戦争の記憶を未来につなぐ「NO WARプロジェクト つなぐ、つながる」です。爆弾を積んだ飛行機で敵に体当たりする特攻。ある特攻隊員の妹は戦後一つの思いを抱えてきました。今年その思いが、アメリカ兵の遺族に届きました。
特攻隊員の妹 今井アサ子さん
「私は兄と本当にいつも一緒でしたからね、兄のことは大好きでした」
栃木県足利市で育った今井アサ子さん(98)。3つ上の兄・山岸啓祐さんは、1945年4月12日、特攻隊員として沖縄の海に出撃し亡くなりました。そして母親も…
今井アサ子さん
「気が狂ったように泣いて。食べるものも食べないから、翌年に亡くなっちゃったのよね。兄と母の合同葬、こんな悲しいことはないですよ」
悲しみに暮れたアサ子さんですが、やがて、こんな思いを抱くようになります。
今井アサ子さん
「兄は特攻隊としての使命で突入したんでしょう。でも、戦艦で亡くなったアメリカの方の遺族を思うと、同じ思いじゃないですか。申し訳ない…お詫びでいっぱいです」
この思いが今年、海を渡りました。
サンフランシスコに住むカレン・ウィーラーさん。父・グレンさんは、特攻を受けたアメリカの戦艦「テネシー」に乗っていました。テネシーでは22人が死亡。激しく損傷した遺体もありました。
グレンさんは生き延びましたが、戦後…
カレン・ウィーラーさん
「父は夜うなされて叫びました。『見つかったのか?』『彼の頭は見つかったのか?』と船の上で殺された戦友のことだったのでしょう。普段は話せない痛ましい記憶、父は心の傷を抱えていました」
特攻について調べてきたジェフさんとベンさん。ベンさんの祖父も特攻を経験しました。
ベン・アーノルドさん
「特攻は『絶望』そのものです。PTSDは昔からありました。祖父も確実にトラウマを抱えていたと思います」
2人に、アサ子さんの思いを聞いてもらいました。
ベン・アーノルドさん
「これは…彼女の責任ではない。そんな重荷を背負ってきたなんて…」
ジェフ・スワンソンさん
「この悲劇から何を学ぶか、二度と戦争をしないためにどうするかが大切」
2人のメッセージを、アサ子さんと家族に見てもらいます。
「これは彼女の責任ではない。私はお兄さんも責めるつもりはない。命令だったんです」
今井アサ子さん
「なんであんな戦争したんでしょうね。こうして遠いアメリカの人たちと会話してるような感覚になって、もし今から80年前に、こういう交流ができてたらね、あんなに大勢犠牲も出さなかったでしょうにね」
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