E START

E START トップページ > 海外 > ニュース > イラン攻撃は“アメリカ中間選挙に向けた賭けか?”「政権の打倒」を明言したトランプ大統領の狙いや判断を解説

イラン攻撃は“アメリカ中間選挙に向けた賭けか?”「政権の打倒」を明言したトランプ大統領の狙いや判断を解説

海外
2026-03-01 08:00

今回のイランへの攻撃について、アメリカのトランプ大統領は、「政権の打倒」を目指すことを明言しました。
その狙いと背景についてJNNのワシントンDC支局長と元中東支局長の解説です


【写真を見る】イラン攻撃は“アメリカ中間選挙に向けた賭けか?”「政権の打倒」を明言したトランプ大統領の狙いや判断を解説


今後の焦点はトランプ大統領が明言した「体制の転換」の中身

【涌井ワシントンDC支局長】 
今回、トランプ大統領が「体制の転換」を目指すと言ったわけですが、それは本当に具体的にどうやってやるのかというところは全く示されていないので、そこが今後まさに焦点になってくると思います。そもそも「体制の転換」に至るかどうかというところが、前段階としてもちろんあるわけですが、どの程度その実現できるという見通しを持って始めたのかというところは今後問われることになると思います。 


一部メディアでトランプ大統領がもう一度、きちんと記者会見を行う、国民向けに演説を行うという報道が出ていましたが、つい先ほど、今日(2月28日)は先に投稿された動画にとどめるのではないかという報道も出てきました。


いまトランプ大統領が自身のフロリダの邸宅(マール・ア・ラーゴ)に入っているということもあって、具体的な話がすぐに聞けるかどうか、どの程度の情報発信などが出てくるか今のところ不透明です。


イラン攻撃は「アメリカ中間選挙を見据えた賭け?」

【秌場 元中東支局長】
アメリカとイスラエルのイラン攻撃が、泥沼化するようなことがあったりとか、中途半端な結果で終わったりした場合、11月にアメリカで行われる中間選挙を見据えた時に、これある種の賭けのような気がします。


【涌井ワシントンDC支局長】
私もトランプ大統領は、おそらくそこに何らかプラスになるという判断もあって今回の攻撃に踏み切ったのではないかと思いますが、例えばアメリカ人に犠牲者が出るというようなことがあった場合、世論がどのように反応するのか、これは今のところ全く分かりません。
また、そもそもこの攻撃が数日間ではないかというような報道が出ていますが、それでどの程度の成果が出るのか。 


そして今回も、これだけ「体制の転覆」と明確に目標を定めてしまったので、この後「もう1回交渉のテーブルに着きましょう」というオプションは失われたと見るべきではないかと思います。つまり、アメリカとしてもまさに引っ込みがつかないという状態になってしまったと思います。トランプ大統領として「きっちりと成果が上がった」とアピールできなければ、これは中間選挙にとってもマイナスになってくるのではないかと思います。


ただ現時点ですでに、足元のトランプ政権の支持率というのはあまり芳しいものではないという現状もあります。アメリカ国内では物価高がしつこく続いていて国民の不満が溜まっています。それに対してトランプ政権はなかなか有効な対策を打ち出せていません。

今週「一般教書演説」という1年の施政方針を示す演説もありましたが、新しい政策というのは打ち出せておらず、手詰まり感があるというところでした。
関税政策についても違法判決を受け、この先新しい関税を導入すると言っていますが、それが果たしてスムーズに進むのかも分からないという不透明感があります。さらにはアメリカ国内では、性的虐待の罪で起訴されその後自殺した富豪のエプスタイン元被告を巡る情報公開で、トランプ大統領の関連資料が一部削除されていた(非公開になっていた)という問題が今週も浮上したりしていて、支持率が上昇する材料がありません。


アメリカの内政で行き詰まっている中、「ベネズエラの時に鮮やかに作戦が成功した」という1月の記憶がトランプ大統領にはありますので、ずっと停滞したムードが続いていた中でもう一度ヘッドラインを塗り替えるというか、「何かを達成した」と打ち出すために外に打って出るという選択をしたと考えることはできるかもしれません。


ただこれが本当に成果が出るのか、MAGA派の人々はこれを本当に支持するのか、アメリカ国外への介入を嫌ってきたはずのトランプ政権の支持者はどう考えるのかということも含めて極めて不透明です。アメリカ国内の中間選挙に向けた影響も、今後トランプ政権がこの戦争をどうしていくかを考える時の材料にはなってくるんでしょうが、現時点では不透明です。


今回イランへ軍事攻撃でアメリカ世論に影響は?

【秌場 元中東支局長】
アメリカの世論も、アメリカの兵士が命を落とすようなことがなければ、そこまで実は外交というのは中間選挙のようなものに影響がないのではないかという気もしますが、1月にベネズエラのマドゥロ大統領を拘束した作戦は、アメリカ国内ではトランプ大統領の支持率アップにどのように影響したのでしょうか?


【涌井ワシントンDC支局長】 
トランプ大統領の支持率アップには瞬間的には寄与しましたが、長期的に見て支持率アップの効果があったとは今のところ認められないと思います。 アメリカの有権者というのは、元々やはり外交に対する関心というのは投票行動を決める上で決して高くありませんし、国内の物価高とか経済問題、社会保障の問題についての関心が高いです。アメリカでは移民の問題ですとか、価値観に関わる人工妊娠中絶の問題などのほうが投票行動を決定する際には大きな要因になるという国民性があります。 


ただ、ベネズエラの問題というのはやはりアメリカの裏庭と言われる中米の国で、独裁体制でひどい目に遭って逃げてきたという移民の人が割と身近にいる世界でもあります。ですので「独裁体制を打倒したんだ」というアピール自体に喜んでいる移民の方々もいますし、身近に感じる要素という側面もあると思います。 


一方でイランというのは、トランプ大統領が「世界一のテロ支援国家」と言っていましたが、今回のアメリカとイスラエルによるイラン攻撃が、短期的であれベネズエラのときと同じような効果を生むかどうかは、ベネズエラとイランの違いを考えると、まだ不透明かと思います。


「インフルにかかる人・かからない人の違いは?」「医師はどう予防?」インフルエンザの疑問を専門家に聞く【ひるおび】
【裁判詳細】女子大生2人焼死事故 両親「怒りでどうにかなってしまいそう」「遺体と対面し本当の絶望を知った」追突トラック運転の男「ぼーっとしていた」起訴内容認める 山口
「あんな微罪で死ぬことはないだろう…」逮捕直前にホテルで命を絶った新井将敬 衆院議員「この場に帰って来れないかもしれないけども、最後の言葉に嘘はありませんから」【平成事件史の舞台裏(28)】


情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

ページの先頭へ