」ガザ戦闘から3年 名ばかりの停戦 続く苦悩とトラウマ【サンデーモーニング・風をよむ】

海外
2026-10-11 14:15

7日、ガザでの戦闘が始まって3年が経ちました。2025年10月の停戦合意以降も、イスラエル軍の攻撃は依然として繰り返され、民間人の犠牲者は増え続けています。なぜなのでしょうか。


【写真を見る】付随的被害を意味する軍事用語「NAZA」とは


「名ばかりの停戦」から1年…ガザで繰り返される空爆と増え続ける犠牲

3日、イスラエルで行われた、政府への抗議行動。長引く戦闘にイスラエル国内も揺れています。


デモ参加者
「多くの兵士を失った血みどろの戦争で一体何が起きていたのか誰にもわからない。だからこそ、今まさに抗議しているのです」


2023年10月7日、ハマスがイスラエルを襲撃し、約1200人が死亡。250人あまりが人質として連れ去られました。イスラエルはハマス殲滅をかかげ、ガザで大規模な攻撃を開始します。


ガザで、まもなく3歳になる娘を育てるアル・クルドさん。3年前、空爆で重傷を負う中、娘を出産。今は不自由なテント暮らしを強いられます。


2025年、イスラエルとハマスの間で停戦が発効。ようやく、平和が訪れることを期待しましたが…


アル・クルドさん
「数え切れないほどの爆発やミサイルの音を聞きながら寝起きする日々です」


停戦後も、攻撃を繰り返すイスラエル。10月3日には、空爆で5人が死亡、うち4人は女性でした。


ガザ住民
「毎日、破壊や空爆、そして命が失われ続けています。これ以上耐えられません。本当に疲れ果てています」


名ばかりの停戦の陰で増え続ける犠牲者。ガザ保健当局は停戦後に1400人以上が死亡したといいます。


死者7万4000人超の爪痕… 求められる「心の平穏を保つための支援」

ガザに事務所を置き、支援活動を行っているNPO法人「地球のステージ」代表の桑山紀彦さん。医師としてガザで救命救急に携わったこともあります。


桑山さんは、6人の現地スタッフを通じて、子どもたちの心のケアを行ったり、学校の先生たちに、その手法を教える活動に力を入れています。


NPO「地球のステージ」桑山紀彦 代表
「僕らは心のケアを提供している。それに対して、引きも切らず人が応募してきていて、この3年でパレスチナの皆さんは水や食料が欲しくても、心が元気でなければ何も始まらないということも理解している」


ガザでは、戦闘開始以降の3年間で7万4200人以上が亡くなっており、ガザの人たちにとって、心の平穏を保つための支援は欠かせないといいます。


イスラエル兵ら24人の証言 軍が組織的に認めていた「民間人の巻き添え」 

停戦から1年が経っても続くイスラエルのガザ攻撃。イスラエル側は、ハマスが合意に違反し、武装していることを理由とし、民間人の犠牲についても、あくまで標的はハマスだとしています。


なぜ、ここまで民間人の犠牲が増え続けているのか。その訳を解く、鍵となる映画が公開されました。


ドキュメンタリー映画「NAZA」。タイトルの「NAZA(ナザ)」は、ヘブライ語で「付随的被害」を意味し、ハマスへの攻撃で犠牲が予測される「民間人の巻き添えの数」を指す軍事用語です。


インタビューに応じた24人のイスラエル兵らの証言から、ガザでは、民間人に被害が及ぶことを、軍が組織的に承認していた実態が浮かび上がったのです。


映画は、9月ベネチア国際映画祭でプレミア上映され、2人のイスラエル人監督に25分もの間、拍手がやみませんでした。


イスラエル国内からも戦争の非道さを訴える声が上がる中、今なお続く戦闘。イスラエル軍の圧倒的武力を前にしても、ハマス側はパレスチナ国家樹立まで、抵抗を続けるとしています。


“天井のない監獄”に和平は訪れるのか 互いの「トラウマ」理解から始まる一歩 

3年前の衝突以前からイスラエル軍によって封鎖され、200万人以上が往来の自由を奪われた“天井のない監獄”、ガザ。そんなガザに平和が訪れる道はあるのか、桑山さんは…


NPO「地球のステージ」桑山紀彦 代表
「2国家共存は可能だと思う。ごく一部の上の人々がいがみ合い、憎しみの連鎖を繰り広げているが、一般の人々、それはパレスチナ人もイスラエル人も正直こんな戦争なんか望んでない。平和が大切ということはよく分かっている。両方の人々が分かり合えるようなきっかけを作れば、必ず和平はくる」


その上で桑山さんは、過酷なユダヤの歴史とパレスチナの苦難、双方が互いのトラウマを理解することからしか、物事は進まないといいます。


NPO「地球のステージ」桑山紀彦 代表
「(イスラエルの)占領政策を変換していかないと第一歩は始まらないとはもちろん思う。ただイスラエルサイドにしてみると『なぜ俺だけひくのだ』ということになってしまう。パレスチナとイスラエルには、トラウマを受けた者同士という点でとても共通している。トラウマが放置されると怒りにつながるが、トラウマが理解されて向き合う力を得ると、優しくなってお互いが歩み寄る」


戦闘開始から3年、いまガザの人々は…


ガザ住民
「私たち子どもが、平和で安全に暮らせるよう、戦争が終わってほしい」


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