
7日、インドがパキスタンにミサイル攻撃を行い、8日にはパキスタンが報復攻撃をするなど、核兵器を持つ国どうしで激しい応酬となりましたが、両国は一転して停戦に合意。事態は新たな局面を迎えました。
【写真を見る】インド・パキスタン“核保有国同士の衝突”米仲介し停戦合意 ミサイル報復合戦 シャリフ首相「血の一滴まで復讐」【サンデーモーニング】
“インドとパキスタンが衝突” シャリフ首相「血の一滴まで復讐する」
警報が鳴り響くなか、一斉に身を隠す子どもたち。7日にインド各地で行われた訓練です。首都ニューデリーでも行われた訓練。戦時下を想定しており、実施されたのは、パキスタンとの全面戦争となった、1971年以来のこと。核保有国同士の緊張が、一気に高まったのです。
7日未明、インド軍は、パキスタンへのミサイル攻撃を実施。
パキスタン側の住民
「ここに大きなモスクがあり、地域の老人、若者、子どもたちがお祈りするために来てました。完全に破壊されました」
攻撃は9か所に及びました。民間人が多く集まる場所や、大都市近くのモスクにも被害が出ています。パキスタンのシャリフ首相はーー
パキスタン シャリフ首相 7日
「血の一滴まで復讐する」
そして…
車からスピーカーで呼びかける警備員
「みなさん、家のライト、車のライトを消して自宅に帰ってください」
今度はパキスタン軍がインドへの報復攻撃を開始。国境付近では戦闘機による空中戦や、地上での交戦も起きました。両国の発表によれば、インド側で16人、パキスタン側で33人が死亡。
核保有国同士の激しい応酬のエスカレートが懸念されましたが、日本時間10日深夜、両国は停戦で合意したと発表したのです。
合意はアメリカの仲介で実現。ルビオ国務長官は声明で「バンス副大統領と、自身がインドのモディ首相や、パキスタンのシャリフ首相らと会談してきた」としています。
事態の発端 “火薬庫カシミール地方”とは
そもそも今回の応酬の発端には、何があったのでしょうか
4月、インドが実効支配する、観光地で起きたテロ事件。パキスタン側から侵入したとみられる武装組織の銃撃などによって、インド人観光客ら26人が死亡しました。
現場となったのは「ミニ・スイス」とも称される風光明媚な街。
両国が建国以来、領有権を争ってきたカシミール地方にあります。
テロ事件の直後、インドのモディ首相はーー
モディ首相
「すべてのテロリストとその支援者を、特定・追跡し処罰する。」
インドはテロ組織の背後にパキスタンの支援があるとみて、パキスタンへの大規模な攻撃に踏み切り、両国の激しい応酬が始まったのです。
これまでにも、2001年のインドの国会議事堂でのテロや、2008年のムンバイでのテロなどが起きるたび、軍事的な緊張が高まってきた両国。
背景には、常にカシミール地方をめぐる対立がありました。
風光明媚な観光地にはそぐわない“南アジアの火薬庫”とも呼ばれるこの地域。
いったいどんな場所なのでしょうか。
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