
高市総理は7月15日、野党党首との党首討論を行い、様々な重要法案などをめぐり論戦を交わしました。
高市総理と立憲民主党・水岡俊一代表との論戦を全文公開します。
皇室典範改正法案「立法府の総意に基づいて作成」の「総意」の意味は
立憲民主党 水岡俊一 代表:
立憲民主党代表の水岡俊一でございます。総理、どうかよろしくお願いいたします。
私からは皇室典範改正についてお伺いをいたします。
法案の中身を詳しくということではなく、ぜひ総理のお考えのもととなるところを分かりやすくお話しいただくと助かります。
私はあがり症なもんですからメモ読ませていただきますけれども、お許しくださいね。それでは本論に入ります。
総理、皇室典範改正法案は、立法府の総意に基づいて作成したものだとご答弁なさっています。「立法府の総意」とは一体何を意味するのでしょうか。
「総意」とは、構成員全員に共通する意見や、一致した考えのことだと辞書には書いてあります。
しかし、全体会議で立憲民主党は女性皇族の婚姻後の身分保持には賛同しても、それ以外には賛同できないと明確に述べております。ほかにも反対をした会派が13分の5いらっしゃったということで、全会派一致では全くないわけでありますが、なぜ「立法府の総意」とお呼びになるのでしょうか。
高市総理:
全国民の代表として、憲法に位置づけられている国会議員で構成される立法府で、衆参の正副議長のもとで議論の取りまとめが行われました。
その上で取りまとめに書かれた手続きにのっとって、私どもは骨子案を作り、骨子案を正副議長にお示しし、そのあと全体会議で、ほぼ法律案に近い要綱をご説明し、衆参両院の正副議長から、これは立法府の議論の取りまとめに沿ったものであるというご判断をいただいた上で、条文作成作業を行ったわけでございます。
ですから、これは立法府の総意だと。正副議長が衆参ともにお出ましになって、そしてお取りまとめいただいた。各党各会派に法律案の要綱を説明して、これは立法府の議論の取りまとめに沿ったものだというご判断を頂きましたので、これは総意と受け止めさせていただいて、立法作業をいたしました。
立憲民主党 水岡俊一 代表:
衆参の正副議長に取りまとめを頂きました。心から敬意を表したいというふうに思いますし、感謝を申し上げたいというふうに思っております。
しかし、立法府の中に明確な異論が出ています。それから国民世論も分かれている。そういった中で言うと、総理の言われる「総意」とは、全会一致ではなくて、反対意見を残したまま、多数で決めたものという理解をしてよろしいでしょうか。
少なくとも国民に対しては、各党各会派の一致ではないんだということをしっかりと説明するのが、政府の誠実な姿勢ではないかと思うのですが、総理、いかがでしょうか。
高市総理:
衆議院におきましては、議院運営委員会で可決を頂きました。その上で、附帯決議もございます。それから見直しに関する項目もございます。将来の立法府の検討を縛るものでもございません。
ただ、私どもが立法府の総意と考えるときに、ただ1人の議員が反対をされたから、総意ではないんだと言われたら、もうほとんどのことが立ち行かなくなってしまいます。
やっぱり正副議長のもとで、各党各会派が時間をかけて何度も何度も議論をしていただいて、議論の取りまとめを作っていただきました。それに従って作成をしたということでございます。
「私たちはだまされたんでしょうかね、総理」 皇室典範改正めぐり追及
立憲民主党 水岡俊一 代表:
私は1人でもという話をしているわけではなくて、かなりの方々が反対の意見を述べられているという実態があったということを申し上げております。
また国会には全会一致というルールもございますし、そういった意味で私は何が何でも100人が100人とも、と言っているわけではないので、ご理解を頂きたいと思いますが。
その改正案の中身について見ますと、これは総理のお言葉で言えば、立法府の総意に忠実に基づいていると。忠実に基づいて作成をしたんだと、こういうふうにおっしゃっているが、私はそれは大きく事実と異なるのではないかと思っています。
今回の改正に向けた議論の目的は、皇位継承の在り方を決めることではなくて、皇族数を確保することだったはずです。
ところが政府案では、養子となった男子本人には皇位継承資格を認めないという一方、その方に男子が生まれれば、その子には皇位継承資格が生じるという制度になっています。
