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イラン情勢で世界は石油“節約モード”に 日本は備蓄8か月分も…ペットボトルや点滴チューブに“原料不足”の懸念【Nスタ解説】

海外
2026-03-31 15:00

アメリカとイスラエルによるイラン攻撃から1か月が経ちました。原油や石油など、日本への影響はどうなるのでしょうか。


【写真で見る】原油高でリフォーム工事に欠かせない「シンナー」の原料「ナフサ」も


「1バレル5~10ドル程度押し上げる要因に」フーシ派参戦で

井上貴博キャスター:
原油先物価格の推移から見ていきます。


【WTI原油先物価格 さらに上昇】
2月27日:67ドル(終値)
3月20日:98ドル(終値)
3月23日:84ドル(一時)
3月30日:103ドル(一時)
※1バレルあたり アメリカ時間


戦闘が始まる前の2月27日(終値)は、1バレル67ドルでした

それが3月20日には98ドルになり、3月23日ごろにトランプ大統領がイラン発電所への攻撃を5日間延期と発表してから、一時84ドルになりました。

それが不透明感が増したという判断で、30日には一時103ドルという段階です。

ホルムズ海峡の事実上の封鎖が続く事で、「世界経済がさらに混乱をきたすのでは」と懸念が広がったとみられます。


ホルムズ海峡を通る原油・石油に、世界は約2割を頼っている状況です。特にアジアは、過度に依存しているということです。

日本エネルギー経済研究所の柳沢崇文研究主幹によると、「ホルムズ海峡ルート」だと、1日あたり2000万バレルだということです。

サウジアラビアのパイプラインで分散もさせていて、ヤンブー港から出てくる「航海ルート(輸送能力)」では、1日あたり500万バレルと言われています。

ただ、この航海ルートには、イエメンの親イラン武装組織「フーシ派」が参戦すると表明しています。

野村総研エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏は、1バレル5ドルから10ドル程度押し上げる要因になり得るのではないかとみています。


「週4日出勤を推奨」「水曜日休業」世界では節約呼びかけ

井上キャスター:
こういう状況で難しい判断を迫られている世界各国、そして日本の対応です。


高市総理のSNS(3月29日)
「日本全体として必要な量は備蓄放出により賄われていますので、皆様にはこれまで通りの落ち着いた対応をお願い申し上げます」


現地メディアなどによると、各国の石油備蓄量は、▼日本は約8か月分、▼韓国は約7か月分、▼タイは約3か月分、▼フィリピンは約1か月半分、▼スリランカは約25日分だということです。

世界各国では、いち早く節約が呼びかけられています


【韓国 備蓄約7か月分】
政府・公共機関など車両150万台のナンバープレート末尾の番号で、運行できる曜日を制限しているということです。

【タイ 備蓄約3か月分】
政府機関の冷房の使用削減、エレベーターの使用を控える呼びかけを行っています。

【フィリピン 備蓄約1か月半分】
政府は民間企業に対し、「週4日出勤」の推奨を検討しているということです。

【スリランカ 備蓄約25日分】
病院・入国管理所などを除いて、水曜日を休業にしているそうです。


タレント・子育てインフルエンサー 木下ゆーきさん:
水不足のときは「出しっぱなしにしない」のような、わかりやすい節約術が思い浮かびました。

ただ、原油・石油に関しては、車を使う頻度を下げればいいのかと考えますが、地方に住んでいると、なかなかカットしづらい部分もあります。思うように節約ができないのかもしれないと思っています。


井上キャスター:
「石油」と言われても、日常で目に見えて使っている感覚があまりないですし、価格に反映されるにはタイムラグがあるので、なかなか実感としてわかりづらいところはあります。


経済への影響も 日本はどうする?

井上キャスター:
日本としてどういうことが考えられるのか、案が出ています。

石油連盟によると24日、自民党の「イラン情勢に関する関係合同会議」で、石油元売り幹部が燃油需要を抑制する対策として、「IEA(国際エネルギー機関)の10の措置」を例示したということです。


【IEA(国際エネルギー機関)の10の主な措置】
・可能な限り在宅勤務
・高速道路の速度制限を10km下げる
・公共交通機関の利用促進
・都市部では道路利用を車両番号で交代制に
・カーシェアリング拡大と効率的な運転手法
・代替交通手段がある場合は航空機の利用を避ける など


政府は、経済を冷やしたくないために節約は“まだいいのでは”と思っていますが、そろそろ節約を考えていかないといけないと思います。


エネルギー経済社会研究所 代表 松尾豪さん:
例えば、韓国、タイ、フィリピン、スリランカなどの国は、日本と事情が異なります。

まず韓国は、ナフサやガソリンなど石油製品を輸入するにあたり、輸入が止まったときに、国内で作ろうと思っても製油所の余力がないという状況です。

タイ、フィリピン、スリランカでは、そもそも国内にそれほど多く製油所がなくて、海外からの輸入が止まったら、いきなり危機に直面するという特徴があります。


日本は直ちにやる必要はないと思いますが、官邸は今後、どのタイミングで考えていくのか、その必要があると思います。

タイミングについては政治的な判断が求められると思っています。いつまでも普段通りの給油をしてもいい、プラスチック製品も含めて普段通りのものを使っていいかというと、なかなかそうではないんだろうと思っています。

一方で、石油の在庫があったり、ナフサの備蓄がそれなりにあるという状況の中で、直ちに進めてしまうと、経済への影響、あとは買い占めや買いだめといった行動に走る可能性もあります。

非常に難しい判断が迫られると思います。


井上キャスター:
確かに節約はした方がいいのかもしれませんが、節約をしてしまうと経済が回らないので、これからゴールデンウイークなど大型連休があっても経済が本来回るところが回らないかもしれません。政府もそこは少し気を遣っているのだろうと思います。


ナフサ製品めぐり「医療の質が下がっていく懸念」

井上キャスター:
「ナフサ」が必要な製品は、身近に多くあります。

エネルギー経済社会研究所の松尾豪代表によると、ペットボトル、食品用ラップ、医療用手袋、医療点滴用チューブだということです。

いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長は、「医療用手袋・点滴セットなどは品薄状態。品質のいいものから手に入らなくなってきている。医療の質がどんどん下がっていく事が懸念される」と話していました。

政府として、どのように舵取りをしていくのか、大変難しい局面を迎えているといえます。


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<プロフィール>

木下ゆーきさん
タレント・子育てインフルエンサー 3児の父
子育てモノマネ動画が人気 絵本「はぶらしロケット」出版

松尾豪さん
エネルギー経済社会研究所 代表
国内外のエネルギー事情を調査・研究


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