
わずか一か月の間に2人目の犠牲者です。ミネソタ州で移民当局が市民を射殺する事件がまた起きました。トランプ政策の看板政策の一つ、移民政策をめぐり抗議活動はアメリカ全土に広がっています。
【写真で見る】“ICE監視活動”に密着 笛を使って市民に警告を送るオブザーバー
移民当局 また一般市民を射殺 トランプ政権批判は全米に拡大
アメリカロック界の重鎮、ブルース・スプリングスティーンさんが1月30日、ミネソタ州のミネアポリスでチャリティコンサートを開きました。
披露したのは、トランプ政権による移民取り締まりを批判した新曲、「ストリーツ・オブ・ミネアポリス」。わずか6日前、路上で射殺された男性を偲んで書かれた曲です。
事件の映像をみてみると、画面中央の白い服の女性が武装した男に突き飛ばされます。その女性をかばう男性は、催涙スプレーを噴きかけられました。さらに男性は女性から引きはがされ、抑え込まれます。男性を力づくでねじ伏せているのは、移民当局の職員たち。
そして、地元の看護師、アレックス・プレッティさん(37)が射殺されました。
プレッティさんを知るガソリンスタンド店員
「彼はうちの常連客でした。本当に優しくて、微笑んでいるような目をしていつも目を合わせてくれました」
なぜ一般市民が殺害されたのでしょうか。背景にあるのは、トランプ政権が強硬に推し進める移民の取り締まりです。体を押さえつけるなど手荒なうえに、一般市民を拘束するケースも相次いでいます。
“ICE監視活動”に密着 政権側の主張と矛盾も
取締りの中心的な役割を果たしているのがICE(移民・税関捜査局)です。ICEの過剰な取り締まりに対抗するため、市民が立ち上げた移民を守る団体「オブザーバー」。仕事などの合間を縫って街を巡回します。
アフリカ・ソマリア系移民が多く住むエリアに進むと...
移民を守る団体「オブザーバー」
「(ICEが)店をノックしていたらしい。まだ近くにいるかもしれない」
ICEの車両をみつけると、SNSや笛を使って市民に警告を送ります。
窪小谷菜月記者
「移民当局が来たということで、ボランティアの人が笛を鳴らして一斉に知らせています。『ICE』だ、黒い車が『ICE』ですね」
寒空の下で活動する「オブザーバー」。移民たちも温かい飲み物を配って支えます。
アフリカ・ソマリア系移民
「感謝しています。私たち隣人のために外に立ってくれているのですから」
今回殺害されたプレッティさんも、移民当局の活動を撮影し、監視していたとみられます。しかし、現場の司令官は...
米・国境警備隊 グレッグ・ボビーノ司令官(1月24日)
「任務中、ある人物が拳銃を持って近づいてきた」
「プレッティさんは銃を持って近づいてきた」と正当防衛を主張。映像を検証すると、確かにプレッティさんの腰に銃が装着されていますが、その銃は取り上げられ、その直後に撃たれたので、政権側の主張とは矛盾します。
しかも、プレッティさんは許可を得て銃を所持していたといいます。
市民の犠牲はこれだけではありません。1月7日にも女性(37)が射殺されました。この時もトランプ大統領は、「女性が車でひき殺そうとした」と正当防衛を主張しました。
トランプ氏「少し緊張をゆるめる」 軟化も広がる抗議
度重なる事件に怒りは爆発。抗議活動は全米に広がりました。
ミネソタ州 ティム・ウォルツ知事(24日)
「ドナルド・トランプ、ミネソタ州から部隊を撤退させなさい。彼らは混乱と暴力をまき散らしている」
地元・ミネソタ州のウォルツ知事がICEの撤退を要求。
批判はトランプ氏の身内からも。共和党の州知事が公然と非難し、抗議のため選挙戦から撤退する候補者も現れました。
トランプ大統領(28日、FOXニュースより)
「少し緊張をゆるめます」
トランプ氏は、強硬派幹部を解任、警備隊員の人員を縮小するなど姿勢を軟化させました。
それでも抗議活動は広がるばかり。トランプ政権の移民政策そのものへ影響はあるのでしょうか。
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