皇族数確保策として始まった議論が、結果として新しい皇位継承資格者を生み出す制度にすり変わっているというふうに思います。このすり替えは大変重大だと思っています。私たちがだまし討ちだと言っている理由の一つはここにもあります。私たちはだまされたんでしょうかね、総理。
高市総理:
令和3年の政府の有識者会議の報告において、これは皇位継承の問題と切り離して、皇族数の確保を図ることが喫緊の課題であるという認識のもとで出てきた二案が女性皇族の身分保持制度であり、もう一つは皇族の養子制度案でございました。その二案が示されました。
この報告を受けて、国会において議論が行われて、そして先ほど申し上げました衆参の正副議長にリードしていただいた議論の取りまとめにおいて、女性皇族の身分保持制度、そして皇族の養子制度、この二案をいずれも了とすると。この取りまとめをもとに、法制化することを求めるとされました。ですから、それに従って法制化をさせていただいたということです。
立憲民主党 水岡俊一 代表:
皇室典範が禁じてきた養子制度を導入し、象徴天皇制の根幹を変える重大な改正ということになると思うんですね。一方、養子の子には一般原則として、現行法規定を適用するというのは論理の矛盾、もっと言うならば、ご都合主義と言うしかないというふうに思っております。
また、皇位継承という国家の根幹に関わることを、解釈のテクニックで国民に隠れて決定をしようとする手続きは不誠実極まりないと思いますが、いかがですかね。
高市総理、養子の子の皇位継承に言及「現行制度との整合性から完結させた」
高市総理:
養子や養子の子といったところに問題意識をお持ちだと思いますが、まず養子については国会における取りまとめにおいて、皇位継承資格を持たないこととされた一方で、養子の子については、取りまとめに何も記述がなかったことから、現行の皇室典範の規定が適用されるということになります。
つまり養子の子というのは、皇族のもとで生まれたわけですから、生まれながらの皇族です。ですから、男子の場合は現行の皇室典範第1条及び第2条が適用されて、皇位継承資格を有するということになります。
ですから、取りまとめに記述がない中において、現時点で法案を作成するということになりますと、現行制度との整合をとる必要がありました。
ですから、養子の子の扱いについては仮に、あえて現行法が適用されないとした上で、将来において検討するなどという書き方をしてしまったら、実体法における制度としては完結したことになりません。取りまとめ中にその記述がなかったので、現行の皇室典範に従った形になっております。
立憲民主党 水岡俊一 代表:
日本国憲法は、女性天皇も女系天皇も禁止していません。皇位継承を男系男子に限っているのは憲法ではなくて、皇室典範第1条であります。
したがって、女性天皇、女系天皇を認めるかどうかは憲法上、初めから排除された問題ではなく、国会が法律として判断できる問題であると私は考えますが、総理はいかがですか。
高市総理:
個別具体的なことについて、ここで申し上げるのが適当だとは思いませんが、しかしながら今回の皇室典範改正におきましては、官房長官も答弁しておりますとおり、今後の国会でのご議論を縛るようなものではないと。ご検討を縛るようなものではないということです。
今回はあくまでも皇族数の確保ということに主眼を置きました。ですから皇位継承の問題については、残念ながら今回は先送りになっております。これは引き続き検討するものとされておりますので、国会におけるご意見、ご議論を尊重して、政府はその上で、また作業をするということになろうかと思います。
立憲民主党 水岡俊一 代表:
個別具体的とおっしゃいましたけれども、これは本当に皇族制度の根幹、もっと言えば日本の国の在り様にも関わることですので、これに対する考え方というのは、しっかりと示していただくべきだと私は思っております。
改めてでありますが、日本国憲法第1条は天皇の地位は主権の存する国民の総意に基づくとされております。
国民の多数が関心を持ち、支持をしている選択肢については議論すらさせない、国民の理解が割れている案だけを先に法律にする。これでは国民の総意を形成することから遠ざかるばかりではないですか。
総理には日本国憲法に立ち返り、国民の総意に基づく皇族制度を整えていただきたいと強く要望して、私の質問を終わりたいと思います。
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