パレスチナ自治区ガザでは停戦合意が崩壊の危機にひんしています。合意を破り、攻撃を再開したイスラエル軍は、新たに地上部隊による作戦を開始しました。
19日もガザ各地で続けられたイスラエル軍の空爆。ガザの保健当局によりますと、イスラエル軍が18日未明に停戦合意を破り、攻撃を再開してから、これまでに436人が死亡しました。
また、国連は、19日、ガザ中部の国連施設に攻撃があり、職員1人が死亡したと発表しました。イスラエル軍は国連施設への攻撃を否定しています。
そしてこの日、イスラエル軍は…
イスラエル軍
「ガザの中部と南部で、標的を絞った地上での活動を始めた」
ガザで地上作戦を再開したと発表。「ガザ北部と南部の間に部分的な緩衝地帯を設けるため」としていて、1月の停戦発効時に撤退したガザを南北に隔てる回廊を再び支配下に置いたということです。
ハマスは声明で「停戦合意に対する危険な違反」だと厳しく非難しました。
避難を余儀なくされたガザの住民は…
避難を余儀なくされた住民
「いつまでこんな状態なのでしょうか?避難を強いられるのはこれで10回目です。何度も困難を味わいました」
一方、イスラエル軍の攻撃再開に対しては、イスラエルの市民からも非難の声があがっています。
記者
「エルサレムのネタニヤフ首相の公邸近くですが、市民が大勢、道に座りこみ、ガザの戦闘再開に対して抗議の意思を示しています」
19日、エルサレムでは大勢の市民がシュプレヒコールをあげ、ネタニヤフ首相に抗議しました。
イスラエル市民
「人質を取り戻すためにも、戦闘再開が正しい選択だと思う人は誰一人としていません」
「まずは人質を優先するために(ハマスと)取引してほしい。そのためには戦争を終わらせなければならない」
イスラエルではいま、ネタニヤフ首相の側近に汚職疑惑が浮上。一部の市民からは「国民の目を逸らすために戦闘を再開したのでは」と疑う声もあがっています。
イスラエル市民
「私たちの首相は何も問題を解決しない一方で、自分の地位を守り、首相を続けるために、兵士や人質の命、そしてガザの人たちの命を犠牲にしているのです」
停戦延長と人質解放に向けた交渉は「戦火のもとでのみ行う」と強調するネタニヤフ首相。停戦合意は崩壊の危機にひんしていて、再び地上戦となれば、市民の被害拡大は避けられません。
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