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反戦はお花畑?なぜ平和の声は伝わりにくいのか トランプ氏ら為政者の「平和の悪用」の現実 平和の“曖昧さ”と戦争の“単純化”の危うさ【サンデーモーニング・風をよむ】

海外
2026-04-19 17:30

アメリカとイスラエルが始めた戦争の出口が未だ見通せない中、世界では戦争に反対し、平和を求める声が大きくなっています。


【写真で見る】「No War!」に添えられたウサギの意味は?


一方でその声は伝わりづらいとも言われています。そのわけを考えてみました。


トランプ氏「教皇は間違っている」 教皇は「戦争には声高に反対」

横たわる男性に、輝く手をあてるトランプ大統領。トランプ氏が投稿したのは、自らをキリストに模したとみられる画像です。


トランプ大統領
(キリストに)扮したわけじゃない。医者のつもりだった。キリストだなんて思うのはフェイクニュースだけだ」


実はこの画像、ローマ教皇レオ14世が、イラン攻撃に反対したことへの反発から投稿したものでした。


その後批判が殺到し、削除しましたが…


トランプ大統領
「(Q.謝罪するか?)いや、謝らない。レオ教皇は間違っている」


教皇はトランプ氏の「文明全体を滅ぼす」という脅しについても、「容認できない」と批判していました。


ローマ教皇レオ14世
「私はトランプ政権を恐れていません。今後も戦争には声高に反対し、平和の促進を目指す」


イランでは、2月の戦闘開始以来、3000人以上が犠牲に。


イスラエルが攻撃を続けるレバノンでは、死者2000人以上に加え、避難民が120万人に達するなど人道危機に陥っています。


レバノン市民
「どうしていつも爆弾、爆弾、爆弾なんだ。私たちは平和に暮らしたいだけ」


そうした中、世界各地でも、イラン攻撃に反対する抗議デモが拡大。


日本でも4月、国会前をはじめ、全国47都道府県で抗議の声が上がりました。


参加者
「何があっても、戦争によって人が命を落とすことがあってはならない」


戦争への“反対表明”なぜ難しい?

その一方で、「反戦」を訴える難しさも露わになっています。


参加者の中で、目についたのが「ウサギ」のイラスト。


その訳は、SNSにあげられた「世界中から戦争がなくなりますように」との言葉を添えたウサギのイラストに、「絵を描いても戦争はなくならない」「自己満足」と批判が殺到し、削除を余儀なくされたからです。


参加者
「SNSで発信すると『そんなのお花畑だよ』みたいな。特にネットが最近激しい」
「まっとうなことを言っている人を、蔑むというか。ただただ不思議」
「『平和であって欲しい』という願いすら拒否される世の中ってどうなんだろうと」


戦争への率直な反対表明が、批判の対象になってしまう現状。


こうした「平和を訴えることの難しさ」の一方で、「戦争を訴えることの容易さ」を指摘する専門家がいます。


戦争が「巧みにプロパガンダに利用される」現状とは

かねて紛争国からの留学生などと、コミュニケーションの観点から「戦争と平和」を研究してきた、伊藤剛さん。


早稲田大学国際教養学部講師 asobot代表 伊藤剛さん
「『平和』って言った時にイメージしているものが人によって違う可能性がある。『戦争とは何か』は共有できるけど、平和観みたいなところで折り合わない。平和の尊さというのは戦争と相対する中でしか語りづらい、理解されづらい」


伊藤さんが例として挙げたのが画像検索。


「WAR=戦争」と検索すると、銃や戦車など戦場の具体的なイメージが出る一方、「PEACE=平和」では、ピースマークや鳩など抽象的なものばかり。


「戦争」は、その具体的イメージによる分かりやすさが、悪用されてきたといいます。


伊藤剛さん
「情緒的・エモーショナルなものに掻き立てられるものが、『戦争』の中からの方が生まれやすい。巧みにプロパガンダに利用される。(敵対者を)悪魔的なものにシンボリックにしていくというのは、昔からやられてきてる手法」


例えば、戦時中の日本はアメリカやイギリスを「鬼畜米英」と呼び、最近のアメリカでも…


ブッシュ大統領(2002年当時)
「(イラン・イラク・北朝鮮は)テロリストとともに“悪の枢軸”を形成する」


そして今回も…


トランプ大統領
“地球上で最も暴力的で残忍な政権”を、自由にできなくしてやる」


さらに、「平和」の曖昧さを逆手にとって利用しています。


戦争のために“悪用される平和” その背景に「単純化」

為政者は、「平和」の曖昧さを逆手にとって、しばしば「平和のための戦争」といった大義を掲げてきました。


今回のイラン攻撃で、トランプ大統領は「今や『平和』が訪れようとしている。我々が徹底的に叩きのめしてやったからだ」と発言。


また、ウクライナ侵攻に際し、プーチン大統領は2023年、「ロシアが目的を達成すれば、『平和』が訪れる」と話しました。


伊藤さんは、こうした「平和の悪用」の背景には、物事の都合の良い単純化があるといいます。


伊藤剛さん
「戦争というのは、世界の複雑なものを、こうであるべきだと『単純化』する暴力。敵と味方、善と悪、文明と野蛮、世界のかたちを二項対立に還元してしまう」
「複雑なものを複雑なまま、維持し続けることが平和なんじゃないか。それを諦めると単純化される暴力の中に組み伏せられるか、ひれ伏すしかない」
「複雑さを理解しようとする行為の中にしか、平和はないんじゃないかと」


世界を単純化する戦争という暴力に、どう抗えばいいのでしょうか。ローマ教皇は、こんな希望を語ります。


ローマ教皇レオ14世(16日)
「世界はほんの一握りの暴君たちによって荒らされている。それでも支え合う多くの仲間たちによって、世界は保たれている」


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