7人が犠牲となったイオンモール熊本の爆発事故をめぐり、JNNは出店する199のテナントの運営会社にアンケート調査を行いました。その結果、イオン側の災害時のマニュアルを認識していなかったテナントの運営会社があることがわかりました。
先月28日の地震のあとに起きた、イオンモール熊本での爆発事故。きょう、警察と消防、経済産業省が合同で施設の中に入り、調査を行いました。
経産省は、事故の原因について、「LPガスの爆発である可能性が高い」としていて、館内のガスの配管をたどりながら、ガス漏れが起きた場所などを調べました。
テナント従業員7人が犠牲となった爆発事故。そのうちの1人、大竹玖瑠美さん(22)は2階の雑貨店「ハビタ」の従業員で、地震が起きたあと施設の外に避難していました。
大竹さんの母親によりますと、親戚がそこで大竹さんと遭遇した際、こんな言葉を聞いたといいます。
大竹さんの母親
「『(大竹さんが)金庫にお金を入れないといけないと言われたので(館内に)戻る』と」
イオンによりますと、爆発が起きたのは、地震発生からおよそ1時間20分後。大竹さんはその間に店に戻り、爆発に巻き込まれました。
大竹さんの勤務先 「ハビタ」営業部長
「(売上金などを)金庫に戻してくれないか、もし入れるのであればと言った。入るときは必ずイオンモール熊本の許可を得てから入ってと明確に言った」
イオンの災害マニュアルでは震度5以上の地震が起きた場合、「いったん避難したあと、館内に戻らない」ことを定めていましたが…
イオンの発表
「一時入館を認めた事実があったことを確認いたしました」
おととい、テナント従業員らの一時的な再入館を認めていたと発表したのです。
地震の後、施設で何が起きていたのか。JNNは199のテナントの運営会社にアンケート調査を行い、130のテナントの運営会社から回答を得ました。
地震発生後のイオン側の対応について尋ねたところ…
眼鏡店運営会社
「施設内への入場を控えるような呼びかけをしていた」
飲食店運営会社
「イオンモール事務所スタッフより、“そのまま帰宅してよい”と連絡があった」
マニュアルに沿った指示があったとする回答がある一方で…
飲食店運営会社
「イオン側から特に指示はなし。店舗にいた従業員主導で動いていた」
別の飲食店運営会社
「荷物を取りに行くと警備員に伝えたら通してくれた」
再入館をめぐって、イオン側が現場で異なる判断を伝えていたとみられることがわかりました。
こちらのテナント従業員の男性は、イオンモールの関係者からこう伝えられたと証言します。
テナント従業員
「(イオンモール関係者から)『お店のレジ金とか貴重品とかがあれば、今すぐ取りに行って戻ってきてください』という声かけがあった。10人から15人ぐらいが中に入って取りに行く動きをした」
この声かけを受け、ほかのテナント従業員らとともに再び館内へ戻った男性。
自身の店で売上金などを回収したあと、再び避難しようとしましたが、入館したドアが施錠されていて別の出入口を探すことに。
どこから外へ出られるのか、探し回るなかで爆発が発生。爆風などで壊れた場所から奇跡的に脱出できたといいます。
テナント従業員
「数十秒、数分遅かったら爆発したところにいたので危なかった」
こうした危険性がある“再入館”のルールなどを定めたマニュアルについて、地震発生前にイオン側から説明があったかを尋ねたところ、「店舗スタッフらが参加する避難訓練などで確認されていた」という趣旨の回答が複数、寄せられました。
一方で…
印鑑店運営会社
「会社にはマニュアルのようなものはいただいていない」
アパレル店運営会社
「マニュアルの実物は見たことはない」
あるテナントの運営会社
「マニュアルはテナントの本部側にも共有すべき」
JNNの調査では、5つのテナント運営会社がイオン側のマニュアルを認識していなかったことがわかりました。
イオンはJNNの取材に対し、「テナントの店舗の担当者にはマニュアルを渡していたが、店舗の運営会社にはマニュアルは共有しておらず、契約時に『災害時に関する規則』を渡していた。マニュアルのあり方を見直していきたい」としています。
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