
あまりに“拙速”な議論は、まるで「ベルトコンベヤーで処理される荷物のよう」。野党からそう批判が飛んだのは、今国会の最優先事項と位置づけられた「皇室典範の改正」をめぐる審議についてです。
立憲民主党 長浜博行 参院議員
「ご一家で那須御用邸に入られた天皇陛下は、皇室典範改正法審議の状況をどのように感じておられるのでしょうか。静謐な環境で充実した審議どころか、消化試合のごとく追い立てられ、会期末の国会日程の中で、ベルトコンベヤーに載せられた荷物が手際よく処理されるがごとく取り扱われ、皇室への尊崇の念が感じられない。衆参通じて形骸化した国会審議に対して、強い違和感を覚える」
皇族数の確保に向けて女性皇族が結婚後も皇族に残ることや、旧宮家の男系男子を養子に迎えることを可能にする皇室典範の改正案。
与野党の協議でとりまとめられましたが、提出された政府案では、養子の子どもが男の子であれば「皇位継承権」を持つとされていて、一部の野党が反発してきました。
れいわ新選組 伊勢崎賢治 参院議員
「政府は目的を皇族の数の確保と説明しているが、それならばなぜ、旧宮家の男系男子に限定して養子を迎える必要があるのか」
日本共産党 小池晃 書記局長
「国民の総意に反するやり方は、将来に大きな禍根を残す」
異論が相次ぎましたが、16日夕方、参議院の特別委員会で採決が行われることに…。
「本案に賛成の方の起立を願います」
改正案は自民・維新の与党のほか、野党の国民民主党・公明党・参政党の賛成多数で可決。国会審議が10時間にも満たないなか、会期末となる金曜日(17日)に本会議で可決・成立する見通しです。
「『国旗の損壊等の処罰』に関する法律案に賛成の方の挙手を願います」
同じく参議院の委員会で可決されたのは、「国旗損壊罪」の制定に向けた法案です。法案では国旗を公然と損壊した場合、2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金を科すとしていますが、一部の野党は「処罰の対象が曖昧だ」などとして採決直前まで反発しました。
公明党 窪田哲也 参院議員
「何が処罰になって、何が処罰にならないのかが全く分からない」
また、野党側は法案を提出した維新の議員が「法案成立を機に愛国心も醸成される」と発言したことについても質しました。
立憲民主党 杉尾秀哉 参院議員
「国旗への尊崇の念を通じて国民に愛国心をもたせる、それを刑罰をもって実現させようとしている事に他ならない」
日本維新の会 阿部圭史 衆院議員
「個人の内心に立ち入って、その行為の基礎となった思想や信条を処罰するものではない。その思想や信条に反する特定の行動を強いるものではない」
このほか、「再審制度」を見直す刑事訴訟法改正案も委員会で可決されるなど、“重要法案”の成立に見通しがたった国会。ただ、“維新の肝いり”法案である「副首都法案」をめぐっては、参議院の野党6党が金曜日(17日)の審議入りを拒否する方針で一致しました。
今の国会で成立させるためには会期延長は避けられず、与党は国会の会期を1週間から10日程度延長する方向で調整しています。
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