就任演説で「革命」という言葉を使ったトランプ大統領。初日から26もの大統領令に署名するなど、まさに“トランプ革命”とも言える動きが見せています。
【写真を見る】「性別は男と女の2つだけ」“トランプ革命”はじまる 慈悲を求めた主教にも「面白くはなかった」【サンデーモーニング】
“トランプ革命”再び大統領にWHO脱退…重罪犯を恩赦
1月20日、ワシントンの刑務所前に集まった人たちが待っていたのは…
2021年、バイデン氏の大統領当選を認めず、議会を襲撃して逮捕され服役していた人々。
警官5人を含む9人が死亡し140人以上が負傷した事件で有罪となった受刑者らが、次々と釈放されたのです。
禁錮22年の判決を受けた極右団体の元リーダーも…
極右団体「プラウドボーイズ」エンリケ・タリオ元リーダー:
「何も悪いことはしていないので謝ることはまったくしない」
釈放はトランプ大統領が就任直後に出した恩赦によるものでした。
20日、あの議会議事堂で行われた就任式。
2期目に返り咲いたトランプ氏が語ったのは…
第47代トランプ大統領:
「アメリカの完全な復興と常識に基づく革命を始める。すべては常識の問題だ」
自らの主張こそが「常識」だとして、それに基づく「革命」を宣言したのです。
トランプ大統領:
「(化石燃料を)掘って掘って掘りまくれ!」「性別は男と女の2つだけとする」
環境保護政策の転換に、ジェンダーの多様性を擁護する政策の転換。
近くで演説を聞くバイデン氏は苦笑いを浮かべていました。
就任式のあと、支持者を集めた集会に移動。始まったのは新たな大統領令への署名です。
進行役:
「トランプ大統領が最初に署名するのはバイデン時代の78の大統領令や、覚書などの撤回です」
大統領令は法律と違って議会の承認が不要で、即時に効力を持つもの。
進行役:
「次はパリ協定からの離脱です」気候変動を抑制する国際的な枠組みからの離脱など、多くの大統領令に署名しました。
トランプ大統領:
「バイデンがこんなことできると思うか?そうは思わない」
大統領令への署名は執務室でも続きました。
トランプ大統領:
「これは?」
ホワイトハウス職員:
「世界保健機関(WHO)からの脱退です」
トランプ大統領:
「おおこれは大きいな」
署名した大統領令は、初日だけで26。政策の中身は1期目より先鋭化しています。
そのひとつが不法移民の「史上最大の強制送還」。早速、数百人が軍用機で強制送還されました。メキシコ側の国境の町でも…
移民政策の転換で不法移民“以外”にも影響が
トランプ大統領が制限を強化した移民政策。不法移民以外にも影響が及んでいます。
コロンビア出身の移民希望者:
「ようやく入国だったのに。全部ダメになってしまった・・・」
13歳の息子と合法的な入国を目指していた女性。トランプ氏の就任式と同じ日に入国審査が予定されていましたが、突然キャンセルされたのです。
「革命」を始動させたトランプ大統領。これに直接異を唱えた人物がいます。
就任後の伝統行事として行われた礼拝。トランプ大統領を前に、主教がこう語りかけたのです。
ワシントン聖公会 ブッデ主教:
「神の名を下にお願い申し上げます。いまこの国でおびえている人々に慈悲を。ゲイやレズビアン、トランスジェンダーの子どもたちは、民主党・共和党・無党派層の家庭にもいます。中には命の危険を感じている子どももいます」
「性別は男と女のみ」と宣言したトランプ氏に寛容さを求めたのです。さらに移民についても…
ワシントン聖公会 ブッデ主教:
「レストランで私たちの食事後に皿を洗い、病院で夜勤をする人たちがいます。彼らは市民権あるいは適切な書類がないかもしれません。しかしほとんどの移民は犯罪者ではありません」
礼拝後、トランプ氏は…
──説教はどうでしたか?
トランプ大統領:
「面白くはなかったな。良い説教ではなかった。もっとましな説教ができたはずだ」
新たに始まった4年間。“トランプ革命”はどこに向かうのでしょうか。
“トランプ革命”就任初日に26の大統領に署名
駒田健吾キャスター:
就任初日にトランプ氏が出した大統領令は26あります。
大統領令というのは、政策を実行するために省庁などに出す行政命令で、憲法や法律に違反する場合は差し止められることもあります。
今回の大統領令の中には、出生地主義の見直しというものがあります。
出生地主義というのは、アメリカ国内で生まれた子供は、親が外国人であってもほぼ無条件でアメリカ国籍が与えられるという制度です。
しかしトランプ氏は大統領令によってこの制度をやめさせようとしましたが、早速22の州の司法長官が、憲法に違反するとして訴えを起こし、すでに4つの州については連邦地裁が大統領令の差し止めを命じました。
提訴した州のうち、ニュージャージー州の司法長官は「大統領は王ではない。一筆で憲法を書き換えることはできない」と述べています。
そして、イーロン・マスク氏をトップに据える組織“政府効率化省”も大統領令によって新設しますが、これについても政府監視団体などが法律に違反する疑いがあるとして、差し止めを求め訴訟を起こしています。
一方、政府が認める性別は男性と女性だけ。そして不法移民の強制送還の強化などについても大統領令が出されましたが、教会の宗教が性的マイノリティーや移民に慈悲の心を持つよう、トランプ氏を諭すという異例の場面もありました。
(サンデーモーニング2025年1月26日放送)
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