トランプ大統領
「完全かつ全面的な停戦が合意された」
【写真で見る】「20年・40年の停戦になるならいいけどね…」市民は諦めの表情?
交戦を続けていたイスラエルとイランが急転直下“停戦”で合意しました。アメリカの参戦で戦火の拡大が懸念されていましたが、背景に何があったのでしょうか。
米軍基地を攻撃されるも… トランプ大統領「イランに感謝」
増尾聡 記者
「トルコ東部のイラン国境ですが、イランに戻ろうとしている人たちが多く集まっています。そして、車も渋滞です」
男性(トルコ側国境検問所にて)
「イランに行くんだ」
Q.イランに帰るの?
「そう」
交戦を続けていたイスラエルとイランが“停戦合意”。まさに急転直下の展開でした。
まず事態が動いたのは、日本時間の24日未明。アメリカ軍の攻撃を受けたイランは、その報復として、カタールにあるアメリカの空軍基地の攻撃を行いました。
しかし、トランプ大統領は「事前通告のおかげで死者もけが人も出なかった。イランに感謝する」と、攻撃を受けたにもかかわらず、SNSで謝意を伝えたのです。
そして、それからわずか2時間後には、次のように投稿しました。
トランプ大統領(SNSより)
「イスラエルとイランの間で、12時間の完全かつ全面的な停戦が合意された。その時点で戦争は終結したと見なされる」
まず、日本時間の午後1時をめどにイランが停戦に入り、その後、イスラエルも停戦に応じるとSNSで表明したのです。
この直後、アメリカのFOXニュースに出演したバンス副大統領は、こう語っています。
アメリカ バンス副大統領
「大統領はリセットボタンを押した。『この地域に長期的な平和をもたらそう』と。それが常にあの人の目標ですから」
イランのアラグチ外相は「イスラエルが違法な侵略を停止すれば、我々も反撃を続けるつもりはない」と、停戦を受け入れる構えを示しました。
そして、イスラエルのネタニヤフ首相も…
イスラエル ネタニヤフ首相
「作戦の目的が達成されたことを踏まえ、イスラエルはトランプ大統領との全面的な調整のもと、『二国間の停戦への提案』に同意しました」
元中東支局長「陰で行われる戦争は続いていく可能性がある」
アメリカの参戦により、さらなる戦火の拡大が懸念された中東情勢。一転、停戦合意に至った背景には何があったのでしょうか。
元JNN中東支局長 秌場聖治 記者
「互いにミサイルを撃ち合うしか手がなくなってきていた。そうすると消耗戦に入っていって、お互い良いことはないという状況になっていたのは間違いないです。
アメリカは軍事力を誇示するような作戦を見事に成功させたと。一方、イランからの反撃は大したことなかったということで、“ここで手打ちにしておけばアメリカとしてはこれ以上はやらない”、“私たちがまさに力による平和を実現した”と言えるという思惑もあるでしょう」
ただ、停戦発表後にイスラエル軍は「イランからミサイルが発射された」と発表しました。一方、イランの国営テレビは、この報道を否定しています。
その後、イスラエルもイランに対して攻撃を行っていて、これにトランプ氏は…
トランプ大統領
「私は彼らのことが気に入らない。イランもだがイスラエルもだ。合意直後にイスラエルが守らなかったことと、反撃が強力だったことが気に入らなかった」
こうした状況のなか、それぞれ市民から聞こえてくるのは疑心暗鬼の声ばかり。
イスラエル テルアビブ市民
「これが20年・40年の停戦になるならいいけどね。ただ、そうはならないだろうね。そのうち分かるよ」
イラン テヘラン市民
「過去の歴史を振り返ると停戦協定がなかった。停戦の協定をそのまま守ってほしい」
停戦は守られ、継続できるのか。
元JNN中東支局長 秌場聖治 記者
「仮に今回のミサイルの撃ち合いのようなものが止まったとしても、両国の敵対関係は変わりません。
イスラエルはイランの核科学者の暗殺はこれまでもやってきた。イランもイスラエルに対して、自分の代理勢力を使いながら攻撃をしかけてきた。いわゆる“熱い戦争”ではなく、陰で行われる戦争は続いていく可能性がある」
・エアコン「1℃下げる」OR「風量を強にする」どっちが節電?「除湿」はいつ使う?賢いエアコンの使い方【ひるおび】
・スマホのバッテリーを長持ちさせるコツは?意外と知らない“スマホ充電の落とし穴”を専門家が解説【ひるおび】
・「パクされて自撮りを…」少年が初めて明かした「子どもキャンプの性被害」 審議進む日本版DBS “性暴力は許さない”姿勢や対策“見える化”し共有を【news23】