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NATO、ロシア編成の「影の船団」を追う バルト海で監視作戦強化と国防費増額の行方

海外
2025-06-24 16:50

きょうから始まるNATO=北大西洋条約機構の首脳会議では加盟国が国防費の大幅な引き上げで合意する見通しです。JNNは、今回NATOがロシアの脅威に対抗するために行っている監視作戦に密着しました。


先月、JNNの取材班がリトアニアの港から向かったのは…


記者
「これから船を乗り換えて、こちらの機雷掃海艇に乗り込みます」


北ヨーロッパのバルト海で監視作戦を行うNATOの艦船です。バルト海には、かつての戦争で設置された「機雷」が無数に残っています。この日は、機雷の爆破作業が行われました。


NATOは、今年1月からこの海域での船や航空機による監視活動を強化。理由は、去年11月以降、海底の電力や通信のケーブルが損傷する被害が相次いだためで、ロシアの関与が指摘されています。


また、一部のケーブル損傷については、ロシアが欧米の制裁を逃れて石油を密輸するために編成しているとされる「影の船団」の関与も浮上。その「影の船団」は毎月100隻を超え、ロシア産の石油をバルト海を経由して運び、ロシアの軍事力を支える多額の資金を生み出していると指摘されています。


また、NATOの監視作戦ではソナーを使って、海底ケーブルの状況を確認します。


水路測量の技術者
「非常に小さな電力ケーブルです。(Q.直径は?)20センチメートルほどです。(Q.損傷はない?)ありません」


1月の監視作戦開始以降、故意による海底ケーブルの損傷は確認されておらず、司令官は監視作戦が抑止効果となっているとみています。


NATO即応部隊 エリック・コックス司令官
「我々はバルト海地域の『安全カメラ』と呼ぶべき存在です。現時点では、この取り組みはかなりうまくいっています」


こうした中、アメリカのトランプ大統領がNATO加盟国の国防費に対し、不満を表しました。


アメリカ トランプ大統領(3月)
「彼ら(NATO加盟国)が払わないなら彼らを守るつもりはない」


今、アメリカのトランプ政権はヨーロッパの安全保障に距離を置く姿勢をみせていて、ロシアの脅威にヨーロッパが単独で対抗せざるを得ない状況も想定され始めています。


NATO変革連合軍 ピエール・バンディエ最高司令官
「ヨーロッパとNATOの最大の課題は(アメリカの)穴をいかに迅速に埋められるかだ」


今回のNATO首脳会議では、アメリカが求める「GDP比5%目標」という国防費支出の引き上げで合意する見通しですが、アメリカがNATOへの関与を弱めるとの懸念は続きそうです。


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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